疲れすぎて眠れぬ夜のために の商品レビュー
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気になるところをメモ。 資本主義の理想。 ★他者思考的な、隣人が欲しがっているものが欲しくなるタイプの人たちで社会が充満すること。 ★すべての人が同じものを欲しがること。そして欲しがるものが絶えず変化すること。 大衆とは。 ★隣人との差別化には熱心だけれど、隣人を包み込んでいるニッチの狭さには全然気づかない人 ニッチとは…生態的地位。マーケティング用語としては市場セグメントの中で、サブグループをさらに狭めた小さなグループのこと。 (weblio参照) ということで、そこから私が考えたこと。 私は今、教職についていますが(高校美術)、同じ課題を掲げてそれぞれの違いを認めると言う行為そのものが私は「大衆」を作り出してしまっていると言うことなのかしら、ということ。 それが良かれ悪しかれ、私は現在そのようなポジションにいるので、そこをどううまく生きていくかということを当面考えればいいので、そこに関する思考は一旦停止。 考えなくてはならんのは…。 私は多分大衆を…大衆的ものの見方を作り出したくてここにいるのではないのではないかということ。 そもそも教職についたのは、多かれ少なかれ「何かを売り買いしてお金を動かすものに関わりながら生きていくよりも(つあまりは多分資本主義の中で生きていくよりも)、私が関わることで、今の社会に何かしらの疑問を持って、より良い方向に、新しい方法で生きていく方法を、考えていく人間を(多数)作り出していくことのほうが、働くと言うことが、何か幸せなもののように思えたためだ。 いや、言ってみると格好いいけど、要は働きたくなかった。何かになりたいわけでもなかった。美術に関わってきたからデザイナーとか?と思ったけど、何かを買わせるために小手先の変化を売りにするものしか作れない、ごみみたいな発想しかできない自分は、すぐに淘汰されると思い、そりゃ無理だってとこからあれこれ考えてこうなったってだけ。 つまり意図はしてなかったけど、「資本主義」への対抗勢力(とまでは言わんがそこに疑問を持つ人たち)を作りたいというきっかけでなった先生なのに、結局小さな差異を喜び合うような何も変わらない思考をわたしは人に植え付けてきたってことが明らかになった思いがして背筋がすぅっと寒くなった。 考えなくては。 私はこのままのシステム(何といっても保障がある…気がする)の中で何かできることを探してのさばっていくべきか。 もっと違うやり方で、もう少しだけシステムとは離れたところで(それはまぁアート的なものの範囲からのアプローチとなるのだろう)を模索してみるべきか。 正直後者を選びたい。 今までのやり方が何も通用しなくなるのでつらくなるだろうと思う。日の目を見て「成功」するかも分からん。(人に伝わるかどうか、生きていく糧を捨てられるかしら…) ひとつだけ、最近実感せざるを得なかったのは NYのスーパーの品数を見て、日本のスーパーを比較し、何で私はこんなにも同じものを食わされなならんのかと思い知らされたこと。その知らぬ間に取り込まれている現実を、分かる範囲で取り除いていきたいと願う気持ちがすごく大きい自分がいると言うこと。 考えなきゃ。
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今、私のこの状況で読めてよかった。 共感する部分が多すぎて、驚きの連続。 前に一度だけ内田さんのご本を読んだ時は ここまで思わなかった。 きっと、自分の人生のステージが変化してきたことと、 人生について深く考えることが 多少は出来るようになってきたことも関係している気がする。 ...
今、私のこの状況で読めてよかった。 共感する部分が多すぎて、驚きの連続。 前に一度だけ内田さんのご本を読んだ時は ここまで思わなかった。 きっと、自分の人生のステージが変化してきたことと、 人生について深く考えることが 多少は出来るようになってきたことも関係している気がする。 「らしく」生きるの章は ごもっともで、気付かされる事が多すぎて、 たくさん線を引いてしまった。 また1年後、読みたい本です。
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礼儀正しいことはディフェンス。 公私を切り替えるほうが「風通しがよくなる」 本当の自分なんていない。もっとバラエティを増やしてみたら。 型がなくなると、個性がなくなる。 個性的なこと=誰にも共感してもらえないこと アイデンティティ=自分ができること コミュニケーション...
礼儀正しいことはディフェンス。 公私を切り替えるほうが「風通しがよくなる」 本当の自分なんていない。もっとバラエティを増やしてみたら。 型がなくなると、個性がなくなる。 個性的なこと=誰にも共感してもらえないこと アイデンティティ=自分ができること コミュニケーションは贈与。 負ける相手にも、花道を用意。 気分よく退場していただく=弔う
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作者のためらいの倫理学などは好きですが、この本はあまり好きになれず。 働く女性の書き方に若干の偏見を感じたため。 作者が知る世界は一部。 たいした仕事じゃないってヘラヘラしながら良質な仕事をする女性は今、結構多いですよ。 でもそういう人は男女関係なく表舞台で話はし...
作者のためらいの倫理学などは好きですが、この本はあまり好きになれず。 働く女性の書き方に若干の偏見を感じたため。 作者が知る世界は一部。 たいした仕事じゃないってヘラヘラしながら良質な仕事をする女性は今、結構多いですよ。 でもそういう人は男女関係なく表舞台で話はしないだけ。
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人生で突き当たる疑問。なぜうまくいかないのか。一度今までの常識を疑ってみる。そうすると見えて来るものがあり、少しは救いになるような気がする。そんな話を集めた一冊。
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世の中で「当たり前」とされていることに対して、はたして本当にそうだろうか?と問いを立て続けることは生きていく上で重要なことだ。その点で、内田さんのように、時々立ち止まり自分の今いる場所を俯瞰して捉えることや、世の中に溢れている根拠の無い「常識」に無意味に流されることがないよう姿勢...
世の中で「当たり前」とされていることに対して、はたして本当にそうだろうか?と問いを立て続けることは生きていく上で重要なことだ。その点で、内田さんのように、時々立ち止まり自分の今いる場所を俯瞰して捉えることや、世の中に溢れている根拠の無い「常識」に無意味に流されることがないよう姿勢を整え直すことは、生きていく上でとても大切なことだと思う。 そのことの意味を、またはそうして生きていくための考え方を学ぶアイテムとしては、この本はとても良い本だと感じた が、そもそもそういった世の中を斜めから見るような、絶賛されているものを見ると逆の視点から見たくなるような考え方を日頃からしている人にとっては、かなり凡庸な本だとも言える。 本書に書いてあるのは結局、内田さんが生活している上で気がついた「世間ではこれが当たり前だと言われてるけど、改めて考えてみたら違う気がしてきた話」でしかない。それを一貫性もなくただ羅列しているだけな上に、ひとつひとつの話に論理的なジャンプが多く、根拠が薄弱な推論をアンカーにして話を進めていってしまうので、論旨の土台が非常にグラグラしている。言葉は悪いが、日記に書け!的な内容にしかなっていないように感じた。 ハンカチ落としでハンカチが落とされる前に気配を察知できることがあるのは、鬼の「邪念」を感じるからだ、などと言われても(本書にそういう話が出てくる)、「えっ邪念!?」と思ってしまうわけで、そんな話をすんなり飲み込むことはできない。 もちろんそんな突飛な話ばかりじゃなく「なるほどね」、と思える話もたくさんあるのだが、どちらにしても、個人で考える分には有意義な内容だろうが、わざわざ本にして他人に見せる必要があったのかな?と思ってしまった。
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読んで賛否両論、いろいろと考えさせられる本でした。睡眠導入の本として思っていたけれど、逆に深夜にいろいろと考えがめぐって目がさえてしまった!
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≪内容≫ 神戸女学院大名誉教授である内田樹の著作。日本の身体文化に触れながら、現代人の生き方を再考させる名エッセイ。 ≪感想≫ ほんとうの自分、サクセスモデル、家族の愛情至上主義など、いつの間にか良いものとされてきている「幻想」に対して鋭い指摘が展開されています。利己主義とは何...
≪内容≫ 神戸女学院大名誉教授である内田樹の著作。日本の身体文化に触れながら、現代人の生き方を再考させる名エッセイ。 ≪感想≫ ほんとうの自分、サクセスモデル、家族の愛情至上主義など、いつの間にか良いものとされてきている「幻想」に対して鋭い指摘が展開されています。利己主義とは何か、ビジネスとレイバーの違い、身体性と型の文化、拡大家族論など、興味深い話が満載。関連性の見えないテーマばかりだと思われるかもしれませんが、読み進めていくうちに全論をつなぐ一つの流れが見えてきます。 資本主義と人類学的システムの相剋の中で、ちょっと冷静に自分たちの生き方を再考してみると、やはり色々な不具合が生じていることに気付きます。そういったことの理由を考えずに、もしくは気付かないふりをしながら日々消耗していく日本人に対して伸べられた数々の提言は、現代を生きる上で重要な示唆を与えてくれているように感じました。 疲れすぎて眠れぬ夜、というのを僕はまだ経験していないのですが、普段の生活の中でちょっと疲労を感じたときに沁みてくる論考なのではないかと思います。
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この著者のことを全然知らず、本屋でタイトルに惹かれて買ってみたら、大変面白い内容でした。 「なるほどーこんな考え方もあるのか」と、読んで行くうちに、タイトル通り、肩の力が抜けていった。 この本は文庫本という事もあり、薄く小さいので、持ち歩いてちょっと気分転換に読むのに最適です。 ...
この著者のことを全然知らず、本屋でタイトルに惹かれて買ってみたら、大変面白い内容でした。 「なるほどーこんな考え方もあるのか」と、読んで行くうちに、タイトル通り、肩の力が抜けていった。 この本は文庫本という事もあり、薄く小さいので、持ち歩いてちょっと気分転換に読むのに最適です。 内容も、文体が軽いので、あまり考え込まず、かといって薄くぺらぺら読めてしまうような感じでもなく、色々と考えすぎて疲れてきた自分にちょっと一息つかせるのにちょうどいい本でした。
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特に気になった文章の目次。 人はどうしてオヤジになるのか 女性が働くことの意味 個性ということ 「ほんとうの自分」という作り話 愛していたら、人を殴れない 例えで映画の話をよく持ち出しているのが、分かりやすかった。 ハリウッド映画が描く自立した女性の話し、寅さんの家族構成の...
特に気になった文章の目次。 人はどうしてオヤジになるのか 女性が働くことの意味 個性ということ 「ほんとうの自分」という作り話 愛していたら、人を殴れない 例えで映画の話をよく持ち出しているのが、分かりやすかった。 ハリウッド映画が描く自立した女性の話し、寅さんの家族構成の話しなど、「ああなるほどねぇ」と思わされた。
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