ロッキン・ホース・バレリーナ の商品レビュー
大槻ケンヂさんにこういう小説を書かせると天下一品ですね。18才で夏でバカ。そんな彼らが織り成すロードムービー的な小説です。 この小説と、これから後で紹介する雨宮処凛の『バンギャル ア ゴーゴー』。この二つの作品を読んでいて本当に思う。 『なぜ、僕はミュージシャンにならなかったの...
大槻ケンヂさんにこういう小説を書かせると天下一品ですね。18才で夏でバカ。そんな彼らが織り成すロードムービー的な小説です。 この小説と、これから後で紹介する雨宮処凛の『バンギャル ア ゴーゴー』。この二つの作品を読んでいて本当に思う。 『なぜ、僕はミュージシャンにならなかったのだろうか?』 と。いまさら後悔しても遅いんだけれども…。物語は18歳で夏でバカ。の耕助がバンドを組んで途中で拾った七曲町子というゴスロリ系の一見不思議ちゃん的な女の子と演奏機材を軽バンにつんで町から町へ流れていく、という話です。 でも、僕が一番恐ろしいなと思ったのは、作中に出てくるプロデューサーの彼らに対するこの発言です。いわく、 『バンドの才能が続くのは2年だ。100万枚売るやつだけが商品でそれ以外はばっさり切り捨てる。仮に売れなくても会社には利益だけが残る。でも、音楽を仕事にするやつは一生だ。わかるか、2年と一生。これが音楽を奏でるものとそれを商売にする人間との差なんだよ』 ということをいっていたのが、本当に衝撃的でした。 読んでいてぞっとしましたね。でも、このプロデューサーも、こういう風になるまではいろいろありまして、それは自分で確認してほしいんですけど、いい物語だと思いますよ。
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「十八歳で夏でバカだった」というキャッチフレーズそのものな作品。浅田弘幸氏のイラストもイイネ♪ コミカルで勢いのある展開で、面白くってドンドン読み進めてしまった。単なるバンド小説で終わってしまいそうな内容だけど、後半から夢か金かの葛藤も描かれている。そこが今までの青春小説ろは...
「十八歳で夏でバカだった」というキャッチフレーズそのものな作品。浅田弘幸氏のイラストもイイネ♪ コミカルで勢いのある展開で、面白くってドンドン読み進めてしまった。単なるバンド小説で終わってしまいそうな内容だけど、後半から夢か金かの葛藤も描かれている。そこが今までの青春小説ろは違って奥が深い。 読んでて何となく懐かしい気分になる一冊。
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楽しい青春バンド小説。青春と音楽といえば『青春デンデケデケデケ』が思い起こすのだが、この大槻ケンヂが描いた物語世界は、また非常にポップで秀逸な、弾けるような青春物語だった。こういった読みやすさを持ちながら、気持ちの良い文章ってあまりないですよね。これは才能が成せる技だと思います。...
楽しい青春バンド小説。青春と音楽といえば『青春デンデケデケデケ』が思い起こすのだが、この大槻ケンヂが描いた物語世界は、また非常にポップで秀逸な、弾けるような青春物語だった。こういった読みやすさを持ちながら、気持ちの良い文章ってあまりないですよね。これは才能が成せる技だと思います。 物語では主人公の耕輔と七曲町子の微妙な関係性の歯がゆさが良かった。愛とか恋とかじゃなく、また別の思いで繋がっているのが良かった。 ストーリーの後半の展開、特にROCKの神様達が総出演するシーンは非常に楽しかった。ポップ過ぎる――なんて思って笑った。爽やかな青春物語を読むのであれば、この本は良い選択かも知れない。 ちなみに一番好きなキャラクターはバンドマネージャーの得さん。名言連発する哀愁キャラ。凄く良い。
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町子が愛しくてたまんない。 登場人物みんな大人になれないロックバカ。大好き!!! 挿し絵が三原ミツカズさんなとこも憎いです!!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
得さんが苦渋に満ちた表情で「お前らに厳しい発表」として「今夜はここで野宿」と宣言した瞬間、「此処をキャンプ地とする」と脳裏に過ぎったどうでしょうバカが何人か居る筈だ。むしろいて欲しい。ワタシみたいに。
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本屋で見かけた時、この表紙がとても輝いて見えた。 「満腹の胃にデコレーションケーキ詰め込んで口内炎作るような人間にはなりたくない!」なんてセリフがめちゃくちゃロックだと思った。
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青春バンドもの。 夏休みを高3の主人公が全国を周ると言った物語です。 某キラ☆キラを彷彿させるのでそれ好きなら読んで損はないかと思います。あと音楽好きも必見。
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十八歳で夏でバカだった。 こういうバカだったらどれだけよかったことか。 七曲町子との出会いは久々に興奮したなぁ。
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作者はあとがきに、 ①憧れのロックバンドのツアー車に乗り込んで一緒に旅してみたいと考えている女の子。 ②今現在バンドをやっている、あるいはやってみたいな~と考えている男の子。 ③かつてのバンド少年、ところが気付いてみたら「えー? ○○さんて昔バンドやってたんスか?し~んじられない...
作者はあとがきに、 ①憧れのロックバンドのツアー車に乗り込んで一緒に旅してみたいと考えている女の子。 ②今現在バンドをやっている、あるいはやってみたいな~と考えている男の子。 ③かつてのバンド少年、ところが気付いてみたら「えー? ○○さんて昔バンドやってたんスか?し~んじられない!」と若いもんにキッパリ言われてしまったロック・オヤジの皆さん。 (略)~に集中的に読んでもらったと思って書いた物語です。 と書いているが、作者自体この物語の多面的なすばらしさに気付いていないんじゃないかと思った。私だっておとなしくて自傷的でUKロックしか聴いていなくて、バンドなんかやってる同世代の子を宇宙人でも見るような感じで見ていたけれど、この物語はとても身に沁みるのだ。主人公や、そうではない人々と一緒に何回読んでも笑ったり泣いたりする。 もう夢なんて持っていない人。 愛は本当にあるはずがないと思っている人。 なんていうか、日本には本当のものなんてないと思っている人。 (性的)虐待されている子。 リストカットしている子。 自分の体なんて他人のためのセックスのためにあると思ってる子。 いろんな人にこの小説は優しく、諭してくれると思う・・・だけじゃなくて、笑わせてくれる。 書いたそれらのいろんな要素に本人が気付いていないからこそ、この小説は本当にいい。
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インディーズバンドの全国ツアー道中話。 大人も少年たちもみんな馬鹿ばっかりで清々しい。 音楽は手段か目的か。
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