届かなかったラヴレター(2) の商品レビュー

林完次(著者),届かなかったラヴレタ(著者)

2024/08/30

『届かなかったラブレター２　
　　宙がよぶ声　SPECIAL EDITION 』

『宙ノ名前』（そらのなまえ）の天体写真家、林完次さんの幻想的な月のある風景写真に、
『届かなかったラブレター２』に収められた143編のなかから厳選された19篇。

19篇の手紙に
寄り添うように浮かぶ月を見上げれば
こみ上げる涙も抑えることができるかしらと、
しかし、
頬を伝う涙は心に響き
手紙に寄り添う月のように
作者に寄り添う涙です。

少しずつ、ことばを拾いながらご紹介させてください。

お母さんへ、より
優しく風が吹いたりすると、
お母さんを連想します。
世の中の優しいものすべてから、
お母さんを連想します。

父へ……より
（亡くなった父の部屋の壁にかざってあった私があげた（キャラクター柄の）バンドエイドを見た時）
色がすすけたバンドエイドはあまりにも、悲しげでだけどあなたの私への深い愛情を感じました。

（まだ見ぬうちから、かわいかった。）わが子への手紙
僕の長女は500gのペットボトル赤ちゃん。
パパとママは片手に乗る君を抱き上げ、
子守唄を歌い、キスだってした。
パパは、もっともっと
君と一緒にいたかったです。

母への手紙、
もういいだなんて言わないでください。
僕たちには、まだまだお母さんが必要なんです。
元気になるまで、頑張りますから。
だから、お母さんも頑張って下さい。
大切なお母さん……。
……なんて、今はすっかり元気になった母に、
今更こんなこと言えないよ、もう。

前略、「愛しい息子へ」
難ぎしちょるみたいやな
たまには、里に帰って
母ちゃんに甘えればよかー
盆には、里の料理を作って
待っているからな。　母より

届けたかった感謝の気持ちや、さまざまな愛情があります。寄り添うように添えられた、色んな表情を見せる月の写真にも情緒がありますね。

（こちらの本は、ひだまりトマトさんの本棚で拝見し、ご紹介されていた「愛しい息子へ」の手紙に心打たれ手に取りました。涙が頬を伝う瞬間が度々ありました。ひだまりトマトさん、いつも素敵な本との出会いをありがとうございます。感謝いたします。(*´︶`*)）

2024/07/27

「月のある風景」の写真と『届かなかったラブレター２』のコラボですね。
写真は林完次さん（1945年、東京生まれ）天体写真家
『届かなかったラブレター２』から厳選された１９篇の作品が紹介されています。
　「月のある風景」の写真が４２点、ラブレターをいたわるように、美しい姿を浮かび上がらせています。

　　一点だけ……

　前略
　「愛しい息子へ」
　母ちゃん、里が恋しいか、盆には帰ろうと思うと
　息子から便りが届く。
　難ぎしちょるみたいやな
　たまには、里に帰って
　母ちゃんに甘えればよか
　また元気が出て
　頑張る力が出るやろ
　盆には、里の料理を作って
　待っているからな。
　　　　　　　　　　母より
　　　　　　　　　　　　　　　さつ摩子（52歳）

　様々なラブレターがあります。なかには、せつなく涙無しには読めないものもあり、片思いを綴ったもの、初恋を歌ったもの、思い思いの心が綴られています。いずれも、明日への、希望と夢を育んでいるように感じられました。
　『届かなかったラブレター』、密かに感謝を込めて、書いてみようかな！

2009/10/04

うん、泣きます。
でもｲｲ意味で届かなかったﾗｳﾞﾚﾀｰにはﾎｯとしました。
そして合間に出てくる月の写真がきれい。