生態学の「大きな」話 の商品レビュー
残念ながら川那部先生に直接お会いしたことはないんだけど、ある種のエキセントリックさを含めて楽しんだ。 羽生田さんに推されて読んだんだけど、"誰に"オススメされて読んだか、とゆーコンテキストって読書体験の中で結構重要な気がする。
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4/2/10 いま読んでる 2008年上半期にNYCのブックオフで買って少し読んで以来積読になっていたが、つい再開。 4/10/10 読み終わった 三章構成で、第一章は筆者の生態学に関する所見というか、意見というか。本書のほぼ半分を割いている割には主張は次の四点に完全に収束する...
4/2/10 いま読んでる 2008年上半期にNYCのブックオフで買って少し読んで以来積読になっていたが、つい再開。 4/10/10 読み終わった 三章構成で、第一章は筆者の生態学に関する所見というか、意見というか。本書のほぼ半分を割いている割には主張は次の四点に完全に収束する、すなわち 1.地球は閉鎖系である 2.自然は多様な複合連鎖系である 3.自然の総体を扱う技術はこれから 4.自然は歴史系である これらは大体、環境学を学んできた人間にとっては既知なので特に目新しくない。強いて言えば4.に対して、今までの自然科学は一瞬のことだけを取り扱ってきた、という点が新発見だった。 第二章以降、特に第三章はとてもいい読書になった。 第二章は、生態学の歴史を、筆者の専門の河川、特に琵琶湖や、長良川河口堰問題に絡めて論じた。治水工事に対して、65年には環境という視点が全く取り扱われなかったこと、そのうち治水に影響の無い範囲で環境も考慮して、という風潮になり、最近になって環境の影響を加味する、となり、1995年に初めて文書化された、等の歴史は、環境という分野の歴史の浅さを物語る。 第三章は、筆者が館長を務める琵琶湖博物館のコンセプトや、琵琶湖の文化について。なぜこの博物館が出来たのか、どうして必要なのかを教えてくれる。そしてこれからの博物館の有り様までもを問う、と言うと言い過ぎかも知れない。 博物館や企画展は説明をなるべくしないほうが良い、等自分の考えとは違う点も多々あるが、博物館で働く人のための、一冊の指南書になってくれると思う。 筆者あとがきにもあるとおり繰り返しだらけ。しかし本書の構成上(講演、対談、論文を集めたもの)仕方ないか。繰り返しの部分は飛ばして読めるので思ったよりも早く読める。
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