シュリーマン旅行記 清国・日本 の商品レビュー

H・シュリーマン(著者),石井和子(著者)

2014/11/07

［　内容　］
トロイア遺跡の発掘で知られるハインリッヒ・シュリーマン。
彼はその発掘に先立つ6年前、世界旅行の途中、中国につづいて幕末の日本を訪れている。
3ヵ月という短期間の滞在にもかかわらず、江戸を中心とした当時の日本の様子を、なんの偏見にも捉われず、清新かつ客観的に観察した。
執拗なまでの探究心と旺盛な情熱で、転換期日本の実像を生き生きと活写したシュリーマンの興味つきない見聞記。

［　目次　］

［　問題提起　］

［　結論　］

［　コメント　］

［　読了した日　］

2017/01/26

江戸時代の庭師の腕前がどんなだったのか非常にきになる。
当代随一の庭師が造ったと思われる加賀前田藩の庭を眺めたかった。

2014/05/06

花魁の記述が興味深かったです。娼婦を神格化していることにシュリーマンがカルチャーショックを受けてます。

2014/04/20

トロイア発掘を指揮したあのシュリーマンが日本を訪れたことがあると、この本で初めて知りました。

キリスト教圏の人間から見た非キリスト教圏の旅行記なので、「未開」「野蛮」という表現だらけかと思いきや、全然そんなことなく。むしろ冷静な分析が多く、驚き。

個人的に、太神楽が推されていたのが嬉しかった。

2013/11/07

【読了レビュー】トロイア遺跡を発掘したことで有名な著者は、その偉業を成し遂げる前に、中国・朝鮮・日本に訪れ、その足で太平洋を約50日間かけて横断し、世界一周を遂げていた。本書はその太平洋横断中の船内にて執筆された旅行記であり、文明論。
この中で、著者は3カ国の中で特に日本について温かい目を向けており、この国の文化について素直に感動している。

日本でまだ攘夷派が大きな力を持っていた頃の、日本国内の状況描写が生々しく、当時の日本人が著わした書よりも、現代人にとっては解り易いものとなっていると感じた。

それにしても、著者の明晰で鋭い視点には本当に驚かされるばかりだ。
こんなにも優秀で人間的魅力のある人物が過去に実在しており、更にこの江戸（東京）の名所ををどのように辿っていったかが手に取るように感じられるとはなんと贅沢な一書か。

現代の東京で、このシュリーマンが辿った名所を訪ねてみることは、もっと深く、日本のより普遍的な一面を知ることに繋げられるのではないかと思った。

2013/03/04

シュリーマン（1822 – 1890）がトロイ発掘の前の1864年世界漫遊に旅立ち、翌65年日本に立ったときの見聞録。
偏見も持たず、好奇心に突き動かされるまま見聞きしたそのものを見事に文字に落としている。
シュリーマンが通るたびに「唐人！唐人！」と日本人が叫ぶ姿、ラテンアメリカで「チーノ！」「チニータ！」と日本人が声をかけられるのと同じだ。（当時の日本人にとって外国人＝唐人、ラテンアメリカ人にとってアジア人＝チーノ／チーナ＝中国人）

シュリーマンの見聞録は、私の途上国調査の参考モデルの一つだ。

2013/01/04

トロイ遺跡発掘で著名なシュリーマンは幕末に来日していた。その旅行記のうち、北京から万里の長城、上海を経て横浜・江戸に滞在し、アメリカへ渡るまでの部分が翻訳されている。
彼が関心をもった日本の文化・風習が細かく観察されて描写されている。
当時の日本がヨーロッパ人のいう「宗教的」には文明化されていないことや、外国との交易を妨害する徳川幕府による有形・無形の妨害については批判的だが、日本文化全体についてはかなり好意的である。

2012/08/25

えらい面白かった。シュリーマンが幕末の日本へ来ていた事を知らなかった。
シュリーマンの好奇心と的確に物事を捉える目に感心。

西洋の考え方を押し付けない。
物の大きさ（寸法）を記述する 。
なかなかできることではない。

それと支那と日本への感想が両極端で面白い。

2025/01/28

トロイア遺跡の発掘に人生の後半生をかけた、ハインリッヒ・シュリーマン氏。
その情熱は『古代への情熱』でも見てとれ、学生時代に影響をうけました。

にもかかわらず、そのシュリーマンが幕末に日本に来ていたとは初耳で、びっくりしました。
時は1865年、日本でいうと大政奉還の2年前になります。

シナから日本へと回った数か月の旅の見聞が綴られているのですが、
それを伝える観察眼はとても活き活きとしていて、興味深いです。

また、この時代のよく見られる欧米至上主義にとらわれることなく、
非常に客観的に、当時の様相を伝えてくれています。

欧米の中世代に類して、一種の暗黒時代とも評される事も多い江戸時代ですが、
現在では失われてしまった日本の様々な特質を、見出すこともできました。

40代になってなお、トロイア遺跡発掘への想いをつないでいたシュリーマン、
その好奇心の強さと客観性に裏づけされた情熱と夢は、本書でも感じ取る事が出来ました。

ん、久々に『古代への情熱』を読み返してみようかなぁ、、なんて。

2012/08/29

シュリーマンによる幕末の日本と清の記録。
思いのほか読みやすかったです。

幕末の日本について詳細な記述と分析を行っています。
人足のほとんどが疥癬に罹っていたという記述が一番印象に残っている。