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戦争責任 の商品レビュー

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2024/06/21

岩波現代文庫 家永三郎 戦争責任 日中戦争以後(十五年戦争)において加害者としての日本の責任を問うた良書。日本国家の戦争責任については正論に思うが、日本国民の戦争責任については 違和感や疑問点もある 日本国家の戦争責任 *大日本帝国とその継承者の日本国が負うべき *十五年...

岩波現代文庫 家永三郎 戦争責任 日中戦争以後(十五年戦争)において加害者としての日本の責任を問うた良書。日本国家の戦争責任については正論に思うが、日本国民の戦争責任については 違和感や疑問点もある 日本国家の戦争責任 *大日本帝国とその継承者の日本国が負うべき *十五年戦争の発端となった柳条湖事件の責任者は、関わった陸軍将校全員 *対米英開戦の責任者は、東条秀樹、近衛文麿ら 天皇の戦争責任について 明治憲法下の統帥権に伴う責任論はわかるが、天皇の精神的権威性から責任を問うのは わかりにくい。国民は 天皇の精神的権威があったから戦争に参加したとのこと 国民の戦争責任について 傍観者が責任を問われるのは 不運な気もする。幼児や「戦争を知らない次世代」まで 責任を広げるのは理解できない 疑問点 *自衛戦争にも責任は生じるのか(自衛戦争と侵略戦争は誰が決めるのか) *非戦闘員への虐殺で問われるべきは 戦争責任でなく、殺人の責任でないのか 開戦について 著者の主張は「日本が中国侵略戦争を続けるため、それに反対する国と開戦した」というもの。「欧米列強の侵略に備えるため 戦略物資が必要であり、その獲得競争のなかで開戦した」とする竹内好の主張と対立

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2023/12/20

 読後、私が過去に戦争をした国の国民として、広島や長崎、沖縄戦、東京大空襲の追悼だけをすればいいと内心思って、自分の国が過去にやったことについて積極的に深入りしようとしなかったこと、自発的反省の態度が乏しかったことを反省した。自国民がたくさん殺害された、虐殺されたことを悲しむなら...

 読後、私が過去に戦争をした国の国民として、広島や長崎、沖縄戦、東京大空襲の追悼だけをすればいいと内心思って、自分の国が過去にやったことについて積極的に深入りしようとしなかったこと、自発的反省の態度が乏しかったことを反省した。自国民がたくさん殺害された、虐殺されたことを悲しむならば、反対に自国民によって殺された人たちへ同様の気持ちを抱かなければいけない。  上述のような、日本人が被った戦争被害だけを記憶していればよいのか。私はそうでないと思う。自国民の死者への追悼は当然としても、それと同時に自国民が行った蛮行への反省も必要だ。そういう点では、日本国民は731部隊のことや中国での日本軍が起こした蛮行の数々についてはっきり言って知らなすぎるのではないか。しかしこれについては国民への教育を教科書検定などでもってそれを取り仕切ることができる日本政府の責任がとても大きい。広島、長崎、沖縄戦、東京大空襲について書いていない教科書は落とされるだろが、731部隊について書いている教科書がどこにあるというのか。731部隊の存在を書いたらおそらく検定には通らない。なぜ我々ら過ちを認めて反省する方向へと向かわないのか。私たちの子供が人を殴ったら「忘れろ」というのか?日本は若者への教育の仕方から間違っているのではないか。  ところでなぜ、アメリカに原爆資料館がないのだろう。なぜ日本に731部隊の資料館はないのだろう。前者は日本にあり、後者は現在の中国にある。本来その類の資料館が必要なのはその蛮行を行った国でないのか。私はそう言った資料館で、過去の日本が他国から受けた被害を目の当たりにするとき、悲しみと同じぐらい敵だった国への怒りが湧き立つ。これはおそらく憎しみに近い感情だ。それは戦後の世代が持つ感情としてはある意味で危険かもしれない。憎しみは反省を促さない。  戦後に生まれた私が日本人としていまや敵ではない国に抱いた怒りや憎しみは、果たして戦争を繰り返さないための糧になるか。私はそれを疑わしい。私たちはもう一方の犠牲にも目を向ける必要があるのでないか。自国民が行ったことを直視し、それに愕然とする必要もあるのではないか。過去の自国民にも怒りと憎しみを持ち、また彼らを蛮行に駆り立てた戦争と人間の愚かさを憎むこと。そのような自発的反省の態度を養う必要があると思う。 しかし、戦争の本を読むとほんとうに反吐が出る。体力がいる。  

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2014/11/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 戦争責任とは、誰が誰に対してどのように負うのか。 15年戦争における惨禍の実際をさまざまな証言・資料で明らかにしつつ、日本国家、日本国民、連合国等の責任主体に即して、法的・倫理的責任を分析した戦争責任論の基本文献。 [ 目次 ] 第1章 第一次世界大戦と戦争観の転換 第2章 戦争責任問題の出現 第3章 第二次世界大戦と民衆の戦争体験 第4章 戦後処理とアジア不在 第5章 戦後史の転回と戦争責任問題 第6章 平和秩序の模索と人権 補章 戦後六〇年の時点で [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

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2010/04/28

有象無象の二次資料を駆使し、かなり恣意的に戦争責任を列挙しただけの凡作。ただし参謀総長および軍令部総長が天皇に対する補弼の責を負わないという指摘は、いまさらではあるが統帥権を考える上で再確認すべき事項。

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2009/10/04

教科書裁判で有名な歴史家の著者が、日中・太平洋戦争におけるさまざまな証言・資料を具に検証し、日本国家,日本国民,連合国等の戦争責任を法的・倫理的に分析。 1985年の出版で、その後資料的価値が否定されたものも多々あり、評価は難しい。

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