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元井太郎の古文読解が面白いほどできる本 の商品レビュー

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2012/08/30

 「なんで古文なんか勉強しなきゃいけないんだよ」というのは全国の中高生にとっての共通の疑問。もちろん、公式的には「伝統」やら「言語文化」という点に集約をさせるわけですが、どうにも納得がいかない。  他にも、可能性の問題や、地学を初めとした諸分野にとっても古文書解読は必要だと言うこ...

 「なんで古文なんか勉強しなきゃいけないんだよ」というのは全国の中高生にとっての共通の疑問。もちろん、公式的には「伝統」やら「言語文化」という点に集約をさせるわけですが、どうにも納得がいかない。  他にも、可能性の問題や、地学を初めとした諸分野にとっても古文書解読は必要だと言うこともできるわけですが。これもやっぱり、言いくるめられている感が付きまとう……。とりあえず、受験には必要だと自分を納得させつつも、そもそも受験に古文が出るのは何故なのかの答えはわからない。そんな感じの中高生が多いのだと思います。  なぜ、受験に古文が出題されるのか。そこを元井先生は、大学側が「国語の制限時間内における問題処理能力」と「客観性・社会性」を見たいからだと分析。実に、受験国語側に立った考察だと思いますが、本書を読むと、なるほどありうる、と思わされる。中高生が納得するかはわからないけれど。  さて、富井健二先生を初め、古文において文法と読解とを分離させる考えは所々で見られますが、本書もそれに則るもの。広く思い込まれている「文法さえやれば……」な考えをねじ伏せていただけるのはありがたいですな。……っていうか、そんなに文法を頑張れるなら、現代語の文法にも興味をもってほしいなあ。  本書が、いわゆるシステマティックな解法を古文に持ち込んだ参考書であるという意味の功績は大きいと思われます。 【目次】 はじめに 第一講 本文読解の原則 第二講 さらに得点アップ! の原則 第三講 “読解”を点数に結びつけろ!

Posted byブクログ