そして夜は甦る の商品レビュー
私立探偵沢崎シリーズ第一作。ハードボイルドの名作。 探偵沢崎は、両切のピースのタバコを吸い、車はブルーバードに乗っている。 新宿にある3階建モルタル塗りの雑居ビル、東京オリンピックの年に建てられだという、そのビルには、はげかかったペンキで渡辺探偵事務所と書かれてあり、そこに沢崎は...
私立探偵沢崎シリーズ第一作。ハードボイルドの名作。 探偵沢崎は、両切のピースのタバコを吸い、車はブルーバードに乗っている。 新宿にある3階建モルタル塗りの雑居ビル、東京オリンピックの年に建てられだという、そのビルには、はげかかったペンキで渡辺探偵事務所と書かれてあり、そこに沢崎はいる。
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正統派ハードボイルド作品。都内で探偵業を営む「私」こと沢崎が資産家の娘の夫を探す事件から大きな陰謀に巻き込まれていく。プロットとしてはこの手の作品にありがちな展開。しかしながら沢崎の減らず口と数多な登場人物たちを使い切る手立てが上手い。なおかつ緩和した部分というか作品に遊びが無い...
正統派ハードボイルド作品。都内で探偵業を営む「私」こと沢崎が資産家の娘の夫を探す事件から大きな陰謀に巻き込まれていく。プロットとしてはこの手の作品にありがちな展開。しかしながら沢崎の減らず口と数多な登場人物たちを使い切る手立てが上手い。なおかつ緩和した部分というか作品に遊びが無いため緊張した場面がずっと続く。普通なら読んでいるうちに疲れてくるが、沢崎が軽妙に語るためにしんどさが現れてこない。終盤が駆け足すぎるのがもったいないのと風呂敷を広げすぎているように思える点が気になるが、完成度はピカ一の傑作。もうめちゃくちゃ面白い。
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とりあえず沢崎さんがかっこよかった。探偵なのに襲われたらすごい闘うし、犯人を確信した後の本人への詰め方が興奮する。最後、諏訪が撃った弾が「幸いなことにそれて人差し指を失った」こと、彼らはいつも肝心なことを見落とす。と言っているのもかっこいい
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行方不明になったルポライターの調査に乗り出した私立探偵沢崎。事件はかつての都知事狙撃事件へと繋がっていく。歯切れのいい文章、洒落た会話、手に汗握るプロット。アメリカの本格ハードボイルドの翻訳を読むような、日本のハードボイルドではかなり質が高い正統派のデビュー作だ。これで十分なのだ...
行方不明になったルポライターの調査に乗り出した私立探偵沢崎。事件はかつての都知事狙撃事件へと繋がっていく。歯切れのいい文章、洒落た会話、手に汗握るプロット。アメリカの本格ハードボイルドの翻訳を読むような、日本のハードボイルドではかなり質が高い正統派のデビュー作だ。これで十分なのだが、今後本家を超える作家の登場を期待させる記念碑的名作。
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探偵 沢崎シリーズ 第一弾。 沢崎の探偵事務所に一人の男がやって来て「佐伯を探してくれ、ここへやって来たはずだ」と言うのだが沢崎には何のことか分からないところから始まる。 その後別の佐伯の妻からも同じ依頼を受けることとなり佐伯を探し始める。 王道を行く探偵小説で物語の本筋か...
探偵 沢崎シリーズ 第一弾。 沢崎の探偵事務所に一人の男がやって来て「佐伯を探してくれ、ここへやって来たはずだ」と言うのだが沢崎には何のことか分からないところから始まる。 その後別の佐伯の妻からも同じ依頼を受けることとなり佐伯を探し始める。 王道を行く探偵小説で物語の本筋から外れた枝葉も面白いのだが、ストーリーが複雑な上登場人物が多くページを戻ることが多く その点が楽しめなかった。
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かなり昔だけど、実は一度読んだことがあって忘れていただけ?・・と思わせるようなテイスト。実は初読。お約束のような道具立てと気の利いた状況要約。 ベアノ曲線のように、細かい細かいピースを、探偵の目線動線でくねくねと辿っていくうちに、一枚の絵が浮かんでくるような読書体験。
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30年ぶりに読み返した。 やはり傑作。 チャンドラー好きだけあって硬質な文体が心地よい。寡作なのが残念だが未だに駄作は無いよね。
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さすがに原尞、処女作から読み応えあり。推敲を重ねただけあって文章は練れていて、いかにもハードボイルドという味わいが漂う。古い本なので、今となってはユーモアのセンスは古めかしいかなとは思う。でも、それでいい。主人公の探偵の沢崎、錦織警部、ヤクザの橋爪という常連になる登場人物の造形も...
さすがに原尞、処女作から読み応えあり。推敲を重ねただけあって文章は練れていて、いかにもハードボイルドという味わいが漂う。古い本なので、今となってはユーモアのセンスは古めかしいかなとは思う。でも、それでいい。主人公の探偵の沢崎、錦織警部、ヤクザの橋爪という常連になる登場人物の造形も実にいい。事件自体も二転三転として飽きさせない。うーん、佐伯名緒子の心理だけは、ちょっと分かりにくいかな。
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原尞 「そして夜は甦る 」ハードボイルド探偵小説。会話の中の比喩がとてもクールでいい感じ。暴力描写も少なく、お金、女性、お酒、権力との適度な距離も 現実に合っていて 自然な展開。唯一残念なのは 煙草シーンがものすごく 多くて、煙草=格好いい という演出の古さは感じた 「勝負に...
原尞 「そして夜は甦る 」ハードボイルド探偵小説。会話の中の比喩がとてもクールでいい感じ。暴力描写も少なく、お金、女性、お酒、権力との適度な距離も 現実に合っていて 自然な展開。唯一残念なのは 煙草シーンがものすごく 多くて、煙草=格好いい という演出の古さは感じた 「勝負に負けた人間は嫌いではないが〜自分の敗北に気づかない人間は性に合わない」 「一夜にしてなれる仕事は 政治家と売春婦だけ」
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探偵沢崎登場、伝説とも言えるシリーズの第1作である。しゃれた会話と意表を突くストーリーの大人のファンタジー。登場人物たちがやたらと煙草を喫うのが時代を感じる。しばし、ミステリーの世界に酔いしれる。
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