沈黙の春 の商品レビュー
人間に都合良くなるように開発した化学物質に、結局は人間が毒されてしまう。個人が死に至るまでは想像しやすいけれど、自然界の均衡を崩してしまうと人間全体、その他の生命全体の存続の危機に至る。 下手に介入すると、得てして悪い結果になる。経済学のアダムスミスの言葉の「見えざる手」は、自...
人間に都合良くなるように開発した化学物質に、結局は人間が毒されてしまう。個人が死に至るまでは想像しやすいけれど、自然界の均衡を崩してしまうと人間全体、その他の生命全体の存続の危機に至る。 下手に介入すると、得てして悪い結果になる。経済学のアダムスミスの言葉の「見えざる手」は、自然界にも通ずるのではないかと思いました。
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220131*読了 Clubhouseで懇意にしていただいている方の人生を変えた3冊をお伺いし、ご紹介いただいた本。 とても有名なので知ってはいたけれど、重いテーマだろうからとなかなか手を付けられていなかった一冊。 子どもを持つ今、このタイミングで読めてよかったと思う。 19...
220131*読了 Clubhouseで懇意にしていただいている方の人生を変えた3冊をお伺いし、ご紹介いただいた本。 とても有名なので知ってはいたけれど、重いテーマだろうからとなかなか手を付けられていなかった一冊。 子どもを持つ今、このタイミングで読めてよかったと思う。 1960年代に書かれた本だけれど、まったく過去の出来事ではなく、むしろ技術が進んでいる今だからこそ、より恐ろしいことになっているのではないかと、それに気づいていないだけではないかと、怖くなった。 当時もこんな恐ろしいことが起きていたのかと、震える思い。 美しい草花が、小鳥のさえずりが、動物たちの命が…そして人間の生命さえもが奪われていく。 こんな悲惨なことを繰り返してはいけない。 今こそ読むべき本だと思うし、環境への配慮が意識されつつあるからこそ、一人ひとりがどんな選択をするかが肝心だと思う。 農薬をできるだけ使わないもの、環境への負担が少ないもの、そういう商品を購入すると決めるだけでも、少しずつでも世の中の考えは変わるはずだから。
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大学を環境専攻でいこうとおもったときに、環境に興味があるなら読むべしと言われて手に取ったことを思い出します。今回は自分を振り返るために再読。
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自然は、人類が生まれるよりもずっと前から存在している。その自然を人間が作り上げたもので征服することは不可能である、ということをたくさんの例をあげて訴えている。
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ヒトによる自然への一方的な介入は、当然の帰結として自然界のバランスを掻き乱すことに繋がる。例えば一部の害虫を駆除すると、その害虫によって抑制されていた別の生物が蔓延ってしまう。また、昆虫や細菌はライフサイクルが非常に短いため、一時的に薬剤で駆除することが出来ても、一部は変異により...
ヒトによる自然への一方的な介入は、当然の帰結として自然界のバランスを掻き乱すことに繋がる。例えば一部の害虫を駆除すると、その害虫によって抑制されていた別の生物が蔓延ってしまう。また、昆虫や細菌はライフサイクルが非常に短いため、一時的に薬剤で駆除することが出来ても、一部は変異により薬剤耐性を獲得しやすい。 人間の目的に合うように改良された作物は、その分、本来の自然の中での姿から逸脱する。結果として更なる人間による介入と保護が必要になり、年々その程度は増すばかりである。人類は介入によるジレンマと一生付き合わなければならない。 まだ基礎研究が十分になされておらず、農薬利権から世論と政府ののサポートが乏しい中、化学薬品農薬の危険性を強く訴え続けたカーソン氏の尽力に感謝したい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間の快適さや農業のため、人類は除虫、除草のための化学薬品を開発した。最初は効果が上がるものの、これを上空から撒くことで、ターゲット以外の植物や水に、DDTなどの有害な化学物質が残り、その地域に生息する鳥や動物が死滅するなどの被害を及ぼす。 しかも、虫は毎年現れるため、繰り返し何度も使ううちに、目的の虫には耐性ができる上、有害物質はその地域に蓄積されていく。 今でこそ化学薬品の怖さは一般的にも知られているが、この本を1950年頃に出して、問題を指摘し、人類に警鐘をならしたレイチェル・カーソンは凄い。 一方で、化学物質の危険性は認識しつつも、今も農薬など身近なところで多用されている。個々の食品や虫除けなどの商品での使用量は基準の範囲内だとしても、日々、沢山のものを口にしたり、触れたりしている私たちの体内には、知らず知らずのうちに毒性の高い物質が蓄積されているんだろう。 個人で気をつけられる範囲を超えた問題だとは思うが、最近は無農薬農法にこだわる人も増えている。一人一人がそうしたことにもっと関心を寄せることで、危険性が少しでも減らせるのだと信じたい。
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1970年代。人間の経済活動が海、森、土壌そして人々の生活をどう破壊してきたかを解説している名著。その裏には人々の認識の甘さや関係者の利害が複雑に入り組んでいる。 環境破壊から見えるのは、人間の過ちと試行錯誤の歴史だと思った。害虫駆除ひとつ取ってもただ「早く」「簡単に」解決する...
1970年代。人間の経済活動が海、森、土壌そして人々の生活をどう破壊してきたかを解説している名著。その裏には人々の認識の甘さや関係者の利害が複雑に入り組んでいる。 環境破壊から見えるのは、人間の過ちと試行錯誤の歴史だと思った。害虫駆除ひとつ取ってもただ「早く」「簡単に」解決するからといって、生態系に有害な化学品を使うよりも、生物の営みをしっかり理解した上で、自然になじむ解決策が長期的には自然を保てる、というところは納得。ただ、一般の人の日常生活の中では現実としてすぐ解決できる化学的な薬品の方が手近だったりするので、普段の生活の中でできることにも話を広げてほしかったなあと思ったりする。
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内容がいまいちよくわからなかったけど、例がたくさんあったからわかりやすかった。自然を人間が支配する時、いろんな動物の気持ちを考えていきたいなと思いました
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とりあえず殺虫剤の恐ろしさや、いま口にしているものが本当に安全かどうかを考えさせられた。外国産のものは特に怖いと感じた。国産のものがなぜ安心で、外国のものが不安があるかを明確にしてくれる本です。 ただ、全体的に同じようなことの繰り返しにしか思えなくて、科学があまり得意ではない僕...
とりあえず殺虫剤の恐ろしさや、いま口にしているものが本当に安全かどうかを考えさせられた。外国産のものは特に怖いと感じた。国産のものがなぜ安心で、外国のものが不安があるかを明確にしてくれる本です。 ただ、全体的に同じようなことの繰り返しにしか思えなくて、科学があまり得意ではない僕は飽きてしまいました
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人間の経済活動がいかに自然環境に影響を与えているかを指摘した名著ということで購読。 日本でも、太平洋戦争後にアメリカから持ち込まれたことで有名な殺虫剤のDDTを中心に、それが土壌も水も汚染し、本来人間を守ってくれていた虫を絶滅させ(挙句、殺したかった虫は耐性を付けて大量発生した...
人間の経済活動がいかに自然環境に影響を与えているかを指摘した名著ということで購読。 日本でも、太平洋戦争後にアメリカから持ち込まれたことで有名な殺虫剤のDDTを中心に、それが土壌も水も汚染し、本来人間を守ってくれていた虫を絶滅させ(挙句、殺したかった虫は耐性を付けて大量発生したり)、人体、そこから生まれた子供たちを侵しているということを詳細に解説している。 止めた方がいいのは分かっているのに、利権やら何やらで誰も指摘しない。これも資本主義の悪しき面か…願わくば、ではどうするのかということについて著者の考えを聞きたかったというのはある。しかし、日本での初版は1964年、その時点でこれほどだから、それから人間はどれだけ自然と自分たちを痛めつけてきたかと思うとゾッとする。。
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