1,800円以上の注文で送料無料

ジュリアス・シーザー の商品レビュー

3.9

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2015/07/14

ローマの専制君主シーザーを殺害するブルータスたち。 しかし、アントニーが演説によって民衆の心をつかみ、ブルータスを追い詰めてゆく… 解説でも触れられていた、登場人物たちの交わす「愛情」や「友情」を楽しんで読んだ。 政治の話だし、権力争いの話だし、普通はもっとドロドロすると思うん...

ローマの専制君主シーザーを殺害するブルータスたち。 しかし、アントニーが演説によって民衆の心をつかみ、ブルータスを追い詰めてゆく… 解説でも触れられていた、登場人物たちの交わす「愛情」や「友情」を楽しんで読んだ。 政治の話だし、権力争いの話だし、普通はもっとドロドロすると思うんだけど、びっくりするくらいに爽やか。 「ブルータス、お前もか!」は有名なセリフだけど、その直後のセリフが面白い。 みんな潔く死ぬから爽やかなのか、でも現実ではあんなに潔く死ねないよな…と思った。

Posted byブクログ

2015/01/27

(2015.01.17読了)(2007.08.25購入) 「100分de名著」に『ハムレット』が取り上げられたのですが、『ハムレット』は既読なので、この機会にシーザーを読んでしまうことにしました。 シーザー暗殺前後のことをドラマにしています。主役は、ブルータスという印象です。 ブ...

(2015.01.17読了)(2007.08.25購入) 「100分de名著」に『ハムレット』が取り上げられたのですが、『ハムレット』は既読なので、この機会にシーザーを読んでしまうことにしました。 シーザー暗殺前後のことをドラマにしています。主役は、ブルータスという印象です。 ブルータスは、アントニーの力を甘く見たために……。 シェイクスピアは『ジュリアス・シーザー』の材料を、そのほとんどすべてといってよいほどプルタークの『伝記』から採っている。(144頁) 解題で、福田さんは、「プルターク英雄伝」から関係する部分を引用して紹介してくれています。さらに詳しくは、「プルターク英雄伝」をお読みください、ということでしょう。 戯曲は、読んでも面白味がわからないことが多く、舞台で演じられるのを見て初めて面白さがわかることがあります。でもこの戯曲は、読むだけでも面白く感じました。 【目次】 ジュリアス・シーザー 解題  福田恒存 解説  中村保男 ●シーザーだけ(42頁) アントニーとシーザーをともども斃してしまうに越したことはあるまい。 ●シーザーの精神(42頁) 立って罪をならすべきはシーザーの精神だ。その精神というやつには血がない。出来ることなら、シーザーの精神だけ捉えて、その肉を傷つけずにすませたいのだ! ●人間にはおだてが(44頁) 一角獣を生け捕るには立樹を使うに限るし、熊なら鏡、象は陥穽、ライオンは罠、そして人間をものするにはおだてが一番だ ●死を恐れる(52頁) 世の不思議はいろいろ聞いてきたおれだが、何が解らぬといって、人が死を恐れる気もちくらい解らぬものはない。死は、いわば必然の終結、来るときにはかならず来る、それを知らぬわけでもあるまいに。 ●野心には死を(77頁) 私を愛してくれたシーザーを想えば、私は涙を禁じえない。幸福だったシーザーの半生を想うとき、私の心ははずむ。勇敢だったシーザーを想い、私は心から讃嘆を惜しまない。が、野心に身を委ねたシーザーを見出したとき、私はそれを刺したのだ。シーザーの愛には涙を、幸運には喜びを、勇気には尊敬を、そして野心には死あるのみ。 ☆関連図書(既読) 「ローマ人の物語Ⅳ ユリウス・カエサルルビコン以前」塩野七生著、新潮社、1995.09.30 「ローマ人の物語Ⅴ ユリウス・カエサルルビコン以後」塩野七生著、新潮社、1996.03.30 「クレオパトラ(上)」宮尾登美子著、朝日文庫、1999.11.01 「クレオパトラ(下)」宮尾登美子著、朝日文庫、1999.11.01 「夏の夜の夢」シェイクスピア著・土居光知訳、岩波文庫、1940.07.26 「ロミオとジュリエット」シェイクスピア著・中野好夫訳、新潮文庫、1951.11.05 「ハムレット」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1967.09.25 「ヴェニスの商人」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1967.10.30 「マクベス」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1969.08.30 「オセロー」シェイクスピア著・福田恒存訳、新潮文庫、1973.06.30 「シェイクスピア『ハムレット』」河合祥一郎著、NHK出版、2014.12.01 (2015年1月27日・記) (*表紙カバーより*) 〝おれはシーザー愛さぬのではなく、ローマを愛したのだ〟高潔な勇将ブルータスは、自らの政治の理想に忠実であろうとして、ローマの専制君主シーザーを元老院大広間で刺殺する。民衆はブルータスに拍手を送ったが、アントニーの民衆を巧みに誘導するブルータス大弾劾演説により形勢は逆転し、ブルータスはローマを追放される……。脈々と現代に生きる政治劇。

Posted byブクログ

2014/11/28

 ロミオとジュリエットと同じくらい有名なシェークスピアの一冊。  内容についてはそこかしこに書かれているけれど、まず一読する前にガリア戦記を読んでみたり、シーザー=カエサルやローマ帝国の歴史を調べてみるともっと面白いと思う。

Posted byブクログ

2014/11/21

「ブルータス、お前もか」で有名なカエサル暗殺。 タイトルはジュリアス・シーザーとなっているが、シーザーによる、ブルータスのための劇のように感じる。 『ハムレット』『マクベス』『オセロ―』『ロミオとジュリエット』など、シェイクスピアの悲劇はたくさんあるが、このジュリアス・シーザーは...

「ブルータス、お前もか」で有名なカエサル暗殺。 タイトルはジュリアス・シーザーとなっているが、シーザーによる、ブルータスのための劇のように感じる。 『ハムレット』『マクベス』『オセロ―』『ロミオとジュリエット』など、シェイクスピアの悲劇はたくさんあるが、このジュリアス・シーザーはそれらとは一線を画する。 たしかに、役一人あたりの発言量は多い。それはどの悲劇でも大抵そうだ。だが、他の悲劇とは違って、ジュリアス・シーザーでは、すべての発言が重みをもって迫ってくる。歯切れのいい洒落や猥談は全くない。 そして、振る舞いによる対比が見られない。多くの悲劇では、身分が低い場合には、とことん猥雑な振る舞いで、悲劇に関わる人物の流麗さを際立たせていた。ところがそれがない。どの役も勇ましく、美しく、哀しい。 さらに、悲劇さも、偶然や神妙なものによってもたらされるのではなく、かなり人に密着して起こる。 シンプルなのに、でも他の作品にも劣らない、あふれるほどの悲劇。そんな感じ。 それにしても、ブルータスは、人間としてのシーザーを愛していたのではなく、ローマとしてのシーザーを愛していたのだと知る。キャスカをはじめとする、他の共謀者が人間シーザーを殺したのだとすれば、彼が殺したのは野心や独裁。 作戦からすれば、確かにブルータスのものは下等だ。だが、憎しみに駆られて殺したり、人民を盾に戦争をしたりということは、徳や正義を汚すことに他ならない。目先の生に囚われず、最も深遠なものを見つめていたのだから、彼の作戦は何よりも上等だ。 役割をすべて終えたからこそ、彼はその胸に剣を突き刺せた。見事なまでの幕引き。正義の人にもっともふさわしい最期であった。

Posted byブクログ

2014/07/05

ついあのフレーズを日常冗談で使う事が多々ありますが、原作を読んだことがなかったので読んでみました。意外にもシーザーさんが倒れるのが早く、フレーズも前半で出てきてしまったので、え、これからどうなるのという思いで読みました。てっきり、最後の最後にその台詞を呟き終わるものだと思っていた...

ついあのフレーズを日常冗談で使う事が多々ありますが、原作を読んだことがなかったので読んでみました。意外にもシーザーさんが倒れるのが早く、フレーズも前半で出てきてしまったので、え、これからどうなるのという思いで読みました。てっきり、最後の最後にその台詞を呟き終わるものだと思っていたので。英雄になるはずが、言葉をひっくり返され追われる身となり、最後はシーザーのもとへ行ってしまうブルータスもちょっと利用された感で可哀想になりました。

Posted byブクログ

2014/06/25

【ひとことポイント】 およそ人の成すことには潮時というものがある 【推薦文】 シェイクスピアは歴史上の人物や出来事を「卑近的な人間の営み」や「等身大の人生観」に落とし込むのがとても上手い作家です。言葉使いや文化こそ異なりますが、そこで語られている人の心理や価値観は、現代にも通じ...

【ひとことポイント】 およそ人の成すことには潮時というものがある 【推薦文】 シェイクスピアは歴史上の人物や出来事を「卑近的な人間の営み」や「等身大の人生観」に落とし込むのがとても上手い作家です。言葉使いや文化こそ異なりますが、そこで語られている人の心理や価値観は、現代にも通じる普遍性を持っています。 「ジュリアス・シーザー」は戯曲の題名とは異なり、主人公はシーザーの親友である「ブルータス」です。このブルータスが親友であるシーザーを裏切り、殺害し、転落していくまでの決断と苦悩を描いた政治・群像劇でもあります。ローマという国のためと考え、シーザーを害悪として切り捨てたブルータスが凋落する様は、今日まで大衆を魅了してきたシェイクスピアが為政者や大衆をどのように捉えていたのかが垣間見えるようでとても興味深いものとなっています。 シェイクスピアといえば、特に4大悲劇が有名ですが、本場・英国では最も知られ読まれているシェイクスピア悲劇がこのジュリアス・シーザーです。この機会に手に取られてみてはいかがでしょうか。 <健康栄養学部K・K> 企画コーナー「企画本棚2014-新しい本との出会い」は(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2014/6/24〜】 湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1422997

Posted byブクログ

2014/01/16

ドラマティックであることを求めるなら、シーザーがルビコン河を渡った瞬間か、あるいはブルータス等の一団に暗殺される場面を劇のクライマックスに選ぶだろう。タイトルからは、そうした劇を想像していたのだが、シェイクスピアはそんなに単純ではなかった。そもそも本編にはシーザーはほとんど登場す...

ドラマティックであることを求めるなら、シーザーがルビコン河を渡った瞬間か、あるいはブルータス等の一団に暗殺される場面を劇のクライマックスに選ぶだろう。タイトルからは、そうした劇を想像していたのだが、シェイクスピアはそんなに単純ではなかった。そもそも本編にはシーザーはほとんど登場することがない。その代わりにシェイクスピアは、これを見事な心理劇に仕上げて見せた。しかも、暗殺の3月15日を境に、それまではブルータスらの集団的な高揚を描き、それ以降は運命に対する戸惑いと、後悔とを実に鮮やかに描いて見せたのだ。

Posted byブクログ

2013/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

悪人らしい悪人が誰もいないのに、国を守るという大義のために高潔の士が次々と死んでいく。現代に生きる者にはどうしてそうなってしまうのか分かりにくい。  シーザーが暗殺されたのは暴君だったからではなく、“暴君になるかもしれないから”。予防としての暗殺。どんな立派な人間をも変貌させうる権力の魔力。一人の人間へ権力が集中することへの恐怖。  その恐怖プラス、嫉妬も少なからずあったはず。一人の英雄が称賛されることへの不満は必ず出てくる。真面目なブルータスの心に芽生えたそのモヤモヤに、言葉巧みなキャシアスがつけこんだようにも見えた。

Posted byブクログ

2013/07/02

ずっとシーザーが主人公と思っていたが、ブルータスが主人公だった。 ブルータスは悪者と思っていたが、そそのかされたこともあって、仲間とシーザーを暗殺した。 など、読まなきゃ知らないことばかりだった。 シェイクスピアの本は、冗長だと思っていたが、読むにつれて、人物の心の動きが精緻に描...

ずっとシーザーが主人公と思っていたが、ブルータスが主人公だった。 ブルータスは悪者と思っていたが、そそのかされたこともあって、仲間とシーザーを暗殺した。 など、読まなきゃ知らないことばかりだった。 シェイクスピアの本は、冗長だと思っていたが、読むにつれて、人物の心の動きが精緻に描かれているとおもうようになった。 古代ローマ人は、ローマ人であることに誇りを持っていた様子。 演劇もいつか見てみたい。

Posted byブクログ

2013/06/09

読んだのは旧版。 シェイクスピアにしては一味足りない。 ブルータスの個性が際立っていないので、ドラマがぼやけている。 シーザーとブルータスの対決が実質存在せず、ブルータスが公人でありすぎるので、感情移入しにくい。ハムレットはツッコミどころいっぱいな分、キャラクターとしておもしろ...

読んだのは旧版。 シェイクスピアにしては一味足りない。 ブルータスの個性が際立っていないので、ドラマがぼやけている。 シーザーとブルータスの対決が実質存在せず、ブルータスが公人でありすぎるので、感情移入しにくい。ハムレットはツッコミどころいっぱいな分、キャラクターとしておもしろいが、ハムレットはいじりにくい。

Posted byブクログ