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若きウェルテルの悩み の商品レビュー

3.8

251件のお客様レビュー

  1. 5つ

    60

  2. 4つ

    74

  3. 3つ

    59

  4. 2つ

    16

  5. 1つ

    2

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2023/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

真面目で理論的なアルベルトと感受性が高く詩的なウェルテル 書簡体で書かれた作品なのでウェルテルの感情が読み取りやすく、浮き沈みする様子が若きウェルテルの悩みというタイトルをよく表している。 現代ではメンヘラ男として片付けられそうなウェルテルだがこの時代に、そして所帯を持つ者にあらぬ感情を持つことの厳しさを描くことはどんなに画期的なことであったのだろう。 そしてウェルテルの他にも、女に恋焦がれる描写を重ねることで男女の関係が難しいことの証明になっていてより絶望感が増している。 そしてどの時代も悩みは変わらないのだということの安心感たるや。誰にもこの問題は解決できないし、どんな方向に転んだとしてもきっとその先は地獄である。 1774年に書かれた作品のはずだが途中アドラー心理学を読んでいる気持ちになった。ただのメンヘラ小説ではなく哲学的であり詩的な美しさもある良作。

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2022/12/22

ロッテへのかなわぬ恋が、青年ウェルテムの内面を頑なにし、若さが社会に適応する術を与えず自死に至る。キリスト教が自殺を禁忌としているはずなのに一見美化したような結末にしたのかわからない。ロッテとアルベルトの曖昧な態度も不可解である。当時の小説に対する実験的試みだったのだろうか。20...

ロッテへのかなわぬ恋が、青年ウェルテムの内面を頑なにし、若さが社会に適応する術を与えず自死に至る。キリスト教が自殺を禁忌としているはずなのに一見美化したような結末にしたのかわからない。ロッテとアルベルトの曖昧な態度も不可解である。当時の小説に対する実験的試みだったのだろうか。2022.12.22

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2022/11/25

 果たして青春時代であろうとなかろうと、これ程までに人に恋焦がれ、自身の身を破滅へと導くまでに堕ちていくことが、何事にも淡白的な自分には無理なのではなかろうかと思う。  しかし1774年に書かれた作品で、自殺志願者を増加させたと言われるほどに社会へ影響を及ぼしたということで、いか...

 果たして青春時代であろうとなかろうと、これ程までに人に恋焦がれ、自身の身を破滅へと導くまでに堕ちていくことが、何事にも淡白的な自分には無理なのではなかろうかと思う。  しかし1774年に書かれた作品で、自殺志願者を増加させたと言われるほどに社会へ影響を及ぼしたということで、いかに当時の人が閉鎖された中で婚姻やらが自由意志で難しくもあるのかと想像される。  それにしても書簡形式で自己の内面を腹蔵することなく語るのとともに、最後の方ではゲーテの詩的表現も相まって、破滅へと堕ちていくというよりも、ある意味自己だけになるのだが死ということで昇華と自己の救いにさえ感じてしまう。勿論自殺を擁護する訳ではないが、それ故に当時の共感を得たのであろう。

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2022/10/25

ウェルテルの名が、恋する青年の代名詞となっている書簡体小説で古典的名作。 許婚者のいるロッテに恋してしまったウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知り、苦悩の果てに自殺してしまいます。 青春の危機を深く追究し、人間の生き方を描いた、時代超える文学です。 刊行後200年以上経つのに...

ウェルテルの名が、恋する青年の代名詞となっている書簡体小説で古典的名作。 許婚者のいるロッテに恋してしまったウェルテルは、遂げられぬ恋であることを知り、苦悩の果てに自殺してしまいます。 青春の危機を深く追究し、人間の生き方を描いた、時代超える文学です。 刊行後200年以上経つのに、今なお、世界の若者を魅了し続けている青春小説。 すごいなぁ。

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2022/10/10

あそこまで純粋に感情を表現することができる主人公がある意味で羨ましくも感じてしまいました。この本が発表された当時の読者に自殺者が急増したという事実を知って、当時の人々の感受性の鋭さに驚きです。 淡々と日々を過ごしてしまっていたので、もっと自分の感情に素直になろうと思える素晴らしい...

あそこまで純粋に感情を表現することができる主人公がある意味で羨ましくも感じてしまいました。この本が発表された当時の読者に自殺者が急増したという事実を知って、当時の人々の感受性の鋭さに驚きです。 淡々と日々を過ごしてしまっていたので、もっと自分の感情に素直になろうと思える素晴らしい1冊です。

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2022/10/03

抽象的な表現が多く、難しかったが、凄く共感する場面もあった。どれだけロッテのことを想っているのか。自分のことは棚に上げて、周りの人間達を変な奴らだといったり、人間味が強くて面白かった。執着した割には、遺書は潔が良くて読後感はすっきり。

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2022/09/19

10代・20代のうちに読んでおかなくてよかった。 確実に病んでいたと思う。。 最後の朗読の場面、難解だったけどとても美しい情景だと思いました。

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2022/09/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ウェルテルは好青年だった。とても思慮深く、知性も理性も兼ね備えた人間だった。そんな彼が、叶わぬ恋と知りながらロッテという女性を愛した結果、悩み苦しみ抜いた末に自殺する。自分は愛されていたんだと狂気しながら…。 狂ってしまうくらいの恋。まだ始まってもいないのに終わってしまった。いや、始まっていたのかな。恋の始まりってどこからだろう。 自ら“死”を選ぶこと。当時、この本を読んで自殺が流行ったとあるが、もちろんゲーテはそんなことは望んでいなかったはず。冒頭には、同じように悩む若者の慰めになればとある。この物語は一人の青年の悲劇だ。不幸だ。決して自殺を美化しているわけではない。 この物語は書簡形式なのだが、ウェルテルの手紙だけで語られるので、ロッテの気持ちはどうなんだろう、と思いながら読み進めた。最後の方でロッテの想いに触れられており、ウェルテルの片想いではなかったのかと、そこだけは救われる思いだった。

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2022/07/21

1774年 ゲーテの書簡体小説。 主人公ウェルテルが、婚約者のある女性“ロッテ”に恋をして、その苦悩を友人への手紙に悶々と吐露していく。ラストはご存じの通り、拳銃自殺。 250年前の作品で、昭和26年の翻訳。それを考えると文章は読み易いし、どれほど愛しているか、何に悩み苦しんでい...

1774年 ゲーテの書簡体小説。 主人公ウェルテルが、婚約者のある女性“ロッテ”に恋をして、その苦悩を友人への手紙に悶々と吐露していく。ラストはご存じの通り、拳銃自殺。 250年前の作品で、昭和26年の翻訳。それを考えると文章は読み易いし、どれほど愛しているか、何に悩み苦しんでいるのか伝わってくる。名作なんだなあと思う。 昔読んで覚え違いしていたことは、相手の女性“ロッテ”もウェルテルに好意を持っていたという事。 武者小路実篤の「友情」のように一方的片思いかと思っていた。 発刊当時、ベストセラーになりすぎて、若者の自殺増加という社会現象まで引き起こしたとか。夏目漱石「こころ」梶井基次郎、芥川龍之介、等々日本の古典にも悩める作品作家は多けれど。 若者よ、恋やら愛やら結構ですよ。悩みなさいよ。答えが出ないなら、本でも読んで、働いてみて、なんならスポーツでもして。叶わぬものなんかね、いっぱいあるんだから。 お口の恋人“ロッテ”のロッテなんだって。

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2022/12/31

失恋で自殺するのはアホという風潮が現代でもあるけれど、それは大きな間違いだと思う ウェルテルは頭のいい人間だと感じた だからこそ、世の中の多くの人が気づきもしないこと、考えもしないことに意識がむいてしまい、苦悩する ロッテはそんなウェルテルを支えてくれる唯一の人だったのだ そのロ...

失恋で自殺するのはアホという風潮が現代でもあるけれど、それは大きな間違いだと思う ウェルテルは頭のいい人間だと感じた だからこそ、世の中の多くの人が気づきもしないこと、考えもしないことに意識がむいてしまい、苦悩する ロッテはそんなウェルテルを支えてくれる唯一の人だったのだ そのロッテが失われた瞬間はウェルテルの世界が崩壊した瞬間でもある 目の前の世界から光を失った時、その時そこから避難する先の光源が死であった時、 如何なる動機であれ、人は死を選ぶと思う

Posted byブクログ