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若きウェルテルの悩み の商品レビュー

3.8

251件のお客様レビュー

  1. 5つ

    60

  2. 4つ

    74

  3. 3つ

    59

  4. 2つ

    16

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2024/05/03

青春の心の変遷、揺れ動き、感情の起伏、恋の嵐、など追体験しているようにすらすらと読み進められた。最後の神々のたとえ話のところは読みづらかったので飛ばした。 ウェルテル効果ってこんな感じなのかってほんのちょっと感じたようなしないような。 読み進めながら、どこまでもシャルロッテの人と...

青春の心の変遷、揺れ動き、感情の起伏、恋の嵐、など追体験しているようにすらすらと読み進められた。最後の神々のたとえ話のところは読みづらかったので飛ばした。 ウェルテル効果ってこんな感じなのかってほんのちょっと感じたようなしないような。 読み進めながら、どこまでもシャルロッテの人となりを想像し、読み進めていたが、何とも言えないって感じ。作中にてウェルテルが書き記す手紙の中でいくつか真に迫る描写があったが、多くのことを学び考えさせられた。 幸せは、分別がつく前か、狂った後にしかなじまない。なるほど。たしかに。 現代社会に生きる自分たちにとっても多くのことを現実に即して学べるし、この先もずっと読み続けられるのだろうと確信した。人がいない時期に遠い田舎や歴史あるところに出かけて行って、太陽や森、あらゆる生命に囲まれて、この物語をもう一度読んでみたい。どんな気持ちがするだろう。

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2024/05/19

「ひとが人生のうちでこの本に心を動かされることがなかったとしたら、それはあまり良いことではないだろう」とゲーテは語ったらしい。「こんなにあなたを愛した私を、あなたは決して憎めない」と、ロッテへの純粋な愛と信頼を貫き通した彼の儚い人生についてのこの小さな記録は、到達不可能な憧れに一...

「ひとが人生のうちでこの本に心を動かされることがなかったとしたら、それはあまり良いことではないだろう」とゲーテは語ったらしい。「こんなにあなたを愛した私を、あなたは決して憎めない」と、ロッテへの純粋な愛と信頼を貫き通した彼の儚い人生についてのこの小さな記録は、到達不可能な憧れに一身を捧げる(シェリーが星と蛾のたとえで美しく言い表したような)愛の喜びと、それの裏側でしかない悲哀を同時に提示し、我々の生に暗くも美しい影を落としている。ウェルテルはロッテの元を静かに立ち去るべきであっただろうか。ロッテはだけれど、確かにウェルテルに想いを寄せていたし、ウェルテルは、ただのエゴイズムから最悪の結果を招いたわけではない。愛そのものが純粋だとしても、その純粋さそのもののゆえに、ひとは、その純粋な愛を保ち続けることに耐えることができないのかもしれない。愛が美しくそして純粋であればあるほど、それを心のうちに保つにはあまりにひとは弱すぎる。

Posted byブクログ

2024/08/02

ウェルテルは即死じゃないんだ、、が一番の驚きポイント。 ウェルテル自身ちょっとだけ生きづらいタイプの思考をする傾向にあるけど、真逆というか相容れないタイプの人(恋しいシャルロッテの結婚相手)にも割とそれなりに反論したり攻撃的になったりするところも見れておもしろい。 全体に、恋に...

ウェルテルは即死じゃないんだ、、が一番の驚きポイント。 ウェルテル自身ちょっとだけ生きづらいタイプの思考をする傾向にあるけど、真逆というか相容れないタイプの人(恋しいシャルロッテの結婚相手)にも割とそれなりに反論したり攻撃的になったりするところも見れておもしろい。 全体に、恋に落ちて夢中になっている人の世界がとても丁寧に美しく描かれててて、シンプルに語彙の力ってすごいなと思った

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2024/03/25

これがゲーテ自身の中で起こった出来事だと思うと不憫で仕方がない。それを書き出せることによって作品に昇華できてよかった。その事が彼を救ったのでは無いかと思う、

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2024/03/23

ゲーテならではの風景や心情の表現が良かった。もうすでに相手がいる人に恋してしまっても、その人のことを思って離れるのが正解だし、それが一番の優しさであり愛だよなーと思った

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2024/03/22

「初版」訳の光文社古典新訳文庫を読み、「改訂版」の新潮文庫も読んでみた。前者の解説によると、11の書簡の追加と「編者から読者へ」の全面的書き換えがあったとのこと。受ける印象は大きく変わらないが、改訂版の方がウェルテルの心情が客観的に書かれているように感じた。それでも後半に向かうに...

「初版」訳の光文社古典新訳文庫を読み、「改訂版」の新潮文庫も読んでみた。前者の解説によると、11の書簡の追加と「編者から読者へ」の全面的書き換えがあったとのこと。受ける印象は大きく変わらないが、改訂版の方がウェルテルの心情が客観的に書かれているように感じた。それでも後半に向かうにつれてのウェルテルの鬼気迫る盲信ぶりには「ウェルテルよ冷静になれ」と肩を叩きたくなった。本書が「精神的インフルエンザの病原体」と言われるのも納得。この作品を多感な10代に読んでいたら受ける衝撃も大きかっただろうと思うと後悔もする。

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2024/03/09
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ひと言で言うと、病み体質なかまってちゃんのTwitterのようだった。 叶わない恋に挫折し、その相手から一旦離れるが、結局耐えられなくなりまた戻ってくる。そしてこれを繰り返す。そしてそんな様子や相手とのやりとりを周りに向けて明け透けと発信する。自分の友人にもそんな人が何人かいたな。 ウェルテルが最期に書いた手紙で、あなたのおかげで死ぬことができる的なことを書いたように、自分がこんなに苦しんだのはお前のせいだと暗に伝えるのも(ウェルテルにその意図があったかわからないが)、実際に友人がやってたな。 盲目で敗者的な恋をすると、そんな気持ちになってしまうのは分からなくもないが、正直気に食わない。 結局自分の不幸に酔ってるだけに見えてしまう。自分がうまくいかないのは自分のせいですよって表向きは理解しているような口ぶりでも、実際は他人のせいにしているのが透けて見えて腹が立つ。 まぁ、どうしようがその人の勝手自由であるが。 自分には理解ができない。

Posted byブクログ

2024/02/08
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詩的で情熱的で繊細な青年が、婚約者のいる女性に恋してしまい、求め、離れ、逃れがたくまた求めて、その叶わぬことを知り、ついに身辺整理を済ませて自らピストル自殺を果たす物語。 18世紀の当時としてとても斬新であったということは頷けるが、今読むと特別珍しい話ではないので、あくまで古典として一読した。 昭和風の翻訳文、キリスト教圏の文化的表現や引用、詩的な風景描写の多さなどから読みやすい文章とは言えなかったが、その趣としては良いと思う。 その他の本の解説などで言及される作品なので、一読できてよかったと思う。また適宜読み返すこともあるかもしれない。

Posted byブクログ

2023/12/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

この小説は、ウェルテルの手紙と、手紙をまとめた編者が調べた内容によって構成されている。 ウェルテルの手紙だけでは分からなかった事実が、編者によって明らかにされていく。 悟ったようなことを言ったかと思ったら、ロッテへの想いに浸り、欲望を押さえ込むのに必死でぐちゃぐちゃになってしまう。 そんなウェルテルのアンバランスさが良かった。 彼の手紙からは、ロッテへの強い気持ちが伝わってくる。 こんなにも気持ちを打ち明けられるなんて、手紙の相手・ウィルヘルムとは一体どんな人なのだろうと、そちらにも興味が湧いた。 手紙から感じ取れるウェルテルは、少々独りよがりのように思えた。 「(ロッテが)ぼくを愛していると感じている」と書かれていたときには、ウェルテルの気持ちが暴走しているのだろうと思ったが、編者の記録を読むと勘違いとは言えないような状況だった。 ロッテのウェルテルへの気持ちは、恋愛と言っていいのかは分からない。 しかし彼女にとって、彼が特別な存在であったことは確かだった。 心がぴったりと調和していて、ウェルテルがもし離れてしまったら、ぽっかりと穴が空いてしまう。 そんな存在に彼はなっていた。 夫がいるロッテへの想いを永遠のものとするには、死しかなかったのだろう。 それがウェルテルにとって、唯一の希望だったように思う。 ウェルテルが死の直前に綴ったとされる手紙はどれも素晴らしく、私のお気に入りだ。 目の前の自然や自分の存在に目を向け、死と向き合う彼の言葉には、心を絞り上げられるような心地がした。 とても好きな作品だった。 読めて良かったと思う。 ◇ 心の中には無数の計画や希望が狂いまわっていたけれど、とうとうしっかりと、はっきりと、最後のただ一つの考えがきまったのです。自殺です。——横になり、朝、眼をさましたときの、落ち着いた気持のときも、死のうという考えは、まだ小ゆるぎもせずしっかりとしています。——絶望じゃありません、がんばり通したぞという安心です、 あなたの犠牲になるのだという確信です。 (P183〜184)

Posted byブクログ

2023/12/17
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書簡が続く部分は難しくはありませんが、後半の詩が入ってくる部分は難しくてよくわかりませんでした。 何にしても、最期に主人公が自死するのは、悲しく救いのない話に感じました。

Posted byブクログ