悪霊(上) の商品レビュー
驚くべきつまらなさ。スタヴローギンがどんな『悪』なのかが気になって、我慢して上巻を読み終え、今、下巻の3分の1まできているけれど、上巻の退屈さはもう悲劇的。下巻を読み終えたら最後にどんな感想を述べられるかと淡い期待はありますが、ここまでのところは腹が立つほど面白くありません。でも...
驚くべきつまらなさ。スタヴローギンがどんな『悪』なのかが気になって、我慢して上巻を読み終え、今、下巻の3分の1まできているけれど、上巻の退屈さはもう悲劇的。下巻を読み終えたら最後にどんな感想を述べられるかと淡い期待はありますが、ここまでのところは腹が立つほど面白くありません。でも、まあ時代も社会も違うしそういうものかも知れないと思いつつ、『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』はもっとスリリングだった実感はある。テレビで亀山郁夫氏が『悪霊』について語っているのを観て、またそれについての対談本も読みたいし、1年くらい前には上巻の半分で挫折した経験があるから今度は最後まで味わいたいと思います。
Posted by
ドストエフスキーの思索的文学的探求の頂点に位置する大作。性格分析や言動解明を受け付けない、規格外のスケールで描写される個性的な登場人物たち。時代を反映した混沌の様相を呈する彼らの思想や言動は一見常軌を逸しているようだが、その実人間の本質を鋭く抉り出しているように思える。特にスタヴ...
ドストエフスキーの思索的文学的探求の頂点に位置する大作。性格分析や言動解明を受け付けない、規格外のスケールで描写される個性的な登場人物たち。時代を反映した混沌の様相を呈する彼らの思想や言動は一見常軌を逸しているようだが、その実人間の本質を鋭く抉り出しているように思える。特にスタヴローギンの告白の章など。狂気に満ちたこの作品の背後には、作者が帯びるある種の霊感、あるいは悪霊が透けて見えるようだ。
Posted by
2011.10.18 上巻 開始 2011.11.17 同 読了 2011.11.18 下巻 開始 2011.12.11 同 読了
Posted by
結構難しい。いや、かなり。 カラマーゾフの兄弟と並ぶドストエフスキーの思想書と書かれてるけど、こっちの方がより観念的というか。最初のほうとか、ステパン氏の説明にどれだけ割くんだという感じ。 それでもさすがなのは、読ませられる。各キャラクターが非常に際立ちます。ピョートルはいけす...
結構難しい。いや、かなり。 カラマーゾフの兄弟と並ぶドストエフスキーの思想書と書かれてるけど、こっちの方がより観念的というか。最初のほうとか、ステパン氏の説明にどれだけ割くんだという感じ。 それでもさすがなのは、読ませられる。各キャラクターが非常に際立ちます。ピョートルはいけすかないし、悪魔超人スタヴローギンは、全く嫌いになれないし、それらを取り巻く社交界のこの毒な面面や、シャートフの悲惨さ。ドラマドラマで、楽しい。 1か月かかりました。持ち運びが大変。
Posted by
上下巻合わせて1300ページくらいある中で、最後の300ページくらいは目を離せない展開なのですが、それまでの前置きとでもいえる部分には読むのに忍耐が必要でした。が、面白いことは面白いのです。
Posted by
冒頭から300ページ程ずっと退屈だった。読むというより文字を眺めてる感じ。ツルゲーネフをモデルにした人物が出てきてもタイクツナノデス…。第2部に入りスタヴローギンの視点に変わり読めるようになる。さて、上巻600ページ超あったが物語は何か始まったかな?まだ序章?何の話?最終的にはど...
冒頭から300ページ程ずっと退屈だった。読むというより文字を眺めてる感じ。ツルゲーネフをモデルにした人物が出てきてもタイクツナノデス…。第2部に入りスタヴローギンの視点に変わり読めるようになる。さて、上巻600ページ超あったが物語は何か始まったかな?まだ序章?何の話?最終的にはどこに向かうのやら。
Posted by
ドストエフスキー作品はいつもそうだが、読み始めてから、勢いがつくまでに、物凄く時間がかかった。 ちょうどニコライが主になってきたあたりからエンジンがかかって、あとは一気に読めた。 ロシアの背景をもっと知っていれば、理解力もアップするだろうと思う。自分の知識のなさに、悔しい思いを...
ドストエフスキー作品はいつもそうだが、読み始めてから、勢いがつくまでに、物凄く時間がかかった。 ちょうどニコライが主になってきたあたりからエンジンがかかって、あとは一気に読めた。 ロシアの背景をもっと知っていれば、理解力もアップするだろうと思う。自分の知識のなさに、悔しい思いをしながら、なんとか上巻読了。 具体的感想は、おそらく下巻まで読んでからでしょう。
Posted by
農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、 動揺と混乱を深める過渡期ロシア。 悪霊に憑かれた豚の群れが、 湖に飛び込んで溺死するという聖書の記述から 無神論的革命思想を悪霊と見立て、 それに憑かれた人々とその破滅を描く。 そんな裏表紙の触れ込みのドストエフスキーの大作、悪霊。 ...
農奴解放令によっていっさいの旧価値が崩壊し、 動揺と混乱を深める過渡期ロシア。 悪霊に憑かれた豚の群れが、 湖に飛び込んで溺死するという聖書の記述から 無神論的革命思想を悪霊と見立て、 それに憑かれた人々とその破滅を描く。 そんな裏表紙の触れ込みのドストエフスキーの大作、悪霊。 罪と罰で遅かれ、初めてドストエフスキーに触れ感銘を受け、 そして次に選んだのがこの悪霊。 罪と罰で慣れたのか、今回は読みやすく感じる。 やはり人間の心理描写を描くのにすごく長けているというか、 時代性というものを感じずに読み進めることができる。 とても100年以上前の作品とは思えない、ある意味新しさがある。 重苦しい裏表紙の触れ込みからは想像することもできない、 前半のステパン先生の情けなさにどこか安心感すら覚える。 物語はニコライやステパン先生の息子ピョートルの帰還によって 途端に加速感を増し、重みと緊張感を持たせる。 賽は投げられたり。彼らの運命は確かに破滅へと回り始めていた。
Posted by
読み終わった後は、不満たらたらでした。はっきりしない部分が多く、スタブローギンはただただ嫌な奴だし、変なインテリなやつばかりだし、すごい疲弊しきってしまいました。僕の想像力が足りなかったかな、うまく登場人物たちがイメージできず、共感もできず、散々でした。 でも読んでからしばら...
読み終わった後は、不満たらたらでした。はっきりしない部分が多く、スタブローギンはただただ嫌な奴だし、変なインテリなやつばかりだし、すごい疲弊しきってしまいました。僕の想像力が足りなかったかな、うまく登場人物たちがイメージできず、共感もできず、散々でした。 でも読んでからしばらくたってからわかるものってあるんですよね。そういうのが名作であると僕は思うんですけど。そりゃ悪霊は、あまりおもしくなかったです。でも、悪霊のストーリや登場人物はいつまでも僕の頭のなかでぐるぐると周り続けるんです。話が長かっただけに印象に残ってしまうんでしょうけど、悪霊の話はいろいろな小説や漫画の原型になっていると思うんです。読んで良かった、やっぱドストはすげえやと思ってしまうんですよね~
Posted by
「無神論を悪霊に見立て、それにとりつかれた人々の破滅を描く―」 裏表紙の文です。 シャートフやニコライ、またそれに迫るピョートルなど、確かに破滅の足音が聞こえてくる感があります。 しかし正直「白痴」同様読みにくさを感じました…。 ステパン氏とは何の描写なのでしょうか? アンチ...
「無神論を悪霊に見立て、それにとりつかれた人々の破滅を描く―」 裏表紙の文です。 シャートフやニコライ、またそれに迫るピョートルなど、確かに破滅の足音が聞こえてくる感があります。 しかし正直「白痴」同様読みにくさを感じました…。 ステパン氏とは何の描写なのでしょうか? アンチ無神論者であるが滑稽に描かれている彼の様は何の意味を持っているのでしょう。 風車に向かうドン・キホーテのような無謀な挑戦をする存在としてでしょうか?つまり新時代の自由思想に無謀にも向かっていく、哀れな過去の遺物という役割を背負わされているのか。 悪霊という題は何を意味しているのか? ただ単に著者の嫌悪感を表しているのか? それともいつかは駆逐されるものとして、逆にキリストの福音を強調するものなのか? また無神論に対する教会という存在がシニカルに描かれているのも気になります。 …正直理解は難しいと思いますが、それでも読んでいきたいです。
Posted by