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ジーキル博士とハイド氏 の商品レビュー

3.6

188件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    52

  3. 3つ

    78

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    1

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2023/04/29

物語として必要なものが凝縮されていて、さらっと読めたし、二重人格の象徴の作品というだけあって、わかりやすく読みや安く考察を深めやすく、敷居が低く多くの人に読んでもらいたい物語だった。 人間というもの然と悪を必ず持ち合わせていて、日日ごろそれこそ無意識のうちに葛藤し、時には比重が片...

物語として必要なものが凝縮されていて、さらっと読めたし、二重人格の象徴の作品というだけあって、わかりやすく読みや安く考察を深めやすく、敷居が低く多くの人に読んでもらいたい物語だった。 人間というもの然と悪を必ず持ち合わせていて、日日ごろそれこそ無意識のうちに葛藤し、時には比重が片方によったり、もう片方に寄ったり、均衡を保てたと思えば、瞬きする間に崩壊したりと、まさに人間の感情抑制の在り方を、二重人格という分かりやすい対立構造で描いている様は、人間の人生を表しているようで、とても面白かった。 程度の差こそあれ度、どんな人間も悲しみと喜びを有し、もちろん言葉にしようもない感情を持ち合わせ人間世界を生きているが、簡単にまとめれば、浮き沈み、山あり谷あり、天あり地獄あり、というのが人間の感情であり、生き様であり、家庭を結果であり、人間そのものなんだと思えた。 また読みたい。次は「宝島」読もうかな。

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2023/02/19

★3.5 昔から陰に隠れて犯罪を犯してきたジーキル博士。 それを自らの手で行いたくなるのはとても自然なことのように感じました。(犯罪は決して許されるものではないのですが、、) 私は、100%の善人も100%の悪人もいないと思っています。 もしも、ジーキル博士が発明した薬が目の前に...

★3.5 昔から陰に隠れて犯罪を犯してきたジーキル博士。 それを自らの手で行いたくなるのはとても自然なことのように感じました。(犯罪は決して許されるものではないのですが、、) 私は、100%の善人も100%の悪人もいないと思っています。 もしも、ジーキル博士が発明した薬が目の前にあったら、皆さんはどうしますか?

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2023/01/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分に内包する善悪両面を突き詰めたい思いから二重人格になった博士の話。「人間とは究極のところ、ひとりひとりが多種多様のたがいに調和しがたい個々独立の住民の集団のごときものに過ぎない」は名文だ。さて、ここで描かれる悪は確かに悪だ。だが、歴史を振り返ると徹底的な悪、後世に残る悪行はここに描かれているような悪面で為されただろうか。むしろ正義面をしていたのではないだろうか。

Posted byブクログ

2022/09/24

有名だし、背表紙にネタバレしてるし、そこからどう進むかという期待と不安だったが、後半ジーキル博士の恐怖がヒタヒタと迫ってくる展開。 ハイドはhide

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2022/09/20

名望ある紳士ジーキル博士が発明した薬は、なんと自分の悪の部分のみを人格化するものだった。日に日に悪人ハイドに乗っ取られていくジーキル博士が選んだ道は。 これぞ不朽の名作。怪奇小説の傑作。人間の本質に迫る心理スリラーとも言える。ちなみに約50年前に文庫で出版された時の値段は160...

名望ある紳士ジーキル博士が発明した薬は、なんと自分の悪の部分のみを人格化するものだった。日に日に悪人ハイドに乗っ取られていくジーキル博士が選んだ道は。 これぞ不朽の名作。怪奇小説の傑作。人間の本質に迫る心理スリラーとも言える。ちなみに約50年前に文庫で出版された時の値段は160円です。

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2023/01/23

イギリスの作家。エディンバラに生まれる。スティーブンソン家はスコットランドでは著名な東大建築技師の一家で、彼も初めはエディンバラ大学の土木工学科に入るが、父の仕事を継ぐ気にはなれず、途中で法律に転じた。弁護士の資格は取ったものの、その後は結局好きな文学の道に進む。 代表作:『宝...

イギリスの作家。エディンバラに生まれる。スティーブンソン家はスコットランドでは著名な東大建築技師の一家で、彼も初めはエディンバラ大学の土木工学科に入るが、父の仕事を継ぐ気にはなれず、途中で法律に転じた。弁護士の資格は取ったものの、その後は結局好きな文学の道に進む。 代表作:『宝島』『ジキル博士とハイド氏』 1880年、11歳年上のアメリカ婦人と結婚し、87年アメリカに移住するが、翌年帆船を購入して南太平洋を巡航。サモア諸島に寄った時に、景色や気候が気に入って、そこを永住の地と決めるが、その地で急逝してしまう。 ウラジミール・ナボコフは『宝島』を愚作だと評価する一方で、スティーヴンソンの『ジーキル博士とハイド氏』は傑作だと評価している。

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2021/09/10

2年くらい前に買ってからずっと読まずにいて、やっと読むことができました。 なんとなく物語を知ってはいましたが、最後まで客観的な視点でしか捉えることができませんでした。ジーキル博士の気持ちは誰しもが持っていると思いますが、、、バランスは大事だなと思います。

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2021/07/24

 フロイト心理学に通底する物語。訳者が解説で、イギリスの国民性を"unpleasantness"と表現している点が面白い。どうもイギリス人は、性悪説的な思想を持っているようで、本質的に人間の心に存するドロドロした液体と、常に葛藤してきた歴史があるようだ。  描...

 フロイト心理学に通底する物語。訳者が解説で、イギリスの国民性を"unpleasantness"と表現している点が面白い。どうもイギリス人は、性悪説的な思想を持っているようで、本質的に人間の心に存するドロドロした液体と、常に葛藤してきた歴史があるようだ。  描写の繊細さ、比喩の豊かさが印象的だった。他の訳者の『ジーキル博士とハイド氏』も読んでみたい。当時のイギリスの様子や、キリスト教の内実をもっと知っていれば、より楽しめたものと思う。  それにしても、青山剛昌氏は、この本にコナンの着想を得たに相違ない。そうなると、薬開発者の灰原は、ジーキル博士の如く自殺してしまうのではないか。どうか、哀ちゃんは殺さないであげてください。

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2021/02/18

2021.2.11読了 今年は古典も積極的に読もうと思っていたところ書棚にあった本書が目に留まり読むことにした。 二重人格の代名詞とも言うべき古典的名作。 1885年執筆1886年出版というから実に136年前の作品である。 ジキル博士は極めて常識的な紳士であったが、なぜか無...

2021.2.11読了 今年は古典も積極的に読もうと思っていたところ書棚にあった本書が目に留まり読むことにした。 二重人格の代名詞とも言うべき古典的名作。 1885年執筆1886年出版というから実に136年前の作品である。 ジキル博士は極めて常識的な紳士であったが、なぜか無法者で人を人とも思わない反社会的性質を持つハイドという一目見るだけで誰でも嫌悪感を持つ男に財産を譲るという。 ジキル博士の知人の弁護士の回顧録とジキル博士の独白との2部構成となっている。 人の業の深さとその先にあるバッドエンドが、時代を超えて迫ってきた。

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2020/11/12

ページ数少なめな有名文学作品。たしか2年前の古本市で50円で売られていたので買った。 19世紀のイギリス人の暮らしぶりがうかがえた。 怪奇小説。ラストの、いかにしてこの二重の人格ができていったのかが語られるパートは圧巻。内なる悪に耐えられなくなっていく姿が痛ましい。 英国文学...

ページ数少なめな有名文学作品。たしか2年前の古本市で50円で売られていたので買った。 19世紀のイギリス人の暮らしぶりがうかがえた。 怪奇小説。ラストの、いかにしてこの二重の人格ができていったのかが語られるパートは圧巻。内なる悪に耐えられなくなっていく姿が痛ましい。 英国文学のunpleasantnessの解説にはなるほどと思った。身を取り繕って人生を愉しんでいるように見せ、内なる不愉快さを抑えつける。それを解放する役割としての探偵小説・怪奇譚・悪党譚・冒険譚・スリラー・スパイ物語。

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