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スティル・ライフ の商品レビュー

4.1

248件のお客様レビュー

  1. 5つ

    88

  2. 4つ

    67

  3. 3つ

    53

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    2

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2021/03/15

こういう、ふわっとした小説久しぶりに読んだ。30年くらい前の作品だったんだ。 10年以上前、自分にも、こういう哲学的な話をしても、嫌味でない友達がいたこと思い出した。現実でこういう話するの好きだった。けどそういうのってなくなったな、と思った。時代関係あるのかな。 どうでもいいけど...

こういう、ふわっとした小説久しぶりに読んだ。30年くらい前の作品だったんだ。 10年以上前、自分にも、こういう哲学的な話をしても、嫌味でない友達がいたこと思い出した。現実でこういう話するの好きだった。けどそういうのってなくなったな、と思った。時代関係あるのかな。 どうでもいいけど、当時の株取引って大変だったんだろうと思う。インターネットなんてないし、DOSだったのかな。表示も注文も全くリアルタイムじゃなさそう。

Posted byブクログ

2021/02/26

綺麗な文体で、余計な文章がなくて読みやすいです。宇宙の知識に精通していそう。 短編が二つで、両方とも面白かった。 おとなしく透明感があり、少し暗いけど静かに進んでいくストーリーは読んでいて心が落ち着いていく。 素晴らしい作品なので是非読んでください。

Posted byブクログ

2021/02/22

以下作品の分析というより個人的な感想に終始してしまったが…。 「スティル・ライフ」には、ほとんど2人しか人物が登場しない。しかもその2人、語り手と佐々井は、どこか似た傾向を持っている。佐々井は対面していても、どこか遠くを、宇宙とか山とか谷とか(山とか谷とか言っても、それは具体性...

以下作品の分析というより個人的な感想に終始してしまったが…。 「スティル・ライフ」には、ほとんど2人しか人物が登場しない。しかもその2人、語り手と佐々井は、どこか似た傾向を持っている。佐々井は対面していても、どこか遠くを、宇宙とか山とか谷とか(山とか谷とか言っても、それは具体性を欠き、山そのものとか、自然そのものとかいう意味だが)を常に見ているようであり、またそれらから見られている自分をそれと感じているような、不思議な印象を主人公に与える。しかし語り手の側でも、そういった佐々井の態度は受け入れやすいものであった。主人公の側でも、それと似た感受性を持っていたから。 通常こうした出会いはほとんどありえないと思う。主人公の語るように、個々の真理はすぐ手に入る。全体を見ようとしてから個々を決めようとする人は、もたついてしまう。そういう人は世間ではそんなにうまくやっていけない。でも一方で、とりあえずバイトしてみるとかそういう態度を取ることも一般には難しいと思う。ただ何となく選択して、次の瞬間には家庭というものが築かれている。 また佐々井は、後に明らかにされるが、実のところは相応の社会での経験があるし、実利を得るためのポテンシャルもある。こういう人もいるのだろうか。 人を宇宙、自然に対置させ、限りなく個人の要素を捨て去り、抽象度を高めるような描写がいくつもあった。そのような箇所は巧みだと思ったし、現代には、「中途半端な」距離感しかないというのも頷けるような気がする。 ただ、この小説自体はかなり都会的な発想に基づいていると思う。田舎生まれの人にとって、星はもっとずっと近くに、それも毎日近くにある。小説の中で、図鑑や写真集をさらに画像にして、拡大して観る場面は面白かったが(旅に出て、もっと外の世界を見よう、見ないと損である風な著作は、そんなに好きではない)、それでも、山も川も、田舎にいれば、あえてそれをしなくても、人の存在はむしろ常に自然と相対するものとしてしか捉えられなくなるのではないかとも思う。都会は、どこに行っても人だらけで、中途半端であっても、他人とうまくやれる人ばかりである。 「ヤー・チャイカ」も、面白かった。宇宙飛行士の有名な言葉らしいが、寡聞にして知らなかった・・。父子家庭の、父と娘との関係性を、(おそらく、)単独で、億光年の彼方に飛行を続けて遠ざかっていく観測機と、だんだん離れていく娘とを重ね合わせている。

Posted byブクログ

2021/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冒頭部分に衝撃を受けました。自分他人からがどう思われているか気にしてしまうこともあるけれど、世界はそんなにわたしのことを見ていない。そう気付かされます。それと、『ヤー•チャイカ』のスパイ像が、とってもカッコ良くて憧れてしまう…

Posted byブクログ

2021/01/08

佐々井の知識量がすごい。 =池澤さんの知識量がすごい。 佐々井のライトな生き方憧れるな。 雪が降ってるのではないんだね。 私たちが上昇してるんだ。 行きつけのバーもっと欲しくなった。

Posted byブクログ

2020/10/10

近年では文学は科学やら技術やらからかけ離れたもののように扱われているけど、 それらが人々を助けるよりもっと多くの時間 人間はことばに根ざして発展してきたのだと思う 雪降らないかなあ

Posted byブクログ

2020/09/22

2つの物語で構成 前半は不思議な友人との不思議な物語 二つ目はあるロシア人との出会いと別れ。 浮遊感のある物語をわかりやすくかつ文学的な言葉で表現している。 今読んでも古臭さは全くなく、感心した。 とても美しい話だった

Posted byブクログ

2020/07/19

池澤 夏樹さんが使う言葉、文体がきれいで、どんな幼少期を過ごしたら、こんな小説がかけるのか気になって仕方がない。 「人生は千年もないのに、ボクは何から手をつけたらいいかわからなかった。」 「だからもうちょっと迷うことにした。」 こんな競争社会で、誹謗中傷が絶えなくて、sn...

池澤 夏樹さんが使う言葉、文体がきれいで、どんな幼少期を過ごしたら、こんな小説がかけるのか気になって仕方がない。 「人生は千年もないのに、ボクは何から手をつけたらいいかわからなかった。」 「だからもうちょっと迷うことにした。」 こんな競争社会で、誹謗中傷が絶えなくて、snsもすべて数字にこだわる今の日本は息苦しい。 5年後に何がしたいか今決めろなんて、難しすぎる。 あと数年は色々やってみながら、もっとのんびり生きてもいいかも。

Posted byブクログ

2020/07/07

某所読書会課題図書で第98回芥川賞(1987年下期)作品.佐々井との出会いで奇妙な仕事の支援を依頼されるぼく.突然、チェレンコフ光が出てくるが、カミオカンデで活用されているのある程度知っていたが、87年当時著者は知っていたのだ.素晴らしい.佐々井は裏方でぼくが証券会社に出向いて仕...

某所読書会課題図書で第98回芥川賞(1987年下期)作品.佐々井との出会いで奇妙な仕事の支援を依頼されるぼく.突然、チェレンコフ光が出てくるが、カミオカンデで活用されているのある程度知っていたが、87年当時著者は知っていたのだ.素晴らしい.佐々井は裏方でぼくが証券会社に出向いて仕事を進めるが、公金横領が絡んでいる由.天体写真を見る場面がなぜか異質な感覚を生み出しているようだ.女性初の宇宙飛行士テレシコワのコールサインだった"私はカモメ"(ヤー チャイカ)を表題とした作品も楽しめた.鷹津文彦とカンナは父子家庭だが、カンナは自立して生きている.文彦は高速道路のPAでロシア人のクーキンと妙ないきさつで会い、カンナとともに付き合いを始める.文彦の仕事の話がp131~137に出てくるがCISWだ.これに関してスパイめいたやり取りも面白かった.カレンがディプロドクスに毎日昼に乾草を与えて手懐けているが、この話自体全体からすると異様だ.クーキンのフィギュアスケート披露の場面は面白かった.カンナの友達がパーティーを開き、文彦も潜り込んで楽しむ場面も良かった.

Posted byブクログ

2020/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本書には、スティルライフとヤーチャイカの2篇が収録されているが、どちらも急な展開を見せるところが面白い。ただ、何となく悪い方向には進まないためハラハラすると言う展開ではないのだが、どちらも、友人、家族、仕事、戦争のことなど、色々と考えさせられる作品である。

Posted byブクログ