項羽と劉邦(上) の商品レビュー
2011年最後の読書はこの本でした。 史記を読んだ後にこの本を読むと、 歴史の流れの中で、史記列伝のエピソードがどのような位置にある物語なのかがよくわかります。
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始皇帝が亡くなって、楚と漢が勃興するところが描かれている。項羽は立派な御曹司、劉邦は人気のある親父というところか。人の出入りが激しい。
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負けても負けても、謝り倒したり、逃げ延びては再起をはかり、 最後に一回だけ買った劉邦がすごいです。 ところで、劉邦の邦は兄の意味で、劉邦とは、劉さんちの兄ぃ程度の意味だそうです。
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自分で戦えば百戦百勝、英雄と言っていいやつ。自分では何もできず、気づいたら有能な人に助けられてどうにかこうにか逃げ回りつつ生きているやつ。この2人が争って、最後の最後、英雄は一敗して倒れ、人たらしが皇帝となり、また、狡兎死して走狗烹らる。 史実云々には詳しくないけど、三国志で言...
自分で戦えば百戦百勝、英雄と言っていいやつ。自分では何もできず、気づいたら有能な人に助けられてどうにかこうにか逃げ回りつつ生きているやつ。この2人が争って、最後の最後、英雄は一敗して倒れ、人たらしが皇帝となり、また、狡兎死して走狗烹らる。 史実云々には詳しくないけど、三国志で言う、諸葛亮ひとりが(この場合は政治が)どれだけ優秀でも、それが逆に周りの成長を阻むのかなんなのか、勝利に終わらないというパターンに近いものを感じる。 項羽は呂布みたいな、単純・最強・粗暴butいいやつみたいな感じ。 こういう系の人ががんばる話、僕は非常に好きですが、「成功者」になるのはこれ系ではない模様。悲しいのう。
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三国志ときたら『横山光輝』。横山光輝ときたら『魔法使いサリー』という事で漫画三国志はあまり興味のない分野だったので放置プレイ状態でしたが、大好きな司馬さんの作品だけにいつか読まねばと思い読み始めてたらクソ忙しさに上巻読むだけで一ヶ月もかかるという巨大スペクタクルになってしまい漫画...
三国志ときたら『横山光輝』。横山光輝ときたら『魔法使いサリー』という事で漫画三国志はあまり興味のない分野だったので放置プレイ状態でしたが、大好きな司馬さんの作品だけにいつか読まねばと思い読み始めてたらクソ忙しさに上巻読むだけで一ヶ月もかかるという巨大スペクタクルになってしまい漫画でええがなと思ったりもしましたが相変わらず面白いじゃねえかと。 最終的には漢の高祖劉邦が勝ち組なんですが、上巻では項羽の凄さ、人道的残虐さが表れて項羽特集的な感じですね。20万人皆殺しはさすがにビビりましたが、項羽の宿敵秦帝国自体の超法治国家ぶりにもにんともかんともって感じです。始皇帝が起こした秦帝国はやはり創始者が無くなったと同時に崩壊へ向かうという事で、私自信の戒めにもなりましたし、私の会社崩壊?望むところです。かかってこいや~!そしてみんな助けろや~!って感じだそ!キュン! 戦国時代の面白さは日本もそうですけど、まあ、スゴイ人間が出てきますわマジで。この項羽特集では伯父の項梁があってこそなんですが、やはり身内以外のその取り巻きでしょうか。当たり前ですが、歴史上の人物は取り巻きによって左右される事が改めて実感しましたね。あ、私の取り巻きはノーコメンツで…。また司馬さんの彼等漢達の表現が相変わらずで、俺達に何か夢を持たせてしまうような、そして今からでも遅くないもっと豪快に生きて行かなければならないような、そして自分ってなんて小さいんだ(色んな意味で)って思ってしまうので早速今日豪快に茶碗で酒飲んで寝ます。 中巻楽しみだ。
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項羽はなんでもできちゃう大丈夫だったから負けてしまった。 劉邦はなんでもはできなかった。ただ人を見る目と人に担がれる才に長けていた。だから勝てちゃった。
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久々に司馬遼太郎を 「項羽と劉邦」は横山光輝のマンガのものが好きで、それと重ね合わせつつ読んでいた。劉邦、張良、韓信といった人物の描写に、より別の深みが加わっているように思う。韓信と酈食其との心の通わせ方がわりに印象的。「侠」という言葉についてもなかなか面白いと思う。張良の仙人...
久々に司馬遼太郎を 「項羽と劉邦」は横山光輝のマンガのものが好きで、それと重ね合わせつつ読んでいた。劉邦、張良、韓信といった人物の描写に、より別の深みが加わっているように思う。韓信と酈食其との心の通わせ方がわりに印象的。「侠」という言葉についてもなかなか面白いと思う。張良の仙人への志向のところなどを読んでいると「泣き虫弱虫諸葛孔明」を思い出したりした。
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漢創立期の話が気になってて読み始めた。 中国史モノを読んでると、劉邦、項羽、韓信の名前は良く出てくるし、実際に背水の陣や四面楚歌がどんなものだったのか知りたい。未だ上巻なのでその辺りは出てこないが・・ 司馬遼太郎は難しいのではないかと思い遠ざけていたが、どうやら私にも司馬遼太郎を読む時期が訪れたようだ。王道で重厚感もあるが読み応えある。折りに触れて挿入される逸話も面白い。 特に後半の殷王朝に纏わる話で、学者(劉鶚)がたまたま、北京の薬屋で買った竜骨に不思議な文字が刻まれていた・・のが殷の甲骨文字だった・・という謎めいた逸話が一番好きだ。中国都市の何とも言えない妖しげな雰囲気を醸し出しているよう。
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司馬遼太郎はこの何千年も前の中国における大きな時代の動きをなんとダイナミックに、リアルに語っていることか。そもそもの文明の起こりとその発展が、いかにそれぞれの土地柄に帰属するかという考察も面白い。前から世界の都市を旅してまわるにつけ、川や海に面した都市のほうが魅力的に感じると言っ...
司馬遼太郎はこの何千年も前の中国における大きな時代の動きをなんとダイナミックに、リアルに語っていることか。そもそもの文明の起こりとその発展が、いかにそれぞれの土地柄に帰属するかという考察も面白い。前から世界の都市を旅してまわるにつけ、川や海に面した都市のほうが魅力的に感じると言っているが、それがその川や海のもたらす豊かさに起因すると考えるのは自然であるし、あるいは秦のように計画的に穀物が栽培されていた地域から合理的な統治法が展開されたことも納得できる。もう一つこの本で面白いのは人間の根源的な欲求や原動力と高度に政治的な抗争が巧みに組み合わさって時代が動く様が描かれている点である。人は飢えを恐れ、食を与えてくれるリーダーに従う。集団を統治するトップは往々にして個人の保身や面子を気にして意思決定をくだす。それぞれの次元にそれぞれの理屈があり、それらが絡み合って世の中が動く。何千年も前から何も変わっていない…。
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始皇帝の死後、秦の統率力が弱まり、天下は大乱の様相を呈し始める。そこで立ち上がった項羽と劉邦は、やがて・・・。 授業の穴埋めに、2年生の漢文の授業を取ったところ、題材が「項羽と劉邦」。しかしもともとこの授業、その、あんまり身を入れて受けるつもりがなかったので、じゃあ本で学んどけ...
始皇帝の死後、秦の統率力が弱まり、天下は大乱の様相を呈し始める。そこで立ち上がった項羽と劉邦は、やがて・・・。 授業の穴埋めに、2年生の漢文の授業を取ったところ、題材が「項羽と劉邦」。しかしもともとこの授業、その、あんまり身を入れて受けるつもりがなかったので、じゃあ本で学んどけばいいか、という流れで本書にたどり着いた。 読む動機が不純であったことを、今とても悔やんでおります。 まず長い。始皇帝が秦という国の制度を作るまで、いわば話が項羽と劉邦に移るまでだけでも結構な長さがある。しかも、中国が舞台のせいか、あまり登場人物に感情移入ができない。なので話がなかなか進まず、イライラ。授業では、ストーリーは要点だけを習うので、どんどん先にいってしまい、余計にイライラ。こんな読み方をしてしまい、本当に申し訳ない。と思いつつ、司馬さんの本ってこんなかんじだったっけ?という思いも、一方では少しした。 というのは、あまり登場人物が生き生きして見えなかったからだ。たくさんの人が出てくる上に、舞台背景の説明も中国モノでややこしいので、少々硬い印象を抱き、読みにくかったのである。司馬作品といえば、登場人物の魅力でぐいぐい引っ張る印象があったので、その波がいつまで経っても来ないことに「あれ?」と思ったのだ。 まだまだこの上巻は物語の前書きみたいなもので、面白くなるのはこれからなのだろう。しかしこんな、「授業をサボるため(?)」に読むような読み方をするのは、私の場合物語そのものを楽しめなくなるようなので、ここでひとまずやめます。また、いつか余裕ができたときに、自分のペースで再びチャレンジしようと思う。
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