墨東綺譚 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
そのあたり片づけて吊る蚊帳哉(かちょうかな) さらぬだに暑苦しきを木綿蚊帳(もめんがや) 家中は秋の西日や溝の淵 わび住みや団扇も折れて秋暑し 蚊帳の穴むすびむすびて九月哉 屑籠のなかからも出て鳴く蚊かな 残る蚊をかぞへる壁や雨のしみ この蚊帳もさけとやならむ暮の秋 「鶏群の一鶴」と荒ぶ当時の東京の風俗を感じさせる 一冊 オタクからはいっても、一読の価値あり。
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「男の隠れ家小説」といった印象でしょうか。老齢に差し掛かった懐古主義者が私娼窟に足繁く通うお話。と言ってしまうとなんだか愛欲に塗れていそうですが、直接的な性描写はなく、淡々とした美しさを感じる小説でした。物語の舞台となった地域(東向島駅~白鬚神社や秋葉神社、言問橋)周辺を散策し、...
「男の隠れ家小説」といった印象でしょうか。老齢に差し掛かった懐古主義者が私娼窟に足繁く通うお話。と言ってしまうとなんだか愛欲に塗れていそうですが、直接的な性描写はなく、淡々とした美しさを感じる小説でした。物語の舞台となった地域(東向島駅~白鬚神社や秋葉神社、言問橋)周辺を散策し、薄れつつもまだうっすらと残る往時の面影を探しながら読んだので、物語の雰囲気を充分に堪能しました。スカイツリーが出来、様変わりした現在の姿を見て、作者はどんな風に思うのでしょうね。
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主人公は小説家。執筆中の小説『失踪』の取材を兼ねて娼婦お雪のもとへと通う「わたくし」、『失踪』の主人公「種田順平」、この二人を重ねあわせながら読み、さらに作者である永井荷風自身を重ねずにはいられない。 その心情を想像するのは、面白くもあり、切なくもあり、恨めしくもある。 物語の...
主人公は小説家。執筆中の小説『失踪』の取材を兼ねて娼婦お雪のもとへと通う「わたくし」、『失踪』の主人公「種田順平」、この二人を重ねあわせながら読み、さらに作者である永井荷風自身を重ねずにはいられない。 その心情を想像するのは、面白くもあり、切なくもあり、恨めしくもある。 物語の結末の、その後を想像したくなる物語。
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最後まで読まずに間違えて図書館へ返してしまった。 ただ、再度借り直して読む気にならなかったので前半は大して面白くなかったのだろう。昔の本なので、フリガナが変である。
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小説家である主人公・大江匡が、隅田川を越えた東側に位置する私娼街玉の井で見聞きした出来事を描いた、永井荷風の随筆的小説。 なかなか筆の進まない小説『失踪』を書くために訪れた私娼街で、偶然的な出逢いを果たす大江と娼婦のお雪。 まもなくして、大江はお雪という女性のもとへ足繁く通うこ...
小説家である主人公・大江匡が、隅田川を越えた東側に位置する私娼街玉の井で見聞きした出来事を描いた、永井荷風の随筆的小説。 なかなか筆の進まない小説『失踪』を書くために訪れた私娼街で、偶然的な出逢いを果たす大江と娼婦のお雪。 まもなくして、大江はお雪という女性のもとへ足繁く通うことになります。 克明に描かれる執筆当時の東京の風景とともに語られる、大江が見せるお雪への情愛が実に健全なのが、面白い。 老齢という大江のハンディキャップからして、若いお雪に対して見せる愛情は『これが自然なのだろう』と、とても納得してしまいました。 読了後、本作は出逢い~別離までを描いた物語であるものの、不思議と清々しい気持ちが心を包みました。 作中の大江にも通ずることでしょうが、荷風の人としての優しさというものを、想起せずにはいられません。
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難しくて読めない漢字や意味がたくさんあった。 なんとな~く雰囲気が伝わってくる。 男女の仲が漂々としていて、寂しい気分にもなり。 ただ世の中そんなものかなと思えた作品だった。
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読もう読もうと思って積読だった本。 古き良き夜の下町。 そして素直な女性との風情ある関係。 蚊でさえ風流に思えてくるなぁ。 まぁ近代化にぼやく老人の逃避と思えなくもないけれど、隅々に残る江戸の面影は理想化されていて美しい。
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特に何があるって話ではないが染み込むような文が印象的だった。 遊びつくした大人の淡い恋心は静かで風流だった。
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暇があれば読み直している。 本の厚さといい、そんなちょっとした時間に読むには最適。 まだまだ江戸が残る昭和の東京下町が舞台。 やっと映画も見たけど、やはり本の方が風情があって良かった。 昭和と聞けばつい最近なのに、この中の街の様子や人の背格好・ 振る舞いなどは全く失われてしまった...
暇があれば読み直している。 本の厚さといい、そんなちょっとした時間に読むには最適。 まだまだ江戸が残る昭和の東京下町が舞台。 やっと映画も見たけど、やはり本の方が風情があって良かった。 昭和と聞けばつい最近なのに、この中の街の様子や人の背格好・ 振る舞いなどは全く失われてしまったんだなと思う。 現代に当てはめれば「風俗業」にあてはまるお雪なのに、 なんと品のあること...。 荷風もお雪もなんとなく一線を引き関係する。 多くを語らないでも相手を理解する...これも失われた日本の一部だ。
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上品な文章。東京の町は俺詳しくないけど何だかレトロ。切ないと言うかずるいと言うか。。後半の帚葉翁との話の方が風紀を憂いてておもろかった。
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