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グッド・バイ の商品レビュー

4

143件のお客様レビュー

  1. 5つ

    41

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    29

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2023/12/09

太宰治の絶筆であるグッド・バイを読みたくて購入、その後2年間積読してた ユーモアに富んだ作品で、登場人物のキャラも立っているから、ラノベみたいな作品だなぁと思った 未完なのが残念、この先も読みたかった 善をなす場合には、いつも詫びながらしなければいけない。善ほど他人を傷つけるも...

太宰治の絶筆であるグッド・バイを読みたくて購入、その後2年間積読してた ユーモアに富んだ作品で、登場人物のキャラも立っているから、ラノベみたいな作品だなぁと思った 未完なのが残念、この先も読みたかった 善をなす場合には、いつも詫びながらしなければいけない。善ほど他人を傷つけるものはないのだから

Posted byブクログ

2023/11/17

これは愛人を何人も抱えた主人公、田島が青木という超絶美人を実嫁という設定にして、愛人達に別れ話をしに行くお話である。実嫁は青木の他にいる。一見暗い設定に思えるが、田島と青木の掛け合いがコミカルに描かれていて、物語の雰囲気としてはとても明るい。未完なのが悔やまれる作品である。

Posted byブクログ

2023/10/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

好きな作品とそうでない作品が入り乱れていた。でも、結局表題作の「グッド・バイ」で最後に盛大なコメディで締めくくられて、ああこれが太宰かと。遺作がグッド・バイで良かったなと思える、明るく軽快で未来を向いた作品だった。 もったいない、もったいない、続きが読めないなんて。でもなんだかこれを書きかけで逝ってしまうのはとても、喜劇みたいな、悲劇みたいな、人生。 戦後ずっと、世の中の変わらなさに絶望しつづけていた太宰が、この遺作でこんなことを言う。驚いた。 「けれども、それから三年経ち、何だか気持ちが変わって来た。世の中が、何かしら微妙に変わってきたせいか、...(中略)小さい家を一軒買い、田舎から女房子供を呼び寄せて、......という里心に似たものが、ふいと胸をかすめて通ることが多くなった。」 以下、その他の作品について ■薄明 子煩悩な平凡な父の姿。結膜炎になった子がしんぱいでおろおろ、酒を飲んでも酔えず、吐き、路傍で合掌。 父親の姿が見られほっこり。その一方戦争だけが太宰を家庭につなぎとめ、命をつなぎとめていたようにも感じてしまう。 「もし、この子がこれっきり一生、眼があかなかったならば、もう自分は文学も名誉も何も要らない。みんな捨ててしまって、この子の傍にばかりついていてやろう、とも思った。」 「『そうか、偉いね。よくここまで、あんよが出来たね』」 ■冬の花火、春の枯葉 2作とも戯曲のスタイル。新ハムレットより完成度が高い。戦後日本に対するみじめで、やりきれない思いが、とても悲しく美しい旋律の中で繰り広げられる、悲劇。 「冬の花火、冬の花火、ばからしくて間が抜けて、清蔵さん、あなたもあたしも、いいえ、日本の人全部が、こんな、冬の花火みたいなものだわ。」 「永い冬の間、昼も夜も、雪の下積になって我慢して、いったい何を待っていたのだろう。ぞっとするね。雪が消えて、こんなきたならしい姿をあらわしたところで、生きかえるわけはないんだし、これは、このまま腐って行くだけなんだ。めぐり来たれる春も、このくたびれ切った枯葉たちは、無意味だ。」 ■フォレスフォレッセンス 太宰にとっては夢も現もすべて同じ。小説も生活も同じ。どこまでも一元的で主観的で、だから好きなんだろうなと思わされた話でした。 ■男女同権  時代的に仕方ないのかもしれないが、かなり無理。 太宰は好きだけどこれは......

Posted byブクログ

2023/09/02

戦時中から戦後に移って、変わったかと思えばそうではない、そんな自分の中の期待の裏切りを登場人物の赤裸々な感情を通して描いているような作品。人のあり方が大人らしく、自分もいずれそんな世の中をそんなふうに過ごしていくのかなぁと少し悲しくもなった。

Posted byブクログ

2023/09/02

未完の作品「グッド・バイ」を含めた16つの短編集。 戦時中に太宰が妻子を連れて甲府へ疎開したときの話が「薄明」「たずねびと」。そして、津軽の生家へ再疎開した時に、東京での十五年間を振り返って「十五年間」が書かれた。 過酷すぎる状況だけに、太宰のユーモアも皮肉に感じられるところが...

未完の作品「グッド・バイ」を含めた16つの短編集。 戦時中に太宰が妻子を連れて甲府へ疎開したときの話が「薄明」「たずねびと」。そして、津軽の生家へ再疎開した時に、東京での十五年間を振り返って「十五年間」が書かれた。 過酷すぎる状況だけに、太宰のユーモアも皮肉に感じられるところが多かった。 その後、津軽の生家を引き払い、家族と共に上京した後、昔よく遊びに行ったとこの娘と偶然に再開したときの話が「メリイクリスマス」。真相を知ったときの男(太宰?)の男前な言動にジンときた。 その他「男女同権」「饗応夫人」「眉山」「女類」などの作品では、当時の男尊女卑の風潮を強く感じた。物語としてはおもしろいけど、そこだけ気になってしまった。 やはり一番印象に残ったのは表題作「グッド・バイ」かな。 妻子持ちの男が十人以上の愛人と別れる決心をし、絶世の美人を妻だと言えば愛人たちも諦めるだろうと作戦を立て、キヌ子という女に妻役を頼み込み、愛人たちの元を回っていく。もうコメディだね。 キヌ子は美女だが、大食いで意地汚く声も悪い女だった。とりあえず一人目の愛人は作戦成功。男は愛人の耳元で「グッド・バイ」と囁く。残りの愛人の元へ向かう途中で、未完のまま終わる。 果たして無事にすべての愛人と別れることはできるのか。そんなことをやっていて妻子にバレてしまわないだろうか。 物語を最後まで見届けたかったな。

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2023/07/25

図書館で笑いを堪えるのに必死な程、面白おかしい小説だった。完成版を読めないのが悔やまられる。やはり太宰は生き延びるべきではなかったのか?いや、彼の場合、むしろ死ぬことが喜劇なのであり、生き延びてしまったらなかなかの悲劇になってしまっただろうか?

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2023/06/23

この作品を読んで初めて、太宰治はラブコメのライトノベル作家だと思った。 未完であることが残念でならないけれど、先の展開や結末を想像するのも楽しい。大好きな作品。

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2023/05/19

妙に面白い。似た雰囲気の短編なのに何故か飽きさせない。良いところに研がれた文章がおいてある。読み手の心理を心得ている。

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2023/01/17

読んでる間は酒飲みの登場人物や風刺的な内容に辟易するし読後感も良くはないけど、読み終わってみると面白かったと思う 文章がうまくて読みやすい たずねびと、冬の花火、春の枯葉、メリイクリスマス、フォスフォレッセンス、饗応夫人、美男子と煙草が好き

Posted byブクログ

2023/01/16

未完の作品ということで全体として どうかは評価できないが、設定としては非常に面白く、この後どうなっていたのかが非常に気になり惜しまれます。モテ男が女性関係を精算するために取ろうとした策略は…ともすればルッキズムの考え方に抵触しそうな内容でもある。

Posted byブクログ