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山の音 の商品レビュー

4

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    30

  2. 4つ

    36

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2013/07/27

「家」ってホント怖いよなー、となるお話。 とは言え、現代の社会でそれを感じる場面はほとんどなくなってしまっているかもしれません。 息子の嫁に心惹かれつつ、死期が近いことを感じている初老の主人公、という設定は非常に面白かったのですが、特に波乱もなくなんとなくで終わってしまって肩すか...

「家」ってホント怖いよなー、となるお話。 とは言え、現代の社会でそれを感じる場面はほとんどなくなってしまっているかもしれません。 息子の嫁に心惹かれつつ、死期が近いことを感じている初老の主人公、という設定は非常に面白かったのですが、特に波乱もなくなんとなくで終わってしまって肩すかしでした。 解説を読んで、色んな雑誌に掲載していた連載モノと分かり少し納得。ゴールを特に決めずに書いてたんだろうなあ、たぶん。

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2013/06/24

戦後文学の最高峰に位する名作だそうです。戦後のある家族の日常の中での人々の細かい心理描写や風景・季節の移り変わりが美しく描かれています。ただ自分の中に薄気味悪い感じが残ってしまってます。静かに残酷なことが語られているからでしょうか。何年か後に再読したらまた感想が変わるのかなとも思...

戦後文学の最高峰に位する名作だそうです。戦後のある家族の日常の中での人々の細かい心理描写や風景・季節の移り変わりが美しく描かれています。ただ自分の中に薄気味悪い感じが残ってしまってます。静かに残酷なことが語られているからでしょうか。何年か後に再読したらまた感想が変わるのかなとも思います。

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2013/05/30

一つ疑問に思ったのが、自分の娘を父母の両方がここまで「醜い」とはっきりとおもうものだろうか、ということ。まあ、修一の嫁の菊子が美しいくて、なおかつ信吾もかわいがっているから余計にそう思うのだろうか。

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2013/04/30

何かの本(梅原猛の関連だったか?)に、川端康成が「地獄」に関心を抱いていたことが書かれていた。 この著作における「山の音」は何を意味するのか?何気ない家族の日常を描きつつ、その根底には何かしら「地獄」に似た気味の悪い足音が聞こえる。それは戦後の近代化の中で崩れつつある家族の姿な...

何かの本(梅原猛の関連だったか?)に、川端康成が「地獄」に関心を抱いていたことが書かれていた。 この著作における「山の音」は何を意味するのか?何気ない家族の日常を描きつつ、その根底には何かしら「地獄」に似た気味の悪い足音が聞こえる。それは戦後の近代化の中で崩れつつある家族の姿なのか、共同体の姿か、はたまた自然の悲鳴なのか…。暮らしは変わってもヒトの性には抗えない無力感が作品の中には伺えるように思う。

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2013/07/31

不倫堕胎等の描写があってもぐんぐん読めるのは、川端康成の文章や世界が美しいからなのだろうか。天然記念物のあごひげが忘れられない……

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2013/03/30

年上の美しい女性に魅かれながらも結ばれることはなく、彼女の死後、全く似ていない妹を娶った男性が、初老を迎えてもなお初恋の人への思慕の情を思い起こしたり、可憐な嫁に心惹かれたり、と ストーリーだけ追ってしまえば 通俗的な話になりかねないが、何度も読み返したくなる文学作品となっている...

年上の美しい女性に魅かれながらも結ばれることはなく、彼女の死後、全く似ていない妹を娶った男性が、初老を迎えてもなお初恋の人への思慕の情を思い起こしたり、可憐な嫁に心惹かれたり、と ストーリーだけ追ってしまえば 通俗的な話になりかねないが、何度も読み返したくなる文学作品となっているのは、川端康成の格調高い日本語と、緻密な構成のため。 もしも、川端康成と相対してお話をする機会に恵まれたとしても、自分の発する言葉の陳腐さが恥ずかしくて、口をきけなくなってしまうだろうな、と思う。

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2013/03/09

戦後のある家族の日常が描かれている。 骨組みだけ見ると特殊なものは感じられないが、それをじっくり読む気にさせるところは文章の上手さだろうか。 舅が息子の嫁に寄せる淡い想いは単純な色恋ではなくノスタルジーでもあり自分の人生を振り返っての疑問でもあるため、(対する嫁の態度を含め)やや...

戦後のある家族の日常が描かれている。 骨組みだけ見ると特殊なものは感じられないが、それをじっくり読む気にさせるところは文章の上手さだろうか。 舅が息子の嫁に寄せる淡い想いは単純な色恋ではなくノスタルジーでもあり自分の人生を振り返っての疑問でもあるため、(対する嫁の態度を含め)やや呆れつつも自分なりに消化を試みる意欲が湧く。 人に対する心の動きは登場人物皆繊細で居心地がいい。 よくも悪くもロマンチストな印象を受けた。

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2013/02/17

解説を務めた山本健吉によれば、「戦後の日本文学の最高峰」らしいが、個人的には同意できない。すくなくとも、私にとっては『雪国』のほうがよほど評価は上である。(ついでにいうなら、現時点では『眠れる美女』が最高傑作だと思っている。)その理由としては、あまりにも平凡だからだ。妻と愛人を同...

解説を務めた山本健吉によれば、「戦後の日本文学の最高峰」らしいが、個人的には同意できない。すくなくとも、私にとっては『雪国』のほうがよほど評価は上である。(ついでにいうなら、現時点では『眠れる美女』が最高傑作だと思っている。)その理由としては、あまりにも平凡だからだ。妻と愛人を同時に妊娠させてしまう息子と、その息子の妻に淡い恋心を抱く父親。時代が経ているとはいえ、このような人間関係はごくありふれているし、しかもその内容にしても、息子が非人道的に暴れまわるわけでも、父親が眼をぎらぎらさせて強姦の機会を窺っているわけでもなく、ただただまったりと月日が経過してゆくだけである。ほかにもエピソードはあるが、一事が万事こんな調子なので、そこまで興を覚えることはなかった。ただ、では駄作なのかというと、そういうわけでもないと思う。一見単純なストーリイのように見えるが、登場人物の会話にはそれぞれ細心の注意が払われていて、感情の動きも巧みに描写されている。同じ筋書で違う作家が書いたって、このような作品にはできっこない。本作の筋書は平凡だが、けっして単純というわけではないのだ。こういう点がよく書けているあたり、やはり川端康成の作品なのだと思う。ただ、繰り返しになるが個人的にはあまり惹かれるものを感じなかったので、ノーベル賞作家には申訳ないと思いながらも★は3つとさせていただきたい。

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2013/02/01

恥ずかしながら、初川端康成作品。 オチとかそーゆーのを気にしたらいけないんだろうきっと。 保子はなぜそんなに呑気なんだとか、修一って何気にろくでもないヤツだとか、諸々。 あ、でも人なんて所詮そんなものかもしれないけど。 でも、書かれている言葉がとても綺麗なせいか、読んでいて心がす...

恥ずかしながら、初川端康成作品。 オチとかそーゆーのを気にしたらいけないんだろうきっと。 保子はなぜそんなに呑気なんだとか、修一って何気にろくでもないヤツだとか、諸々。 あ、でも人なんて所詮そんなものかもしれないけど。 でも、書かれている言葉がとても綺麗なせいか、読んでいて心がすーっと凪いだような気がした。

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2013/01/08

京都弁がとてもきれい。 言葉ってこんなにきれいなんですね。 お嫁さんと舅の間に流れる空気感が優しくてあったかい感じがします。 家長としての責任もあるのだろうけど、夫である息子よりもお嫁さんの味方なのですよね。 舅お嫁さんに恋をしてたのでしょうか。だとしたらおとなの恋です。

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