みんなの秘密 の商品レビュー
2021年8月31日読了。家族・夫婦・不倫などの愛情のもつれや、地位・生活・生まれ育ちなどのしがらみに翻弄されたり克服しようともがく男女の12の物語。前の話の登場人物が別の視点で次の話の登場人物になっていくリレー形式、の小説は珍しくないが、中年の男女のそれぞれのエゴを描くのととも...
2021年8月31日読了。家族・夫婦・不倫などの愛情のもつれや、地位・生活・生まれ育ちなどのしがらみに翻弄されたり克服しようともがく男女の12の物語。前の話の登場人物が別の視点で次の話の登場人物になっていくリレー形式、の小説は珍しくないが、中年の男女のそれぞれのエゴを描くのとともに、その娘(なぜか息子は主人公としては登場しない)たちによる両親への幻滅・そんな両親によって今の自分があるという諦観みたいな視点もあり、一面ではない非常に複雑な読後感を得られる。夫婦でも親子でも、人間は他人でありわかり合うことはできないが、それでも相手に何かを求めようとしたり、自分を理解してもらおうとあがく登場人物たちは一様に真剣で滑稽だが、著者の筆力もあり、他人事にできない迫力が感じられた。しかし、世の中の夫婦ってみんなこんな感じに惰性とあきらめのもとに家族生活を送っているものなのかね…。
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短編集だと思って購入し、一編目を読み終わった段階では、最後まで読み切る自信がなかった(´・ω・`) でも、二編目に入ったとき「おや?」と思った。一編目で脇役だった人物が主人公になっている。 この作品はリレー形式で、前編で脇役だった人物が次に主人公になるように進んでいく。 登場...
短編集だと思って購入し、一編目を読み終わった段階では、最後まで読み切る自信がなかった(´・ω・`) でも、二編目に入ったとき「おや?」と思った。一編目で脇役だった人物が主人公になっている。 この作品はリレー形式で、前編で脇役だった人物が次に主人公になるように進んでいく。 登場人物が、ほんのちょっとずつ秘密を抱え生活していくことで、最後には… この作品の登場人物は、年齢、環境、経験など様々だが、何か満たされないものを感じ、それを満たすために抗う。その抗い方も様々だ。 見えない秘密。見えないが存在を感じる秘密。子の作品の続編があるなら、ぜひ読みたい( •̀ᄇ• ́)ﻭ✧
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登場人物が次々と連鎖しながら、それぞれの持つ秘密に迫っていく短編集。ここまでスキャンダラスな話ばかりではないだろうが、表面からは知り得ないものはきっと誰しもが抱えているのだろう
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もういろんな主人公が連鎖的に登場してくる作品。前の章でのサブキャラがその章ではメインキャラになる。いろんな人目線で書かれてるから、すごく奥が深い。これ読むと、人を全て理解するのって無理なんだなと思う。ある人がある行動をとることは自分の知り得ないような背景や理由があるのかもしれない...
もういろんな主人公が連鎖的に登場してくる作品。前の章でのサブキャラがその章ではメインキャラになる。いろんな人目線で書かれてるから、すごく奥が深い。これ読むと、人を全て理解するのって無理なんだなと思う。ある人がある行動をとることは自分の知り得ないような背景や理由があるのかもしれないと思った。 林真理子さんって女性だけど、男性目線がすごくリアルですごい。逆に男が読むと女の人ってこんな風に考えるんだとか、そういうのがわかる。ドロドロしすぎなのである。 面白かった。
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短編集のようでいて、物語ごとに主人公が変わっていく。いろんな立場の人達の感情がこれほどまでに上手く表現されているのは林真理子さんの得意とするところである。幸せそうな人達の裏側を覗き見る感じがおもしろい。
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一緒に過ごしているだけでは感じ取れないような、人の秘密って本当におもしろい 男の不倫は目を瞑りなさい系の言葉ってぜんぜん納得いかない
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リレー形式に主人公になるスタイルが新鮮で 一気に読めてしまう作品。 幅広い世代の男女の価値観の違いを考えさせられる。
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他人からみてどんなに幸せな家庭でも大抵なにかしらの秘密がある。 この本の面白いところはリレー式に秘密が書かれてること。読めばわかります。
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10年前の小説が書店チェーンの仕掛けで再ブレイクしている、というのを小耳にはさみ、図書館で借りてみたんですけど・・・間違えた。 流行ってるのは「秘密」で「みんなの秘密」ではありませんでした(苦笑)。でもまあ読んでみました。 吉川英治文学賞受賞作品でした。 リレー形式の短編...
10年前の小説が書店チェーンの仕掛けで再ブレイクしている、というのを小耳にはさみ、図書館で借りてみたんですけど・・・間違えた。 流行ってるのは「秘密」で「みんなの秘密」ではありませんでした(苦笑)。でもまあ読んでみました。 吉川英治文学賞受賞作品でした。 リレー形式の短編集で、たしかにこの構成、みんなに秘密を覗いたような気分になります。 その中で印象に残ったのは、拒食症の女の子が引きこもりだった女の子に言われたコトバ。 「普通の人たちにちゃんと混ざるって重要なことなのよ」「私たちみたいな人間は、とってもやりづらいの。だからうんとうまく、世間っていうものを誤魔化さなきゃいけないの」 なんか切なかったー
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日経新聞での連載を読み、林真理子の著作を探して手に取った本。 脇役が次の主役となる連作短編集。 どれも男女の機敏や欲望をうまく描いており面白い。
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