第三の嘘 の商品レビュー
「悪童日記」三部作の最後を飾る一作。しかし、訳者の堀茂樹が指摘している通り、この三部作は一連のストーリーを綴ったものではなく、いわば CLAUS と LUCAS の変奏曲三部作である。2つのものは 1つになり、1つのものは 2つになり、重なりつつ、交差しつつ物語が紡がれる。 小...
「悪童日記」三部作の最後を飾る一作。しかし、訳者の堀茂樹が指摘している通り、この三部作は一連のストーリーを綴ったものではなく、いわば CLAUS と LUCAS の変奏曲三部作である。2つのものは 1つになり、1つのものは 2つになり、重なりつつ、交差しつつ物語が紡がれる。 小説としての凄さは、『ふたりの証拠』の上、『悪童日記』の下。悪童日記を読んでいなければ星 5つでもおかしくない程度に楽しめたのだが、その差があまりにも大きいため星 4つ。解説で引用されている佐藤亜紀のコラムの一節が、あまりにも的確に本質をついていて、凄すぎる。
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(再読) 久しぶりに再読。こんな内容だったっけ・・・? 新鮮な気持ちで読了。果たして、なにから語ればいいのか。
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「第三の嘘」、三部作の終わりに、真実が明らかになる。だけど「真実」は真実ではない。この作品は「悪童日記」だけで読むのをやめるべきだった気がしている。
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三部作全部読むと面白い。読み手によってどうにでもなりそうな、ハッピーエンドを作ることもできるし、より悲しみを増すこともできそう。
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『悪童日記』で生き分かれた双子が、成長して再び出会う。 決定的に離れてしまった二人の心を描く本作。
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転んで血がでた・・っていうシーンの描写が泣けた。 ほんとは泣いてるんだもん。 三部作でいちばん好き。
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これまでの2作では置換可能だった双子が今作ではそうではなくなる。その名前の綴りや身体的特徴が明らかに違うからだ。「ぼくら」の大きな武器となる同一性がなくなってしまった。 しかしその同一性という隠れ蓑が取り払われて事実が明らかになるかといえばそうともいえない。今作のタイトルは「第...
これまでの2作では置換可能だった双子が今作ではそうではなくなる。その名前の綴りや身体的特徴が明らかに違うからだ。「ぼくら」の大きな武器となる同一性がなくなってしまった。 しかしその同一性という隠れ蓑が取り払われて事実が明らかになるかといえばそうともいえない。今作のタイトルは「第三の嘘」、結局これもまた嘘かもしれない。「悪童日記」以降ぼやけてしまった世界はそのままだ。 いやぁ感想というよりレポートが書けそうな作品です。
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結局こういうまとめかたなのか~と、物語の内容より構造に意識がいってしまいました。 鈴木光司のリング→らせん→ループに通じるものを感じました。 好きな人は好きなんでしょうが、わたしはあんまり。 悪童日記があんまり素晴らしかったので霞んでしまった上、あれは創作なのか…というほんのり...
結局こういうまとめかたなのか~と、物語の内容より構造に意識がいってしまいました。 鈴木光司のリング→らせん→ループに通じるものを感じました。 好きな人は好きなんでしょうが、わたしはあんまり。 悪童日記があんまり素晴らしかったので霞んでしまった上、あれは創作なのか…というほんのりしょんぼり感。 10.06.01
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読んでいる最中、感想を言葉に置き換えられない。 リュカとクラウス、二人とその家族におこったことについて「あのこと」以外に充てる言葉がないように、ある誰かの人生を安易に述べることなんてできないと感じる程の、施すすべのないやるせなさの迫真性。 アゴタの自伝的要素が強いのがこの第三部と...
読んでいる最中、感想を言葉に置き換えられない。 リュカとクラウス、二人とその家族におこったことについて「あのこと」以外に充てる言葉がないように、ある誰かの人生を安易に述べることなんてできないと感じる程の、施すすべのないやるせなさの迫真性。 アゴタの自伝的要素が強いのがこの第三部ということ、当然と言えば当然かもしれない。 また再読したい三部作。
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読みたい 内容(「BOOK」データベースより) ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。 Le troisieme mensonge b...
読みたい 内容(「BOOK」データベースより) ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結。 Le troisieme mensonge by Agota Kristof
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