せきれい の商品レビュー
三人の子どもたちが独立したあとの、夫婦二人の静かな生活をやわらかい文章でつづった作品です。 庭に咲く花に目を向けてあたらしい季節の訪れを感じたり、やってくる鳥たちに心をなごまされたり、子どもや孫からとどくあたたかな手紙や近所のひとたちとの交流のようすが紹介されたりと、特別な事件...
三人の子どもたちが独立したあとの、夫婦二人の静かな生活をやわらかい文章でつづった作品です。 庭に咲く花に目を向けてあたらしい季節の訪れを感じたり、やってくる鳥たちに心をなごまされたり、子どもや孫からとどくあたたかな手紙や近所のひとたちとの交流のようすが紹介されたりと、特別な事件が起こることもない、日々の暮らしが描写されています。また、著者と親交のあった詩人の阪田寛夫の次女が、タカラヅカ歌劇の女優の大浦みずきであることから、彼とともに宝塚を訪れたことや、やはり著者と親交のあった小沼丹の思い出なども語られています。 小説というよりもエッセイにちかい感覚で読みました。ストーリーのある作品もいいですが、本書のような作品にも、本を読むことのよろこびが感じられるように思います。
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こんなふうに季節を楽しみ、周りとの関係を持ち、感謝の心を持っていられたら人生は素敵なものになるのだろうな。 女性誌などで、しきりに「ていねいな暮らし」という言葉を見かけるけれど、こういう暮らしが丁寧な暮らしなのだろう。
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ホントに何も起こらない。「静」の達人。喜怒哀楽の「怒」がない。「怒」がない代わりにドレミがある(笑)
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著者夫婦の晩年を綴った『せきれい』は ご近所や友人、独立して家を出たお子さんたち家族との会話 庭に訪れる小鳥の様子、美味しいもの、綺麗な花、優しい音楽 穏やかで丁寧な暮らしが綴られています 「丁寧な暮らし」という言葉を、よく見かけますけど さて、どういうことなんだろう 道具や衣類...
著者夫婦の晩年を綴った『せきれい』は ご近所や友人、独立して家を出たお子さんたち家族との会話 庭に訪れる小鳥の様子、美味しいもの、綺麗な花、優しい音楽 穏やかで丁寧な暮らしが綴られています 「丁寧な暮らし」という言葉を、よく見かけますけど さて、どういうことなんだろう 道具や衣類や食材を大切に使うとか、季節の移ろいをじっくり味わうとか そんなことを思いつきますが、『せきれい』の中に感じるのは 人と人との間にある、空気や言葉や気遣いや 今の私には気付かない何かが、その他にもきっとあると思います 人との関係が、とても「丁寧」 それが「暮らし」の基盤になってると思うのです 煩わしさを感じさせず、とってもいい感じで 人間関係なんて、素っ気ない言葉とは、ちょっと違うのです 元は、夫に、心が穏やかになる本を知らない? と聞いて、貸してくれたのが『せきれい』 以来、『せきれい』の文庫本は、通院に伴う待ち時間や 人と会う約束の時刻を待つ間に読むために 本棚でなく、いつも手帳やお財布と一緒にバッグに入っているか そうでなければ、台所の小引出しに入ってました 夫が『ディヴィッド=コパフィールド』を読むきっかけになったのも『せきれい』 庭のメジロを見つけた時も、まるで『せきれい』みたいと嬉しく思いました コーラスの伴奏のピアノ練習も『せきれい』の奥様の気分 おこがましいのは百も承知ですが ブログを書きたいというきっかけになったのも『せきれい』 気づかずに通り過ぎても、生活に支障はないし 他人から見たら、つまらない出来事に過ぎない小さな喜びにも 気付いていきたいなぁ、と思ったのが『せきれい』 今は、まだ小さくて騒々しくて、まとわりつく子たちも いつか大きくなって、ちっとも家に居ない時がくるだろうけど その時、寂しいと思わずに『せきれい』のように過ごせたらいいなぁ 20年後の夢をあたえてくださった、著者の庄野潤三さんは 先月21日、88歳で静かに息を引き取られたそうです 『せきれい』を感謝するとともに、ご冥福をお祈りします
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2006年 4月ごろから、6月現在 おじいさんとおばあさんのご夫婦の日常が、丁寧に綴られたエッセイである。読んでいると、とても、きれいな気持ちになる。一つ一つのお話が短い文章で記されているのだが、どの場面も、目の前...
2006年 4月ごろから、6月現在 おじいさんとおばあさんのご夫婦の日常が、丁寧に綴られたエッセイである。読んでいると、とても、きれいな気持ちになる。一つ一つのお話が短い文章で記されているのだが、どの場面も、目の前にふくらませてみると、決まっておじいさんとおばあさんのお顔にはきれいな皺がある。今も読んでいる途中だ。どうも、この本はとても好きなのに、読み進みにくいようである。読んでいると、何故かもどかしいような、たまらない気持ちになってしまうのだ。
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第3回: 庄野潤三 『せきれい』・『貝がらと海の音』 http://ameblo.jp/pippu-t-takenoki/entry-10002434168.html
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