価格破壊 の商品レビュー
時代の流れと商品価格…
時代の流れと商品価格に関係する流通がどのようにして変化したのかを知る貴重な本であると思う。経済を学ぶために、歴史を知ることの重要性がわかるすばらしい本だと感じた。
文庫OFF
消費者の目から見ると…
消費者の目から見ると、価格は安ければ良いというものではない。同じ物は安い方が良いけれども、違うものは高くても良いからである。高度経済成長期の消費行動は前者を中心にして回っていたから、価格破壊(創造的破壊)は有効な戦略たり得た。しかし、バブルの崩壊を境にして、消費者の関心は後者に移...
消費者の目から見ると、価格は安ければ良いというものではない。同じ物は安い方が良いけれども、違うものは高くても良いからである。高度経済成長期の消費行動は前者を中心にして回っていたから、価格破壊(創造的破壊)は有効な戦略たり得た。しかし、バブルの崩壊を境にして、消費者の関心は後者に移行しつつある。こうした中で、価格破壊を追いつづければどうなるか。本書の読了後には、佐野眞一著『カリスマ』を勧めたい。本書の理解がさらに深まるはずである。
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ダイエーの創業者、中内功をモデルにした小売業で革新的な流れを作り出した男の物語。若いころの戦争体験から常に前に前に、を押し出す主人公に嫌悪感を抱くかどうかは読み手次第化と思う。お客様第一主義を打ち出し、今のスーパーの流れを作った彼の功績は大きい。だが、何物も犠牲にしながら進んでい...
ダイエーの創業者、中内功をモデルにした小売業で革新的な流れを作り出した男の物語。若いころの戦争体験から常に前に前に、を押し出す主人公に嫌悪感を抱くかどうかは読み手次第化と思う。お客様第一主義を打ち出し、今のスーパーの流れを作った彼の功績は大きい。だが、何物も犠牲にしながら進んでいく様子は破滅的ととられてもしょうがない気もする。が、しかしそこは商売だからこその才覚を持ち合わせている場面もチラホラある。個人的に好きなシーンは勝たなければ本物になれない、というシーン。本物になりたい。
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城山三郎『価格破壊』角川文庫 読了。日本の流通機構に革命をもたらしたダイエー創業者 中内功がモデルの経済小説。大衆に寄り添う徹底した企業理念のもと、再販制度にまみれた暗黒大陸に明かりを灯す。あくなき創造的価格破壊によって大手に立ち向かう姿は痛快。凋落を描く幻の続編を想像してみたい...
城山三郎『価格破壊』角川文庫 読了。日本の流通機構に革命をもたらしたダイエー創業者 中内功がモデルの経済小説。大衆に寄り添う徹底した企業理念のもと、再販制度にまみれた暗黒大陸に明かりを灯す。あくなき創造的価格破壊によって大手に立ち向かう姿は痛快。凋落を描く幻の続編を想像してみたい。
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戦後のエコノミックアニマルを活写した、ある意味ロビンソンクルーソーのような行動小説。商売繁盛の為の徹底したハングリー精神の出発点は戦場での臨死体験にあるというのがいかにも戦後というべきか。死にそうな思いをした人は強い。 主人公は信念に突き進んで行く行動の塊で、葛藤らしい葛藤も無い...
戦後のエコノミックアニマルを活写した、ある意味ロビンソンクルーソーのような行動小説。商売繁盛の為の徹底したハングリー精神の出発点は戦場での臨死体験にあるというのがいかにも戦後というべきか。死にそうな思いをした人は強い。 主人公は信念に突き進んで行く行動の塊で、葛藤らしい葛藤も無いのに対比して、妻や部下など彼を取り巻く人物の揺れ動く内面描写は、丁寧に描かれている。この辺りがさすがというものか。
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流通業界のカリスマ中内功さんをモデルにした小説です。メーカーとのし烈な闘いは読む人をは引き込みます。私も流通業界で働く事を夢みてダ⚪エーの入社試験を受けましたか見事にご縁がありませんでした(笑)
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一度死んだ男は強い。”戦中派”という言葉がすでに死後になりつつある現在、こういう男たちが日本の戦後を支えたのだと、感じさせられる。
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横並びの価格が当たり前だった時代に不断の努力で低価格を武器に挑戦する戦争帰りの男のビジネス小説。 時代設定が相当古いので、現在にそのまま通用するような戦略はあまり無いが、過去にこうした時代があったことを知ることができる。 やむを得ないと思うが、どうしてもビジネス小説は内容が薄...
横並びの価格が当たり前だった時代に不断の努力で低価格を武器に挑戦する戦争帰りの男のビジネス小説。 時代設定が相当古いので、現在にそのまま通用するような戦略はあまり無いが、過去にこうした時代があったことを知ることができる。 やむを得ないと思うが、どうしてもビジネス小説は内容が薄く感じてしまうのが残念。
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主人公が薬をはじめとした価格破壊に挑戦する話。やはりビジネス小説が好き。面白かった。昭和44年の掲載。
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城山三郎は明言していないが、主人公のモデルはダイエーの創業者中内功であることが、本書から読み取れる。フィクションではあるが、スーパー「アロー」とメーカーとのせめぎ合いが妙に生々しい。できる限り商品を安く提供することで消費者からの支持を得、事業を大きくしたいスーパーと、取引のルール...
城山三郎は明言していないが、主人公のモデルはダイエーの創業者中内功であることが、本書から読み取れる。フィクションではあるが、スーパー「アロー」とメーカーとのせめぎ合いが妙に生々しい。できる限り商品を安く提供することで消費者からの支持を得、事業を大きくしたいスーパーと、取引のルールと価格を守り、ひいてはブランド・イメージを維持したいメーカー。双方の立場ともに理解できる。しかし、本書で描かれていることは、流通革命という、日本の流通史・商業史上もっとも重要な出来事の1つである。流通業を志す者、流通分野での研究を目指す者にとって、必読の本である。
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