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ブラッカムの爆撃機 の商品レビュー

4.3

47件のお客様レビュー

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2024/08/17

112冊目『ブラッカムの爆撃機 チャス・マッギルの幽霊 ぼくを作ったもの』(ロバート・ウェストール 作、宮崎駿 編、金原瑞人 訳、2006年10月、岩波書店) 80年代に発表された中編/短編/エッセイの計3本、そして宮崎駿による読者の手引き兼作者へのラブレター的な漫画「タインマス...

112冊目『ブラッカムの爆撃機 チャス・マッギルの幽霊 ぼくを作ったもの』(ロバート・ウェストール 作、宮崎駿 編、金原瑞人 訳、2006年10月、岩波書店) 80年代に発表された中編/短編/エッセイの計3本、そして宮崎駿による読者の手引き兼作者へのラブレター的な漫画「タインマスへの旅」が収録。 「ブラッカムの爆撃機」は本当に見事な一篇で、宮崎駿が好むのもわかる。 〈ウェストールさん あなたの作品には このムゴイ世界と 戦いつづける 勇気と 失われた ものへの 愛惜に みちて います すてき です〉

Posted byブクログ

2024/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ブラッカムの爆撃機 チャス・マッギルの幽霊 ぼくを作ったもの 「ブラッカムの爆撃機」は第2次世界大戦の際にイギリス空軍が行ったドイツ爆撃にまつわる怖い話。「チャス・マッギルの幽霊」は、古い洋館で遭遇した第1次世界大戦の時の脱走兵の幽霊の話。「ぼくを作ったもの」は大嫌いだった祖父と心を通わせることで、自分は連綿と祖先と繋がっているんだなということを気付いていく話。 この三話の前後に、宮崎駿がウェストールを訪ねる架空の漫画「タインマスへの旅」が配置されています。 空軍といえば陸海空の中で最も華々しいイメージがありますが、この小説の中では全く悲惨な状況が語られます。被弾したら直ぐに燃えてしまうような布張り爆撃機に乗り込んで、嘔吐物や便器の臭いに耐えながら、相手の表情がわかるくらいの高度で爆弾を落として、それによっていろいろな物が燃える臭いを嗅ぐ。凍り付くような寒さの中で冷や汗をかく体験が迫って来ます。また、第1次世界大戦の時の塹壕線に関しても、死体が引っかかった鉄条網の下に掘った塹壕の中をネズミのようにうろうろする様子や、足が壊疽を起こしてしまうようなどろどろの泥濘の様子が語られます。 でも、そういった描写は適度なユーモアにくるまれて、生真面目なばかりの話ではなく、ちょっとわくわくする少年向けの冒険談としてうまく書かれています。 中学生向けと言わずに、大人にも是非ご一読頂きたい内容です。 竹蔵

Posted byブクログ

2024/08/17

 怖くて不思議な体験、だけど決して非現実的とは言えない魅力、むしろどちらが現実なのか。  掲載3作とも「時」を感じました。15分や1分が永遠やスローモーションの様に濃密に感じたり、逆に20年が一瞬であったり。記憶の中や時空を臨場感たっぷりに書かれた味わい深い作品達です。  巻末の...

 怖くて不思議な体験、だけど決して非現実的とは言えない魅力、むしろどちらが現実なのか。  掲載3作とも「時」を感じました。15分や1分が永遠やスローモーションの様に濃密に感じたり、逆に20年が一瞬であったり。記憶の中や時空を臨場感たっぷりに書かれた味わい深い作品達です。  巻末の、作者の「生い立ち」はとても良いです。歴史的なことも真実を伝えるんだ、だけど子ども向けに書くんだ、という作者の強い意志を感じます。

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2023/03/02

宮崎駿さんの絵から始まり、絵で終わる! 最高の1冊でした。 戦争、飛行機…と内容的にも難しいかな…と思っていたのですが!さすが金原瑞人さんです!読みやすい!の一言につきます。 私も読みながら恐怖を体験してしまいました… みんなが乗りたがらない飛行機。機内でいったい何が起きているの...

宮崎駿さんの絵から始まり、絵で終わる! 最高の1冊でした。 戦争、飛行機…と内容的にも難しいかな…と思っていたのですが!さすが金原瑞人さんです!読みやすい!の一言につきます。 私も読みながら恐怖を体験してしまいました… みんなが乗りたがらない飛行機。機内でいったい何が起きているのか… これはちょっとしたホラーだと思います。 難しい描写も、宮崎駿さんの絵で、「なるほど〜」 とまた理解が深まります!

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2022/07/30

ジブリ美術館に行くとだいたい買ってしまう宮崎駿さんイラスト入りの本。 誰が書いたどんな本かは二の次で駿さんのイラストを隅から隅まで思う存分眺めたい、という為だけに買う 笑。 結果、いつも物語自体も面白いんですよねー。 さすが駿。 私、コレ怖い話だって全く思ってなかったらビック...

ジブリ美術館に行くとだいたい買ってしまう宮崎駿さんイラスト入りの本。 誰が書いたどんな本かは二の次で駿さんのイラストを隅から隅まで思う存分眺めたい、という為だけに買う 笑。 結果、いつも物語自体も面白いんですよねー。 さすが駿。 私、コレ怖い話だって全く思ってなかったらビックリした。でも、幽霊的なもの登場させて読む人を怖がらせようとか、今日の夜トイレ行くの怖くなっちゃうでしょー!って感じのホラーではなく、後味が良いホラーといいますか…。 「ブラッカムの爆撃機」も「チャス・マッギルの幽霊」も主人公の男の子が素直で単純で純粋で良いヤツ。若さゆえの無鉄砲さもあって可愛い。だからか、何故か読後感は爽やか。笑。 「ぼくを作ったもの」も良い。 全部良作でした。

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2020/05/09

ジョージ、いつもの二杯 チャス・マッギルの幽霊が好き どれもウェストールの反戦的な強い思いがあらわれた作品だった。 描写も細かく、すばらしい。

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2020/01/29

http://www.jidai-denki.com/2020/01/post-4acfcc.html http://www.jidai-denki.com/2020/01/post-17e2b9.html

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2019/07/21

宮崎駿の絵が本当に素晴らしい 彼が何か共鳴する作家らしいが初めて読んだ。 戦争の話、どこか身近で、結構怖い、昔のようで、今につながっていて、悲しくて、怖くて、切ない、今までにない戦争の話だった。 このあとどうなるのかとドキドキさせられる。 読みやすい、面白い本だった。 とこ...

宮崎駿の絵が本当に素晴らしい 彼が何か共鳴する作家らしいが初めて読んだ。 戦争の話、どこか身近で、結構怖い、昔のようで、今につながっていて、悲しくて、怖くて、切ない、今までにない戦争の話だった。 このあとどうなるのかとドキドキさせられる。 読みやすい、面白い本だった。 ところで、この「場所」って、あの「場所」かな。

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2019/03/02

児童書だけど、ブラッカムの爆撃機はちょっと難解な気がするのは、親しみやすさみたいなものがないからかもしれない。 短編2編の方が楽しめた。 チャス・マッギルの幽霊は未来改変もので、SF好きとして楽しめた。小さい子の冒険は見ていて面白かった。 ぼくを作ったものは、おじいさんとの語らい...

児童書だけど、ブラッカムの爆撃機はちょっと難解な気がするのは、親しみやすさみたいなものがないからかもしれない。 短編2編の方が楽しめた。 チャス・マッギルの幽霊は未来改変もので、SF好きとして楽しめた。小さい子の冒険は見ていて面白かった。 ぼくを作ったものは、おじいさんとの語らいであらゆるものに物語があって、それが今につながっているのだという描写がとても素敵だった。

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2019/02/25

リアルな戦争を描きながら内容はホラーというか、不思議な出来事が起こるイギリスの児童小説。 第二次大戦中のイギリスが舞台の中編2つと自伝的短編で構成。 戦争を否定する書き方ではないが、不思議な体験を通じて描くことで、その理不尽さを訴えかけてきている気がする。 ウェストール好きと...

リアルな戦争を描きながら内容はホラーというか、不思議な出来事が起こるイギリスの児童小説。 第二次大戦中のイギリスが舞台の中編2つと自伝的短編で構成。 戦争を否定する書き方ではないが、不思議な体験を通じて描くことで、その理不尽さを訴えかけてきている気がする。 ウェストール好きという宮崎駿が、巻頭と巻末に物語の舞台となるイギリスの街を訪ねて緻密に解説する漫画を描いており、本文と合わせて大変面白い構成になっている。

Posted byブクログ