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排除型社会 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2017/08/26

図書館本】今日が返却日。ページ数がとても多く、読み切れる量でなく、パラパラ読みした。ギデンズやゴッフマン、バーガーを引用され、知っている人の名前が出てきて、少しうれしくなりました。「存在論的不安」と「物質的不安定」で蔓延する後期近代社会である今、包摂的→排除的に移行したとの見解。...

図書館本】今日が返却日。ページ数がとても多く、読み切れる量でなく、パラパラ読みした。ギデンズやゴッフマン、バーガーを引用され、知っている人の名前が出てきて、少しうれしくなりました。「存在論的不安」と「物質的不安定」で蔓延する後期近代社会である今、包摂的→排除的に移行したとの見解。多様性とか差異という言葉をよく聞くけど、それがお互いを認めるというより、それぞれの世界が別個独立して、相互交流がないということなのかな。なんか、最近、まぜる教育という言葉を聞いたけど、これもその排除的を乗り越えようとする政策?⁈

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2013/02/09

ポストモダニズムの何たるかという感じの本.日本にそのまま当てはめられないので自分なりに考えながら読まないといけない

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2012/07/22

表紙がかっこ良くて買ったけど、分厚すぎてなかなか読めず   排除型社会とはいわゆる潔癖性な社会。 24時間テレビにて、身障者は映るけれど精神疾患の人は映らない的なことで、駅にたむろしているホームレスから思わず目をそむけてしまう的な、感情を不愉快にさせるものは目に入らないように、社...

表紙がかっこ良くて買ったけど、分厚すぎてなかなか読めず   排除型社会とはいわゆる潔癖性な社会。 24時間テレビにて、身障者は映るけれど精神疾患の人は映らない的なことで、駅にたむろしているホームレスから思わず目をそむけてしまう的な、感情を不愉快にさせるものは目に入らないように、社会という枠から排除してしまうという社会。 3×3 EYESの三只眼吽迦羅を思い出したり、小人プロレスとかをふと思い出した。

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2010/10/31

イギリス人の著者が、犯罪学と社会学的観点から、欧米における後期近代社会の変容と、そこから派生した現代の抱える問題点と今後のあるべき姿を論じた1冊。格差社会論としても読みごたえがある。 ヤングは後期近代社会の変容時期を1960年代に見出し、それ以前を「包摂型社会」、それ以後現在ま...

イギリス人の著者が、犯罪学と社会学的観点から、欧米における後期近代社会の変容と、そこから派生した現代の抱える問題点と今後のあるべき姿を論じた1冊。格差社会論としても読みごたえがある。 ヤングは後期近代社会の変容時期を1960年代に見出し、それ以前を「包摂型社会」、それ以後現在までを「排除型社会」と定義し、排除型社会の特質を犯罪論と文化論の観点から論じてゆく。犯罪論の観点から、ヤングは排除される人々に対するステレオタイプ的な分類(アンダークラス・黒人等々)を、データを引用しながら客観的に批判してゆく。また、文化論の観点からは多文化主義の排除性を批判すると同時に、下位文化の変化し、融合する役割を評価している。そして社会民主主義的な立場から、能力主義(狭義のそれではなく、公正さを保障された)と多様性の受容された社会に排除型社会を超えてゆく社会のありようを提出している。 他方でイギリス人によるアメリカ社会の痛切な批評書という一面も持つ本という印象。社会の公正さの必要性については、文中の競技場の例えが的を得ていたと思うが、財産の世襲や競争の公正さが確保されていない現状に対する批判は、そのまま日本の格差社会批評に通じると思う。 総じて肯首できる内容であったが、ヤングの理想を実現できないほど社会のそして個人の多様化が進んでいる現状がある以上、本書の提言とは反対に、排除型社会を乗り越えることの困難さが却って浮き彫りにされている感がした。

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2010/09/18

現在社会の問題である「ジェントリフィケーション」や、「監視社会化」がどういった経緯で展開されていったかを知りたいなら一回は読んだほうがいいかも。以下、帯から「排除は3つの次元で進行した。1、労働市場からの排除 2、人々のあいだの社会的排除 3、犯罪予防における排除的活動」

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2009/12/12

図書館で借りた。 後期近代が包摂型社会から排除型社会へ移行したという認識で、排除型社会は経済的にも文化的にもどういうものか、ということを分析している。 犯罪についての話題が多かった。 相対的な剥奪感(自分とあいつは同じくらいの能力なのに何故こんなにも報酬が異なるんだ、能力主義...

図書館で借りた。 後期近代が包摂型社会から排除型社会へ移行したという認識で、排除型社会は経済的にも文化的にもどういうものか、ということを分析している。 犯罪についての話題が多かった。 相対的な剥奪感(自分とあいつは同じくらいの能力なのに何故こんなにも報酬が異なるんだ、能力主義のはずなのに) 存在論的な不安感(価値観がたくさんあり、物事が相対化されているので、正しさを確信できない) を中心に据えて議論をしている。 包摂型社会は差異を認めず、困難を認めるが 排除型社会は差異を認め、困難を認めない、というのが面白い。 差異を認めないから同一化するための困難を厭わない、ということと差異を認めてしまうから生じる困難(利害関係など)の調整を嫌がること、どちらがいいのかは確かに悩みどころかも知れないと思った。

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2009/10/07

 後期近代つまり“今”の社会で進行している様々な排除について解説されるが、「こんな社会に誰がした」という疑問へのひとつの回答でもある。ただし「誰が」という答ではなく、どういう経緯でこうなったか、どうすれば状況が改善できるかという答を示そうとしている。  本書における重要なキーワ...

 後期近代つまり“今”の社会で進行している様々な排除について解説されるが、「こんな社会に誰がした」という疑問へのひとつの回答でもある。ただし「誰が」という答ではなく、どういう経緯でこうなったか、どうすれば状況が改善できるかという答を示そうとしている。  本書における重要なキーワードは「相対的剥奪感」と「保険統計主義」だ。  相対的剥奪感は格差意識とも言い換えられるだろう。人々が不満を抱き犯罪への誘惑にかられる原因は絶対的な貧困ではなく、本来自分と同じ程度の果実を得るはずの他人が自分より多くを得ている姿を目の当たりにすることだという。グローバル化や情報化がこの現象に拍車をかけている。  保険統計主義は犯罪対策の意味を書き換える。かつてそれは正義に反する行為を取り締まることだったが、保険統計主義においてはリスクを最小化することが目的になっている。その結果、犯罪の定義すらも変化している。  排除とは「誰かを悪者にして責任を押し付けて追い出すこと」であり、「他者を悪魔化する過程」である。ここで多元主義や多様性が語られるが、基本的に今の社会が不寛容になっている理由もそこにある。  本書は米国社会について考察し、欧州や日本は比較対象としてのみ触れられている。しかし日本もまた同様な問題を抱えているし、これからますます顕著になっていくことは間違いないだろう。  ここからは私の感想。昔から、インテリやエリートより底辺の人々の方が保守的でナショナリズムや伝統文化への信奉度が高いことが不思議だったが、本書はなぜそうなるかが説明されており、長年の疑問が氷解した感がある。  論じられている主張はそれなりに共感できるし納得もできるが、他の研究者による主張の引用が非常に多く、論理展開としてわかりにくい。著者自身の主張と理由だけをもっとシンプルにまとめられないものだろうか。あの人はこう言ってる、この人はこう言ってるといった部分はいわば研究史であり、主張を裏付ける証拠にはならないだろう。  もっとも、社会学や犯罪学は対象の定量化が困難なので、理系の論文のような構成を取ることは難しいのかもしれない。本書自身で述べられているが、「犯罪発生率」という数値ひとつとっても、何が犯罪かは国や時代によって変わってしまうため単純な比較はできないのだ。人文学分野で数値化になじむのは経済学くらいだろうか。  恐らく本書の主張に対しても様々な反論が可能であり、実際に反論も出てくるだろう。だが我々が実際に選択できる道は一度にひとつしかない。それは政治の選択となるが、今の日本には本書の主張に沿うような政治勢力があるだろうか? 残念ながら思い浮かばない。

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2009/10/04

昔は包摂、いまは排除。 変な人でも教育し直してまっとうなみちに引き寄せようとするのが包摂。変なひとがいたら近づかないようにしたり、どっかに隔離したりしていかに危険を回避しようか保険を考えるのが排除。 不良少年が「初めて叱られて嬉しかった」って改悛するのはこういうこと??

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2009/10/04

同じくゼミ合宿用の文献。 「東京の果てに」より読みやすかった。しかし分厚い!なんといっても量が半端ない!排除型社会というテーマのもとあらゆる角度から社会を切り取っていますが、いかんせん話が広がる広がる!その都度なるほど!と納得しても全体を読み終えると…?わからなくなる(笑)おいら...

同じくゼミ合宿用の文献。 「東京の果てに」より読みやすかった。しかし分厚い!なんといっても量が半端ない!排除型社会というテーマのもとあらゆる角度から社会を切り取っていますが、いかんせん話が広がる広がる!その都度なるほど!と納得しても全体を読み終えると…?わからなくなる(笑)おいらの盆暗具合ではちょっと「木を見て森を見ず」状態になってしまった(^ω^;)(;^ω^)笑

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2009/10/04

いろいろ話を聞いていた本に丁度であって読み始めて見たら、いわゆる本質主義的説明について1章割いてあるじゃないの!これがまたわかり易くて。階層論で論じるのが難しくなってきた今の社会の困難についての、たぶんこの本は定番の説明ということになるのだろう。

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