1,800円以上の注文で送料無料

言語楽さんぽ の商品レビュー

3

1件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    0

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2009/10/07

 明治書院の『日本語学』に連載されていたことばをめぐる軽妙なエッセイが100回を越えたのを機に本となったもの。筆者は新方言を提唱した異色な方言学者で、ドイツでの講義をもとにまとめた近作『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)があるように国際的にも有名な学者だ。氏は『日本語の値段』...

 明治書院の『日本語学』に連載されていたことばをめぐる軽妙なエッセイが100回を越えたのを機に本となったもの。筆者は新方言を提唱した異色な方言学者で、ドイツでの講義をもとにまとめた近作『変わる方言 動く標準語』(ちくま新書)があるように国際的にも有名な学者だ。氏は『日本語の値段』や『日本語ウオッチング』などの著があるように社会言語学者でもある。専門の方言学の専門書はなかなか歯が立たないが、一般向きのものはどれも論理が明晰で、文章に勢いがあって好きだ。本書に収められたエッセイでは、国際会議に出席した際の各国学者との交流、その国での多言語状況、日本語の位置などがとりあげられ、どこから読んでも楽しい。それにしても井上さんという人は東北人にもかかわらず、おちゃめで人を笑わせようというサービス精神があり、まるで大阪のおっちゃんを彷彿させる。

Posted byブクログ