忌憶 の商品レビュー
「奇憶」「器憶」「キ憶(キは土遍に危)」の3作品を収録。 連作短編小説と銘打ってますが、繋がりはほとんどないのでどこからでも読めます。以下、それぞれの感想↓ 『奇憶』 直人のダメ人間描写っぷりが素晴しい。こんな風になる前にちゃんとしよう、と決意させてくれる。 平行世界についての...
「奇憶」「器憶」「キ憶(キは土遍に危)」の3作品を収録。 連作短編小説と銘打ってますが、繋がりはほとんどないのでどこからでも読めます。以下、それぞれの感想↓ 『奇憶』 直人のダメ人間描写っぷりが素晴しい。こんな風になる前にちゃんとしよう、と決意させてくれる。 平行世界についての説明が詳しくなされている事により、ただの不思議で怖い体験ではなくなり、論理立てられたこの世の真理として誰もが巻き込まれる可能性のある怖さ、となっている。 「ショゴス」「シュレディンガーの猫」「ブラックホール」などの単語に反応できる人は読むと良いと思う。 『器憶』 「腹話術師」と「腹話術人形」の話。 とくればある程度予想は付くわけで、いわばそれをどう魅せるか、というのが作者の力量となる。 で、小林泰三である。 その一。 発音についてやたら詳しく解説してみせる。マニアックな感じで面白い。 その二。 意識をコンピュータのプロセスに例えて論理的に説明してみせる。なんか思わず納得されかける。 その三。 なんだか妙なところで頭の良い主人公が逆転劇をしようとする。ハラハラ。 その四。 最後はさらっとブラック。このさらっと具合が素晴しい。 というわけで、とても面白い。 『キ憶』 初読時は「え、これで終わり?」と思ったが、読み返すと底が抜けるような恐怖がある。 そもそも、主人公の状態を考えると謎が解決されたところで意味がないのだ。ただの繰り返しである。 後味は一番悪い。
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小林泰三さんにしては難しくなかったです。 すらすらーと読めてアッという間でした。 三編の短編。 個人的には「奇憶」が一番好きです。
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小林泰三の最新単行本です。三編の短編からなる単行本です。 奇妙な記憶に悩まされる男の物語『奇憶』 腹話術の人形を購入した男の物語『器憶』 前向性健忘症に罹患した男の物語『キ憶』 この三編はいずれも人間の記憶に焦点を当てた物語で、いずれも奇怪な味が印象的な作品です。三編に...
小林泰三の最新単行本です。三編の短編からなる単行本です。 奇妙な記憶に悩まされる男の物語『奇憶』 腹話術の人形を購入した男の物語『器憶』 前向性健忘症に罹患した男の物語『キ憶』 この三編はいずれも人間の記憶に焦点を当てた物語で、いずれも奇怪な味が印象的な作品です。三編には登場人物のつながりという意味で、関連性はありますが、それが何か一つの大きな流れとなっている訳ではないですね。 今作でもクトゥルフ関連の単語が出てきます。『ショゴス』ですね^^
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収録されています奇憶は既に他者出版の本で読了していたのですが、今回はその奇憶に纏わる人たちのサイドストーリ的な連作集でした。 相変わらず作品にちりばめられた理性と邪神との絡みがやめられません。 今回は二話目の器憶がクリティカルヒット。 やっぱり、小林泰三、大好きですv
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