心が芽ばえるとき の商品レビュー
(2006/12/20) 明和先生は京大の霊長類研で研究されているようです. 諸般の事情で,昨日いただきましたので,勢いで読みました. 本書では一貫して,人間の赤ん坊でよく言われる,新生児模倣だとか,選択的な視覚注意だとかを,近縁種でも実験するという,なかなか骨の折れる,レア...
(2006/12/20) 明和先生は京大の霊長類研で研究されているようです. 諸般の事情で,昨日いただきましたので,勢いで読みました. 本書では一貫して,人間の赤ん坊でよく言われる,新生児模倣だとか,選択的な視覚注意だとかを,近縁種でも実験するという,なかなか骨の折れる,レアな実験にについて書かれていました. もちろん認知実験ですので言える事には限界があるのですが,人間の知能を考えようと思っても,比較事例を持つことが非常に難しいですので,本書で書かれているような結果は大変示唆に富むものに思えました. 種の遍歴による学習,つまり進化という項と,個体による発生,さらに学習という次元の異なる適応プロセスを並べたときに,どこまで「進化で獲得した」っていってしまって良いのか?というのは知能に対する生物学的というか,進化論的な視座からの解釈が行われるたびに難しく思うのです.しかたないんですけど. 幼児期の発達学習についてはここ2年ちょっとはほとんど読んでいなかったので,復習にもなりましたし不勉強な点も戒められた感じです. <共同注意>についてはどうしてもindexicalな記号の創発と切れない面があるので,捨てずに考えとかなきゃいかんなあ.STSって脳の部位が関わっているってのもあるし.うーん.記号現象と関わってる脳機能は押えておきたいな・・・. 何処まで発生で,何処から学習・・・・・・ 鏡像と模倣の関係なども重要ですね. 文化を伝播させるのは模倣学習ですから. ラカンの鏡像段階などとも,関連を見つけたい.
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