納豆の大ドンブリ の商品レビュー
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小3の息子は自分からは全然本を読まないので、適当に図書館の棚から抜き出して借りてきた本を読ませている。 本当は自分も一緒に読んで、感想を言い合えるのが良いとわかっちゃいるのだが、最近は投げつけるだけ投げつけて終わってしまっている点、反省の日々。 そんな中、たまたまタイトル『納豆の大ドンブリ』だけ見て気になって抜き出した本書だったが、ぺらぺらめくってみると、あれ!? 短歌だ。 しかも穂村さん編だ。 これ、前にレビューで見たやつだ。 借りよう。 めくってびっくり短歌絵本シリーズの第5巻にあたる本書。 サブタイトルは「家族の短歌」。 お椀にひしめく鬼(?)達、ぼーっとみると納豆ごはんのようにも見えるシュールな絵面が表紙でインパクト大。 一首一首に添えられた、解説的なコメントと象徴的な絵。 それぞれのページで見開きになっていて、最初は折られたページにより絵の一部しか見えないようになっているのだけれど、ページを開いたときに現れる絵の全貌とコメントにより世界がふぁ~と開ける感じがすごくいい。 折られた状態で見えている絵の一部に、その全体への予兆が滲み出ている感じがみそ。 このシリーズ、全部こんな感じで作ってるのかな。 描かれる人物達がなぜ鬼?。 絵をご担当されている寺門さんの世界観なのかなぁと思ったけれど、そうでもなさそう。 まぁ、鬼にも家族の形はあるだろうし、描かれている場面も何となく鬼の世界であっても馴染んでいるので不思議。 ただ、子どもと読むにはなかなかに難しい。 うーん。 大人が読むには興味深い作品。 1~4も置いてあるかなー。 ○「母さんのふとんも敷け」とおさなごは声しぐれたり妻の居ぬ夜に(吉川宏志) ○「やさしい鮫」と「こわい鮫」とに区別して子の言うやさしい鮫とはイルカ(村松正直) ○目薬をこわがる妹のためにプラネタリウムに放て鳥たち(穂村弘) ○春ものの衣類をたたむわたくしの頭上はるかを母がまたいだ(早坂類)
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めくってびっくり短歌絵本5 家族の短歌 寺門孝之絵 穂村弘編 登場人物がなぜか一つ角の鬼 笑顔なのに遠い目をしていて何とも言えない哀愁が漂っている では、がんばりましょうねえとおばあちゃんが手を挙げておりていった夕焼け(飯田有子) 夕焼けの赤がほんのり優しい おばあちゃんが私の手を握って、若い人は手が温かくて気持ちいいねえと言ってくれたことを思い出した 目薬をこわがる妹のためにプロネタリウムに放て鳥たち(穂村弘) 目を開けてられるように、星だよ、鳥だよって優しい声かけ 自身の歌をまさか選んじゃってました 早坂類の歌がとてもよかった 他の歌も探してみよう 私の家族の歌 つるつるとすべすべはどう違うのか小春日和に姪と頬ずり 旧盆は帰省しないと父へ告げうなずく声に一呼吸つく
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「やさしい鮫」と「こわい鮫」とに区別して 子の言うやさしい鮫とはイルカ なんて事ない親子の会話なのに、 不思議に安らかな歌として聞き入ってしまう。 家族の間で交わされる会話は ホントに何気ないものだけど、 ふふ、と顔がほころんだ瞬間の言葉を摘み取るか、見逃してしまう...
「やさしい鮫」と「こわい鮫」とに区別して 子の言うやさしい鮫とはイルカ なんて事ない親子の会話なのに、 不思議に安らかな歌として聞き入ってしまう。 家族の間で交わされる会話は ホントに何気ないものだけど、 ふふ、と顔がほころんだ瞬間の言葉を摘み取るか、見逃してしまうか。 上手く摘み取れば、こんなにあたたかな花が咲く。
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家族と言えば2つあります。1つは子どもの親としての家族。そして親や兄弟との家族。この本は後者、親や兄弟を思い出させます。そして、その家族のことを想うとき自分はふっと小さな子どもに戻っています。10歳くらいの少年に。取り返しのつかない切ない感じは何だろう。田舎の両親は今頃どうしてる...
家族と言えば2つあります。1つは子どもの親としての家族。そして親や兄弟との家族。この本は後者、親や兄弟を思い出させます。そして、その家族のことを想うとき自分はふっと小さな子どもに戻っています。10歳くらいの少年に。取り返しのつかない切ない感じは何だろう。田舎の両親は今頃どうしてるんかな。
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次のページをめくるのがわくわくする。 母を詠んだ歌が多い? 短歌に添えられたことばは ある種の解説であり、詩。 短歌の世界をぐぐっと広げていて素敵。 そのなかでも 穂村さん自身のページが いちばん自然な流れだなぁ 短歌はもちろん、 とにかく絵が秀逸!かつ、反則!
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鬼の家族がそれぞれの短歌を詠んでいました。 時代もテンションも統一されている本では無いのですが、家族への想いはどれも同じです。 短歌っていうとなんかとっつきにくくて、まして与謝野晶子とか北原白秋なんて出てきた日には、その本バイバイしなきゃとか思ったりしますが、この絵本は安心して読...
鬼の家族がそれぞれの短歌を詠んでいました。 時代もテンションも統一されている本では無いのですが、家族への想いはどれも同じです。 短歌っていうとなんかとっつきにくくて、まして与謝野晶子とか北原白秋なんて出てきた日には、その本バイバイしなきゃとか思ったりしますが、この絵本は安心して読むことが出来ます。何故なら穂村さんの解説が一首毎についていて、尚且つ鬼の家族が演じてくれているからです。 穂村さんの解説は難しいこと抜きに、その短歌の情景をそのまんまに表して下さっていました。そこで起きたであろう会話とか、想いとか穂村さん流に想像して。 寺門さんの描く鬼の家族も良い鬼でした。つまりは心優しい「泣いた赤鬼」ってことです。赤鬼って言いましたけど赤い肌をしていません。黄土色の肌をしていました。それだけでなく所々にカラフルな黴を生やしているのです。カラフルな黴とは心優しき象徴だと思っています。 そんなこんなのこの絵本、素敵に決まってるじゃないですか。 家族へ向けられた沢山の想いが詰まっています。 収録歌人…吉川宏志・松村正直・飯田有子・笹公人・北原白秋・坂井修一・雪舟えま・五十嵐きよみ・加藤治郎・穂村弘・木下利玄・与謝野晶子・斉藤茂吉・早坂類(収録順)
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