ぼくのキャノン の商品レビュー
キャノンに守られた沖…
キャノンに守られた沖縄の村。悲惨な戦争体験を経て村を守り続けたマカトお婆の意思を、戦争を知らない孫達が継いでいく意思を固める終盤のストーリー展開にはグイグイ引き込まれていく。脇を固める登場人物ではあるが、樹王と博志の祖父・孫の絆がすごくいい。
文庫OFF
登場人物がみんな濃すぎてまるで少年マンガを読んでいる様だった。ハニートラップに特化した女性工作員集団寿隊は、笑いを狙ってるとしか思えない。なんだよ「コトブキ♡」って。 スパダリ色男ジジイこと樹王オジイがいろいろと凄い。
Posted by
現在の秩序を作り上げた老人たちと 秩序の危機と崩壊。 そして少年少女による新秩序の再構築。 物語の骨格・構造はシャングリラに通じる要素多数。 読んでいるうちにいやおうなく巻き込まれていく物語の力は 池上永一ならでは。 面白かった。
Posted by
ハチャメチャな設定ながらも、沖縄上陸戦の阿鼻叫喚の情景と戦後の復興に尽力した人々の想いを感じられる。次の世代にその想いを紡いでいく...。戦争を知らない世代の成長記だ。 ちなみに九六式十五糎加農砲が沖縄に配備された記録はない。
Posted by
戦争の傷跡が残る村。沖縄の暑い空気が伝わってくる。 ひとつの村としてありえない設定なのに、妙にリアリティーがある。 文章が説明的で、はじめの方はそんなにおもしろいとは思わなかったんだけど、中盤からは盛り上がりを見せて一気に読んでしまった。 この村のすべての人たちを通して、明る...
戦争の傷跡が残る村。沖縄の暑い空気が伝わってくる。 ひとつの村としてありえない設定なのに、妙にリアリティーがある。 文章が説明的で、はじめの方はそんなにおもしろいとは思わなかったんだけど、中盤からは盛り上がりを見せて一気に読んでしまった。 この村のすべての人たちを通して、明るい未来への希望を見せてくれた。落ち込んだときに読みたい1冊。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
池永作品は、この本の次に出版された『シャングリ・ラ』が初めてでした。そこで池永ワールドに惹かれ、この『ぼくのキャノン』に手を伸ばしたんですが、こちらもなかなか面白かった。 両者に共通するのは、主人公である少年少女たちの成長を丁寧に描きながら、彼らの過ごす世界の背景に秘められた謎をじわじわと解き明かしていく、繊細なストーリー展開にあります。また、どちらの作品も、現実世界を舞台にしつつ、一見しただけではちょっと有り得ないような、でもひょっとしたらこういうパラレルワールドも有り得るのかも、という絶妙な世界観のもとで、話が進めています。 こういう紙一重のスレスレ感は、自分の好きなジャンルです。 著者は、どうやら「完全無欠でスタイル抜群、才色兼備の万能選手の女性」を物語に登場させるのが好きなようで(笑)この作品にも『シャングリ・ラ』にも、そういう女性がしっかり出てきます。 ただ、中盤から終盤に向けた展開については、ちょっと物足りなかったというか、納得しがたい部分があったのも事実。ここまでしっかりと、クライマックスに向かうまでの「秘密」を描いていたんだから、最後の展開に至るまでの「仕込み」も、もうちょい丁寧に描ききってほしかった。そこだけ不満なので、☆は1つだけ減らして☆4としておきます。
Posted by
・老人が元気で有能。 または、かっこよく描かれている。 嬉しくなってくる。 ・「投下された爆弾のうち、 2%は不発弾となっている」 というのは事実のようだ。 「ファンタジー小説」をツールに、 今もなお戦争の爪あとがあることを伝えようとしている。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この人の描く沖縄は生命力に溢れて鮮やか! 各キャラクターが立ちすぎて、喧嘩をしそうなところもあるけれども、その舞台が一番力強いので各人物が自由に動き回っていてもまとまった感じがする。 逆に設定のありえなさも、キャラクターが支えている。 ぼろぼろの状態から村を守り上げてきたマカト、チヨ、樹王。 そして新しい世代、新しい方法で村を救おうと成長していく雄太、博志、美奈。 沖縄の悲惨な歴史を沖縄の美しさ、魅力と同時に扱っている小説はあまりないので印象的。 エンターテイメントとしてもおもしろいと思う。
Posted by
この人のは当たり外れが大きいな…。楽しめるエンターテイメントではあったけれど、荒唐無稽さが白けるところもあって…。
Posted by
池上永一のファンタジー小説。 巨大カノン砲を崇める、ヘンテコな宗教を持つ村で 繰り広げられるユーモラスな日常。 村を独裁するノロ、怪盗ルパンさながらの泥棒婆さん、 秘密結社に美女軍団。 登場人物のキャラが個性的で、 突飛な設定・世界観と相まって アニメ作品でも観ているように夢中...
池上永一のファンタジー小説。 巨大カノン砲を崇める、ヘンテコな宗教を持つ村で 繰り広げられるユーモラスな日常。 村を独裁するノロ、怪盗ルパンさながらの泥棒婆さん、 秘密結社に美女軍団。 登場人物のキャラが個性的で、 突飛な設定・世界観と相まって アニメ作品でも観ているように夢中で読み耽りました。 ユーモラスなストーリーに見え隠れする 60年前の大戦が残した忌々しい傷跡、 村に隠されているらしき謎といったところも すごく惹きつけられます。 その分、後半に失速していくように感じられたのはとても残念でした。
Posted by