学校のセンセイ の商品レビュー

飛鳥井千砂【著】

2009/10/07

めんどくさがりの２０代の独身高校教師の物語。

とても面白かったです。ちょっと語り口がナルシスティックな部分はあったんですけど、いい感じに肩の力が抜けた教師を描いていました。私は教師ではないけど見習いたいな・・。

問題生徒に振り回される、主人公以外の教師のほうに共感を覚えました。反応するともっと挑発されるということはわかっていても反応しちゃうんですよねー。教師の職場はうつ病が多いと聞きますが、本当に大変そう・・。その大変な感じをよく出せてます。マジメ一辺倒の永野先生の悩み、よくわかるなー。「桐原先生なら平気なんでしょうね。誰に何言われても流せるんでしょうね」と泣くシーンは印象的でした。

「子どもだから・・」ということで距離を置ける主人公。冷静なスタンスは重宝されますが、さらに「子どもを支える」熱意を持つというのが課題になってきて・・。このへんのバランス感覚は本当に私もほしいです。

2010/02/26

「センセイって、
もっと特別な人がやるものだと思ってたんだ」

というオビ文句に惹かれて読みました。
職業柄、この手の本は注意が必要です。
あんまり美化されてもいやだし、茶化されてもいやだし。
現場を知っているだけに、面倒なんですよね。
でも、この本の主人公はなかなかリアルでよかったです。
私も店に入ると、やっぱりキョロキョロしちゃうから（笑）

面白いなと思ったのは、
主人公が自分が冷めていることにだんだん不安を覚えていること。
なんで教師になったのかと思うこともありますが、
根っこがそれなりに熱い人間じゃなきゃ勤まらないと思うので、
そういう部分での主人公の変化が面白かったです。

2009/10/04

え、そことそこがくっつくのか。登場人物が過多気味なので、最後はどう纏めるのかと思ったんだけどさ。そんなら別に要らんやん、という登場人物も多い。

2009/10/07

久しぶりに、ハマった。

面倒くさがりの先生と、生徒や友達、周囲の人々の物語。
なんと言ってもテンポが良い。会話のやり取りや、文章の流れが小気味よく、私のツボにハマる。笑えるんだけど、それだけじゃなくて、ひどく考えさせられる。

主人公の桐原をはじめ、小枝、永野先生、優香、坪井など、登場人物も皆それぞれに個性があって魅力的。特に坪井が好青年過ぎる。桐原が坪井に抱く感情、わかるなぁ。裏表なく「いい人」を見ると、自分がひどく汚い人間に思えてしまう。

模範的な良い先生と言うより、なんとなく全てをうまく受け流して、それなりの先生を演じようとする桐原。仕事でもプライベートでも同じように、そつなくこなしていく。その理由は面倒だから、と彼は言う。けれど私は思う。面倒だからじゃなくて、深く相手と関わる事で、自分が傷つく、相手を傷付ける事が怖いんじゃないだろうかと。面倒なんじゃなくて、臆病なのだと思う。

皆それぞれに迷いながら、変わりたいと思いながら、本当の自分を隠して生きてるのかもしれない。
面白くて、私好みだったので５つ星。

次回作も楽しみな作者。

2009/10/07

とくにやりたいことがなく、気がつけば先生になっていた。生徒は可愛げがないし、同僚とのつきあいも面倒だ。それでも“センセイの日々”は続いていく…。第１８回小説すばる新人賞受賞作家が描く“フツーの教師”の青春物語。

2009/10/04

予備校講師から私立高校の教員になった主人公は年齢の割に醒めている。

その距離感が生徒にはむしろ魅力なのだろう。

ただその醒めた目には理由があった。生徒の自殺未遂に思わず本音が出て……。

あなどるべからず溝口先生。

現役の若い「センセイ」の「今」をよく捉えていると思った。

作成日時 2007年09月06日 21:15

2009/10/04

ちょっと文章のセンスあるサラリーマンがネットで公開している日記か小説みたいなノリで、コムズカシイところなしなところがよい。面白かった。