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欲しいのは、あなただけ の商品レビュー

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40件のお客様レビュー

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2010/01/29

『あなたの一部でありたい。同時に、全部でありたい』 主人公のかもめのストレートさは、時に、怖い。 誰かを愛する気持ちは大切なものだけれど、それは人生を破壊するものではなく、 願わくは人生の原動力であってほしい。 ――死を知るためには死ななくてはならないように、    愛を知る...

『あなたの一部でありたい。同時に、全部でありたい』 主人公のかもめのストレートさは、時に、怖い。 誰かを愛する気持ちは大切なものだけれど、それは人生を破壊するものではなく、 願わくは人生の原動力であってほしい。 ――死を知るためには死ななくてはならないように、    愛を知るためには、愛さなくてはならないのだ。    わたしは愛する。それがわたしにとって、生きるということ―― こんな風に愛してしまったら、愛する方も愛される方も辛くなるような気がする。 私はこんな風には人を愛せないな。 経験から話すと、自分にも相手にも逃げ場を作っておいてあげられなければ、だめになると思う。 全般的に、主人公の気持ちに感情移入できなかったけれど、唯一、“従順そうに見えるけれど、好きな人に怒られたくて構ってほしくて、わがままを言ってしまうかもめ”に昔の自分の姿を重ねた。 どちらかと言うと、本文より大崎善生氏の解説の方が興味深かった。 「(中略)愛というたった一言で矛盾も背徳も罪悪も何もかもを包み込めるはずの季節。どんなに固く眼を閉じていても、その光が確実に届いている幸せを味わわせてくれた。過ぎ去った日々を俯瞰することができるようになるまで、人はいったいどのくらいの時間と経験を必要とするのだろう。止まってしまった過去として、いくら手を差し伸べても届かないものとして、ある意味では死んでしまった自分を受け入れるまでに」

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2009/10/04

会話の京都弁?に慣れず、読みにくかった。特に前半。 ここまで人を愛したことがないから共感できなかった。

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2009/10/04

今をときめくアラフォー(笑)の主人公が、 過去の2つの恋愛を回想する物語。 「男らしい人」と「優しい人」。 相手の男は両極端なタイプで、 その愛され方も違うものだが、 受ける女の本質に大きな違いは無い。 それはタイトルが物語っている。 狂おしいほど痛い愛。 休みなく一気に読んでし...

今をときめくアラフォー(笑)の主人公が、 過去の2つの恋愛を回想する物語。 「男らしい人」と「優しい人」。 相手の男は両極端なタイプで、 その愛され方も違うものだが、 受ける女の本質に大きな違いは無い。 それはタイトルが物語っている。 狂おしいほど痛い愛。 休みなく一気に読んでしまった。 賛否両論あるだろうが、 私にとっては目が離せないほどの 読み応えがあったから。

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2009/10/04

男らしい人と優しい人。どこがいいのか分からない。男らしく見える人と優しく見える人?少なくとも私はどちらも好きにならない。

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2009/10/04

タイプの異なる二人の男性との恋愛にのめりこむ主人公。結婚や家族より、「あなた」という存在だけが欲しいとまさにタイトルそのままなのですが、恋に溺れるってこういうことを言うのでしょうね。客観的に読んでいる自分がちょっと淋しい気がしますが。

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2009/10/04

強引なひとと優しいひと。 両極端なようで何処か似てるふたつの恋。 あたし個人としては、強引なひとに魅かれるかもめちゃんの方が分かるかもしれない。 どちらもハッピーエンドにはならないけど、いつか「あー好きだったなー」って思い出せる恋なんだと思う。

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2009/10/04

まずは、「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」の著者、 大崎善生氏の解説を抜粋されたい。 読む側の空想の空をどこまでも広げてくれる、物語の中に入り込み考える 自由を与えてくれる、そしてわたしたちはコンテナのように小説という広 大な海の中に浮かんでいればよい。 小手...

まずは、「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」の著者、 大崎善生氏の解説を抜粋されたい。 読む側の空想の空をどこまでも広げてくれる、物語の中に入り込み考える 自由を与えてくれる、そしてわたしたちはコンテナのように小説という広 大な海の中に浮かんでいればよい。 小手鞠るい氏のことを、自由を与えてくれる作家、だと賞賛している。 考える余地を、そっと、置いてくれているのだと喩えている。 恋愛小説なのに、恋愛小説のような感じがしない。 そもそも、恋愛とは何なのか。評者はわからない。 燃え滾る欲望を持つことなのか、 何かも捨ててしまっていい気持ちになることか・・・。 ある場面で、かもめが思い馳せているように、 好きな人の一部でありたい、全部でありたい、 そう思うことが恋愛なのかもしれない。 恋愛=恋に愛するのか、愛に恋するのか。愛+恋なのか。 わからないが、恋に恋すると、若かりし頃の恋愛(純愛)が そのように喩えられ、昔話のひとつとして語られる場面に遭遇する。 好きな人の一部でありたいと思う気持ちは、 恋に恋している瞬間感じると評者は思う。 何も周りは見えていないのだ。 いや、見えている。あなたとわたしの世界は。 ≪以下、抜粋≫ ・むかしむかし、好きになった人たちを思い出すとき、 わたしはいつも、弟のことを思うような優しい気持ちになる。 ・わたしが怖かったのは、それは、自由、ということだった。 ・闇のなかでわたしを待っている黄色い車を見つける瞬間が、わたしは好きだった。 ・「おう、きょうはかもめちゃんとデイトや」 ・どうしても、その小包を開封する気力が湧いてこなかった。 開封して本を取り出す、ページをめくる、そこに書かれている言葉を読む、 読んで何かを考える、何かを感じる、何かを思う、そういった行為のすべてが、 わたしにはけだるく、空しく、鬱陶しいことのように思えていた。 ・あのころの自分と、今ここにいる自分を、うまく結び付けることができない、と、私は思った。 ・わたしの心のお葬式。これはわたしが男らしい人から愛されるために、どうしても必要な儀式なのだ、と。 ・わたしたちはふたりとも無言だった。けれどもその無言は生きていた。運転手と助手席のあいだで、 言葉にならないくらいたくさんの言葉がゆき交っていた。男らしい人は何かを必死で伝えたがっていたし、 わたしも必死でそれに答えたがっていた。 ・あなたの一部でありたい、同時に、全部でありたい。あなたの触れるすべてのものに、わたしはなりたい。 ・あなたが身体で、わたしが心。あなたが海なら、わたしは潮騒。あなたが空なら、わたしは夕焼け。 あなたが問いで、わたしが答え。愛することしかできない。それがわたしの答えなのだ。 ・四条から山科に戻るとき、タクシーで蹴上の坂を登りますやろ。あの坂を登るときには、うちは母親になるんです。 そうして翌日の夕方、店に出るためにあの坂を下りてきますやろ。そのときにはうちは、女になるんです。」 ・「もう行かなきゃ、遅れてしまう」と、言うのはいつもわたしのほうだった。 ・「幹彦さんにとっては突然でも、わたしにとっては突然じゃないの」 ・この世の中には、すべてを手に入れてもなお不幸な人間がいるように、 すべてを失ってもなお、幸福でいられる人間もいるのだと思った。

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2009/10/04

本気で恋愛した女性ならきっと共感するところはあると思います。 切なくなっちゃった(/_;)

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2009/10/04

もしかして主人公はマゾ?って思ったり。 世の中、いろいろな人がいますから、これもアリなんでしょうけど・・・

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2009/10/07

07年7月。 支配欲をむき出しに、時に力で組み伏せる「男らしい人」と、家庭をもちながらもひたむきに愛してくれる「優しい人」。 主人公かもめは言う。「私は不完全な死体として生きている。二つの恋を思い返すときだけ、私はつかの間の生者となれた。」と。 何が欲しかったの? 自由でもな...

07年7月。 支配欲をむき出しに、時に力で組み伏せる「男らしい人」と、家庭をもちながらもひたむきに愛してくれる「優しい人」。 主人公かもめは言う。「私は不完全な死体として生きている。二つの恋を思い返すときだけ、私はつかの間の生者となれた。」と。 何が欲しかったの? 自由でもなく、後悔でもなく。孤独感を逃れるための束縛かい。 第12回島清(シマセ)恋愛文学賞受賞作 。 ☆印象に残った文章。 わたしたちはホテルの一室にチェックインした。 「こういうところに来たからといって、何かしなきゃならないってことはないんだよ。服を着たまま、ふたりでこうして横になっているだけでも、僕は安らぐし、あなたがいやなら今夜は何もしないで、しばらくしたら帰ろう」と、優しい人は言った。決して開けられることのない窓のそばに置かれた、よそよそしいベッドの上で。 わたしが恋に落ちたのは、まさにその瞬間だった。

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