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子どもは判ってくれない の商品レビュー

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56件のお客様レビュー

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2012/08/22

私とは違った角度で物事を見ている方。特に後半の文章、「愛国心とネオコン」「動物園の平和を嘉す」などは〝倫理性〟について、深く考えたい視点が提供されてました。

Posted byブクログ

2012/05/12

(以下引用) 「誰にも迷惑かけていないんだから、ほっといてくれ」と言って、売春したり、ドラッグをやったり、コンビニの前の道路にへたり込んでいる若者たちがいる。彼らは「人に迷惑をかけない」というのが「社会人としての最低ライン」であり、それだけクリアーすれば、それで文句ないだろうとい...

(以下引用) 「誰にも迷惑かけていないんだから、ほっといてくれ」と言って、売春したり、ドラッグをやったり、コンビニの前の道路にへたり込んでいる若者たちがいる。彼らは「人に迷惑をかけない」というのが「社会人としての最低ライン」であり、それだけクリアーすれば、それで文句ないだろうというロジックをよく使う。なるほど、それもいいかもしれない。でも自分自身に「社会人としての最低ライン」しか要求しない人間は、当然だけれど、他人からも「社会人として最低の扱い」しか受けることができない。そのことはわきまえておいたほうがいいと思う。(P.125) 例えば「囚人の人権を守る」ということは「犯罪を肯定する」こととは水準の違う問題である。(中略)人権は人権、犯罪は犯罪である。それと同じように、「売春は犯罪だが、売春婦の人権は適切に擁護されなければならない」という立場はありうると私は思っている。(P.153) 多くの人が勘違いしているが、人間の価値は、その人にどれほどの能力があるかで査定されているのではない。その人の「替え」がどれほど得難いかを基準に査定されているのである。現に「リストラ」というのは「替えの利く社員」を切り捨て、「替えの利かない」社員を残すというかたちで進行する。どれほど有能な社員であっても、その人が担当している仕事が「もっと給料の安い人間によって代替可能」であれば逡巡なく棄てられる。(中略)だが競争社会というのは、全員の代替可能性を原理にしている社会である(だから「競争社会」は必ず「マニュアル社会」になる)。そのような社会で、個の多様性や一人ひとりの「かけがえのなさ」への敬意がどうやって根づくだろうか。(P.305) 自民党も民主党も、改憲を望む人々は九条二項を廃絶したいと望んでいる。戦争に関する「フリーハンド」を回復したいと望んでいるのである。より厳密に言えば「(本音のところでは)あまり戦争になんかしたくないけれど、『戦争になるかもしれない』という政治カードを自由に切ることができる国家になりたい」と望んでいる。(P.318)

Posted byブクログ

2011/12/25

各論が腑に落ちすぎて妙な安心感が得られると思う。 もうすぐ社会人になる身としてウチダ先生の「大人」像を拝見し、他者との関わりの中で心がけたいことが生まれた。 よくわからないものを「わからない」まま「知らない」ことは怖い。「知らない」ことを「わかってしまった」ときには瞬間行き場...

各論が腑に落ちすぎて妙な安心感が得られると思う。 もうすぐ社会人になる身としてウチダ先生の「大人」像を拝見し、他者との関わりの中で心がけたいことが生まれた。 よくわからないものを「わからない」まま「知らない」ことは怖い。「知らない」ことを「わかってしまった」ときには瞬間行き場がなくなってしまう。再読して思考の論理を書き記しておきたいと思った。

Posted byブクログ

2011/11/24

大人にもわからなかったよ・・・。 一つ一つは、言いたいことが分かるよ(うな気がするんだけど)。 でも、全体を通したら、わからないよー?と思った。 そんな中で、笑って、理解しようと思った言葉が一つありました。 呪い 全然怖くないこの項目は、大人とか子供とか、社会に出て働いてい...

大人にもわからなかったよ・・・。 一つ一つは、言いたいことが分かるよ(うな気がするんだけど)。 でも、全体を通したら、わからないよー?と思った。 そんな中で、笑って、理解しようと思った言葉が一つありました。 呪い 全然怖くないこの項目は、大人とか子供とか、社会に出て働いている人とか家の中で働いている人とか、毎日一生懸命頑張っているどんな人にも読んでもらいたい。と思う。

Posted byブクログ

2011/10/16

愛読書の樹さん。 この作品はいまいちぐいぐいこなかったのはテーマのせいかな。 国家とか、人種とか、ちょっと政治的な話が多いためか、共感しまくって読むっていういつもの感じではなかったです。 その中で、「呪いの言葉」の話はずしんと胸に来ました。 セクシャルハラスメントのハ...

愛読書の樹さん。 この作品はいまいちぐいぐいこなかったのはテーマのせいかな。 国家とか、人種とか、ちょっと政治的な話が多いためか、共感しまくって読むっていういつもの感じではなかったです。 その中で、「呪いの言葉」の話はずしんと胸に来ました。 セクシャルハラスメントのハラスメントとはなんぞや、という話からのつながりだったのですが、つまり、ハラスメントとはそれによって、自分の自由が奪われて拘束されるものである、と。 それはわかりやすく言えば「呪い」である、と。 日常にあふれる呪いの言葉の例として   「あなたのためを思って言っているのよ」  「何が気に入らないのか、はっきり言いなさい」  「お願いだから、私の気持ちも分かってよ」  「おまえ俺をナメてんのか」など、こういうことばを投げかけられると、確かにぐっと言葉につまってとても息苦しい。  よく意味がわからないけど、自分が責められていることはよくわかる。  そもそも、これらの言葉には、答えなど求められていないというのだ。 **********************************************  このような「絶句」状況に他人を追いつめることを(それとはしらずに)好む人がいる。他人が自分の問いかけによって言葉を失い、青ざめ、うつむき、沈黙のうちに引きこもるさまを見て、ある種の愉悦を引き出すことのできる人がいる。   むろん、本人はそんな「邪悪」な欲望が自分を駆動していることを知らない。しばしば呪いをかけている人間自身は(意地の悪い教師がそうであったように)、自分の行動を動機づけているのは教化的な善意だと信じている(場合によっては、「愛情」だとさえ)。  「絶句させる人」が有害なのは、たんに「相手に影響を及ぼす」からではない。影響力が及んだことの確証として、相手が自分から逃れられないように「縛り付けられた」姿を見ようと望むからである。  相手が自分の言葉によって「縛りつけられ」、身動きできなくなっているありさまを、深く親密な、かけがえのない関係の成就だと勘違いする人、それが「呪いをかける人」である。   *********************************************** 人が無意識のうちに相手を拘束し支配しようとする言葉、あるわあ~。 私、けっこう言われるわあ~。 でも、それが呪いの言葉であると分かっているということは、呪いに絡みとられないためにとても必要なことだ。

Posted byブクログ

2011/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たしかにこういうことって「子ども」にこそ分かってほしい!ってことのオンパレード!ただし、この場合の「子ども」ってのは生徒レベルの「子ども」ではないよね。自分にも「???」ってことがあったから、やっぱりまだまだ子どもなんだなーと痛感した。 理屈っぽい人を「1つの包丁で料理をする人」、論理的な人を「使えるものならドライバーでもホッチキスでも使って料理をする人」という例え方をしたのには感動。

Posted byブクログ

2011/06/13

4章立てになっており、前半から後半にかけて人の内面~対人~日本、国際に関する内田氏の考察が書かれています。私は社会の中での自分の立ち位置とか対人の接し方とか考え方が気になるので、割と前半が面白かったですね。後半の日本や国際に関する論の展開は積極性ではなく「一歩引いた」姿勢が打ち出...

4章立てになっており、前半から後半にかけて人の内面~対人~日本、国際に関する内田氏の考察が書かれています。私は社会の中での自分の立ち位置とか対人の接し方とか考え方が気になるので、割と前半が面白かったですね。後半の日本や国際に関する論の展開は積極性ではなく「一歩引いた」姿勢が打ち出されているので、好き嫌いが分かれる文章だと思います。

Posted byブクログ

2011/06/07

読み始めてから随分長い時間がたったのでところどころわすれているけど、呪いのコミュニケーション と 話を複雑にすることの効用 は なかなか興味深かった。 110607

Posted byブクログ

2011/05/17

最近、「呪いのコミュニケーション」の章を何度も何度も読み返している。 今起こっているのはまさにこれ。 解決の手がかりは何だろう。 メッセージが「聞き届けられるべき人に聞き届けられる」ように努めることなのか。それとも、「話を複雑にすることの効用」にあるように、「自説の危うさ」の定量...

最近、「呪いのコミュニケーション」の章を何度も何度も読み返している。 今起こっているのはまさにこれ。 解決の手がかりは何だろう。 メッセージが「聞き届けられるべき人に聞き届けられる」ように努めることなのか。それとも、「話を複雑にすることの効用」にあるように、「自説の危うさ」の定量を優先させる事なのか。

Posted byブクログ

2011/02/08

読みながら思ったことが、次の章に書かれていたりして、大変納得しました。 まさに「本に呼び寄せられた」状態です。

Posted byブクログ