1,800円以上の注文で送料無料

たそがれ清兵衛 の商品レビュー

3.8

141件のお客様レビュー

  1. 5つ

    26

  2. 4つ

    58

  3. 3つ

    33

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2019/05/06

8編からなる短編集。 それぞれ、うだつの上がらない人物が主人公なのですが、ぴか一の剣の腕前を持つ人たちの物語。 たそがれ清兵衛 うらなり与右衛門 ごますり甚内 ど忘れ万六 だんまり弥助 かが泣き半平 日和見与次郎 祝い人助八 からなる短編連作で、どの人物も、普段は陰口をたたか...

8編からなる短編集。 それぞれ、うだつの上がらない人物が主人公なのですが、ぴか一の剣の腕前を持つ人たちの物語。 たそがれ清兵衛 うらなり与右衛門 ごますり甚内 ど忘れ万六 だんまり弥助 かが泣き半平 日和見与次郎 祝い人助八 からなる短編連作で、どの人物も、普段は陰口をたたかれています。 表題の「たそがれ清兵衛」は、定時になると病気の妻の看護のため下城することから名づけられたあだ名。 しかし、お家の一大事で、その剣をふるう事になります。 他の作品も同様で、普段は侮られがちな侍たちが、剣をふるう事になり、さらに滅茶強くて格好いいというギャップある物語となっています。 これらの作品の中では、「たそがれ清兵衛」よりも「祝い人助八」の方が好きです。 「祝い人」とは物乞いのことで、その身なりが物乞いのように汚く臭いとのことです。 この助八と波津との思いが美しい。 そして、斬り合いの後のラストシーン! 良かった。 お勧め

Posted byブクログ

2019/03/30

映画になった、たそがれ清兵衛、だけでなく、うだつの上がらない下級武士が、実は、すごい剣士で、藩内の闘争の解決に貢献するという話が、何か男のロマンを感じる。

Posted byブクログ

2019/02/22

図書館で。そう言えば藤沢周平あまり読んだことないなぁと。表題作は映画にもなったよな、確か。 あまり風采の上がらない人が実は…という設定は面白いのだけれどもそれにしても血なまぐさいなぁ。上意討ちとか大義名分があればいいのか?昔の人は結構大変な世界に生きていたんだなぁと今更ながら背...

図書館で。そう言えば藤沢周平あまり読んだことないなぁと。表題作は映画にもなったよな、確か。 あまり風采の上がらない人が実は…という設定は面白いのだけれどもそれにしても血なまぐさいなぁ。上意討ちとか大義名分があればいいのか?昔の人は結構大変な世界に生きていたんだなぁと今更ながら背筋が冷たくなる感じ。 この中では物忘れおじいさんの話が一番平和で良かったかも。どのお話も構図がしっかりしているので映像に向いているんだろうなぁなんて思いました。

Posted byブクログ

2018/11/15

藤沢周平の中〜後期、『蝉しぐれ』と同じ1988年の作品。「一見イケていない主人公が剣の達人として働きを示すという、カタルシスを味わう短篇集」というのが一般的な評価だが『蝉しぐれ』と続けて読むと、ついに実らぬ『かが泣き半平』の長屋の若後家に対する想い、『日和見与次郎』の従姉妹への想...

藤沢周平の中〜後期、『蝉しぐれ』と同じ1988年の作品。「一見イケていない主人公が剣の達人として働きを示すという、カタルシスを味わう短篇集」というのが一般的な評価だが『蝉しぐれ』と続けて読むと、ついに実らぬ『かが泣き半平』の長屋の若後家に対する想い、『日和見与次郎』の従姉妹への想いに心を締めつけられ、『祝い人助八』が(男女関係という意味で)ハッピーエンドなことに救われる。縄田一男の解説も秀逸。

Posted byブクログ

2018/10/25

表題の'たそがれ清兵衛'を始めとして、 主人公の人物像を表現するワーディングと名前を タイトルとする短編が収録されている。 うらなり、ごますり、ど忘れ、だんまり、かが泣き、日和見、祝い人(ほいと)と続く主人公群。故あって性格が作られ、下級武士ながら剣術を極めて...

表題の'たそがれ清兵衛'を始めとして、 主人公の人物像を表現するワーディングと名前を タイトルとする短編が収録されている。 うらなり、ごますり、ど忘れ、だんまり、かが泣き、日和見、祝い人(ほいと)と続く主人公群。故あって性格が作られ、下級武士ながら剣術を極めている。慎ましい生活を送るなか、藩の権力争いや過去の因縁に直面し、不本意ながら腕を奮う。予定調和的な結末とわかりつつも読後感が清々しい。藤沢周平ワールドの醍醐味が味わえる。

Posted byブクログ

2018/10/15

能ある鷹は爪隠す。こちとら隠すもの何もなし スキルアップに努めましょう。 心、ほっこり。小生、「食わねど高楊枝」が精いっぱい

Posted byブクログ

2018/06/20

内容(「BOOK」データベースより) 下城の太鼓が鳴ると、いそいそと家路を急ぐ、人呼んで「たそがれ清兵衛」。領内を二分する抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮してはきたものの、お家の一大事とあっては、秘めた剣が黙っちゃいない。表題作のほか、「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり...

内容(「BOOK」データベースより) 下城の太鼓が鳴ると、いそいそと家路を急ぐ、人呼んで「たそがれ清兵衛」。領内を二分する抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮してはきたものの、お家の一大事とあっては、秘めた剣が黙っちゃいない。表題作のほか、「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり弥助」「日和見与次郎」等、その風体性格ゆえに、ふだんは侮られがちな侍たちの意外な活躍を描く、痛快で情味あふれる異色連作全八編。

Posted byブクログ

2018/01/12

味があってよい。ただし、短編集なのだが、どれも同じような味わいである。蕎麦屋でいうなら、そばがあって、うどんがあって、かつ丼があってというのではなく、温かいそばとざるそば、もりそば、せいぜいその他のメニューはとろろそばといったところだ。基本は同じ。そのような短編集であった。個人的...

味があってよい。ただし、短編集なのだが、どれも同じような味わいである。蕎麦屋でいうなら、そばがあって、うどんがあって、かつ丼があってというのではなく、温かいそばとざるそば、もりそば、せいぜいその他のメニューはとろろそばといったところだ。基本は同じ。そのような短編集であった。個人的には池波正太郎の方がすきだ。

Posted byブクログ

2017/11/19

目次 ・たそがれ清兵衛 ・うらなり与右衛門 ・ごますり甚内 ・ど忘れ万六 ・だんまり弥助 ・かが泣き半平 ・日和見与次郎 ・祝い人助八 普段はぼんくら扱いされていても、ここぞという時に使う剣。 どれも読後感がいい。 特に面白かったのが、「ど忘れ万六」 年のせいかど忘れがひどく...

目次 ・たそがれ清兵衛 ・うらなり与右衛門 ・ごますり甚内 ・ど忘れ万六 ・だんまり弥助 ・かが泣き半平 ・日和見与次郎 ・祝い人助八 普段はぼんくら扱いされていても、ここぞという時に使う剣。 どれも読後感がいい。 特に面白かったのが、「ど忘れ万六」 年のせいかど忘れがひどくなり、仕事に支障をきたすようになってしまったため、家禄を息子に譲って隠居した万六。 貧乏侍の家にとって、隠居というのはただ飯喰らいと同一語。 家族に冷たくあしらわれている毎日だ。 だけど、嫁のピンチとなれば立ち上がる万六。 “万六はゆっくり後じさってから、わざと大場に見えるように、眼にもとまらぬ手つきで刀を鞘にもどした。それから背をむけて歩き出した。ゆっくりゆっくり歩いているのは、さっき居合を使ったときに、またしても腰を痛めたのである。” 嫁の感謝もひと月しか続かないけど、毎日うまいご飯を作ってくれるならそれでいいか、と万六は思うのである。 「ごますり甚内」のごますりは、出世のためのものではない。 武士にあるまじきごますりを行うのは、武士としての体面のためなのである。 江戸時代の侍というのは、まさしく現代のサラリーマン。 耐えがたきを耐え、忍びがたき忍べるのは、見ていてくれる人、分かってくれている人がいるから。 ぼんくら扱いされたって、卑屈になる必要なんてない。 ひょうひょうと生きる彼らの姿に、自分もそうでありたいと思いながら読んだ。

Posted byブクログ

2017/11/16

「たそがれ清兵衛」が映画化されたことを機に再読しました。何度目でしょう。当然ながら初回に読んだほどの大きなインパクトは受けません。 それにしても魅力的な主人公達です。病気の奥さんをいたわる「たそがれ」、大切にしてくれない嫁のために働く隠居の「どわすれ」、悍婦だった奥さんに死に別...

「たそがれ清兵衛」が映画化されたことを機に再読しました。何度目でしょう。当然ながら初回に読んだほどの大きなインパクトは受けません。 それにしても魅力的な主人公達です。病気の奥さんをいたわる「たそがれ」、大切にしてくれない嫁のために働く隠居の「どわすれ」、悍婦だった奥さんに死に別れ、ホッとしたあまりに薄汚れてきた「祝い人(ほいと)」。そうした等身大の剣客が、ここ一番に凛然と立ち向かう姿。 藤沢さんらしい情緒に溢れるとともに、これも藤沢さんの定評である殺陣シーンの見事な作品です

Posted byブクログ