ワールドカップの世界史 の商品レビュー
今となっては、オシムの通訳として有名になった千田さんのワールドカップの歴史。 元々はネット上に連載されたものでプレイそのものよりも、FIFAの裏事情、政治的な状況などの説明にも紙面を割いている。ワールドカップという1つの舞台の見方が変わる本だった。
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ワールドカップ第1回大会から2002年日韓大会まで、各大会のエピソードをまとめている。 スポーツの世界大会は、世界一のプレイが披露されるだけでなく、その時々の社会事情、政治事情も色濃く反映される。 プロパガンダとしてのスポーツ大会、といえばナチスのベルリン五輪が有名だ...
ワールドカップ第1回大会から2002年日韓大会まで、各大会のエピソードをまとめている。 スポーツの世界大会は、世界一のプレイが披露されるだけでなく、その時々の社会事情、政治事情も色濃く反映される。 プロパガンダとしてのスポーツ大会、といえばナチスのベルリン五輪が有名だが、その2年前に行われたムッソリーニによるワールドカップイタリア大会での「成功」が、それまで五輪開催に関心の薄かったヒトラーに大きな影響を与えたそうだ。 イタリア大会からラジオ実況が始まったことも、大衆操作への利用に大きく「貢献」したといえよう。 また78年のアルゼンチン大会も軍事政権による開催で、スポーツの政治利用は他の南米軍事政権諸国にも広まった。 かつては独裁政権や軍事政権なら、現在スポーツを支配するものはコマーシャリズムか・・・ふとそんなことを思った。 いずれにしろ、これだけ巨大化したスポーツ大会、ある権力が意図を持って大衆操作する可能性があることを我々は認識し、安易に動かされない知恵をつけることも必要なのかもしれない。 そのほか、ルールや技術の進化、有力国の顔ぶれの変換など、様々な切り口で振り返ることでワールドカップを観る面白さが何倍にも深まるだろう。 そう考えると、本書の内容はちょっと物足りなく、もっと詳しい情報が欲しくもなるが、本書を入り口に、更に各々の興味に応じて関連書を読んでいくのもいい。
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イングランドがサッカーの母なら、父はウルグアイ。ワールドカップの1回目はウルグアイ。 キッシンジャーは欧州からの移民だからサッカーが大好きな珍しいアメリカ人。
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W杯、第1回から日韓大会までを国際関係の視点からまとめた本。20世紀後半の国際政治の話は当時それを知らずに‘純粋’にスポーツとして楽しんでいた身には衝撃。背負うものが違いすぎて、日本が技術だけでそう簡単に勝ち進めないというのも納得。
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