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利己的な遺伝子 増補新装版 の商品レビュー

4.2

100件のお客様レビュー

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2011/08/05

環境による淘汰というたったひとつの法則から、生物の営みを徹底的に演繹して行く様は、生物学というより論理学かなにかのような趣き。と、同時に生存戦略という視点に立てば、それはまさにゲーム理論そのもの。利得行列やらアクセルロッドやら、そのままゲーム理論の副読本に使えるかも。 12章...

環境による淘汰というたったひとつの法則から、生物の営みを徹底的に演繹して行く様は、生物学というより論理学かなにかのような趣き。と、同時に生存戦略という視点に立てば、それはまさにゲーム理論そのもの。利得行列やらアクセルロッドやら、そのままゲーム理論の副読本に使えるかも。 12章だけは、毛色が違って、ミームという概念を提示している。文化的な伝播としての複製をも、遺伝子の複製と同じように捉えて生命を再定義しよう、というある種の思考実験。 みんな一度は考える話だとはおもうけど、やはり遺伝子からの転換には飛躍がある。文化の伝播を社会学的に分析するツールとしては使えそうだが、生物学としてはちょっとね。

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2011/07/05

超有名な本ですが、本当に面白い!これだけ面白い本がどれだけあるだろう? 長い内容ですが、全ての章において読み応えがあり、飽きさせません。主張は一貫して、遺伝子が利己的に自己を最大限増殖しようとすることによって、生物の様々な習性が解き明かされる、といものです。(有名なミームの章だけ...

超有名な本ですが、本当に面白い!これだけ面白い本がどれだけあるだろう? 長い内容ですが、全ての章において読み応えがあり、飽きさせません。主張は一貫して、遺伝子が利己的に自己を最大限増殖しようとすることによって、生物の様々な習性が解き明かされる、といものです。(有名なミームの章だけ異質ですが)

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2011/07/03

"自然淘汰の単位は遺伝子"という本。そのあまりに悲観的な現実に対し、"meme"という概念を起ち上げることで、読む人へ(同時に著者自身へ)のフォローまで考えた本。個人的にそう解釈している。 利己的な遺伝子はともかく、memeという興味深い概...

"自然淘汰の単位は遺伝子"という本。そのあまりに悲観的な現実に対し、"meme"という概念を起ち上げることで、読む人へ(同時に著者自身へ)のフォローまで考えた本。個人的にそう解釈している。 利己的な遺伝子はともかく、memeという興味深い概念を知れただけでもよかったと思う。論理的に真実を衝こうとする姿勢に好感を持てた。

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2011/06/19

ドーキンスは、遺伝子淘汰論を支持している。淘汰は、遺伝子に働くというものだ。この解釈はなかなか難解。利他行動によって、互いを守り合う集団は、そうでない集団より生き残る⁉

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2011/03/22

 分子生物学の本でもっとも有名なもののひとつが本書であろう。遺伝子を次世代へ受け継がせていくこと、DNAの永続こそが生物の本能であり存在理由なのである。という説は強力かつ痛快。

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2010/12/01

これはおもしろかった。ただ,長くてなかなか読了するのに時間がかかるんだよねえ。 今回おもしろかったのは,ミームと呼ばれる自己複製子の存在について,ゲーム理論と生物学の関係性,そして僕らは遺伝子のコピーを受け継いでいくためのヴィーグル(乗り物)に過ぎないのではないか,というところ...

これはおもしろかった。ただ,長くてなかなか読了するのに時間がかかるんだよねえ。 今回おもしろかったのは,ミームと呼ばれる自己複製子の存在について,ゲーム理論と生物学の関係性,そして僕らは遺伝子のコピーを受け継いでいくためのヴィーグル(乗り物)に過ぎないのではないか,というところ。 やはりこれも何度も読み返さないと,きちんと理解できないんだろうなー。というわけで初回の簡単な感想ということで。

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2011/04/30

日高先生の翻訳だったとは!知らなかった。読むの楽しみ。(2010.10.7登録) 登録してからかなり時間がたったがようやく読み終わった。(2011.4.18) 生物学の古典とも呼ばれる名著だし、好きな分野なので期待していたのだが…。 中身は非常に面白いが、いかんせん翻訳が読みに...

日高先生の翻訳だったとは!知らなかった。読むの楽しみ。(2010.10.7登録) 登録してからかなり時間がたったがようやく読み終わった。(2011.4.18) 生物学の古典とも呼ばれる名著だし、好きな分野なので期待していたのだが…。 中身は非常に面白いが、いかんせん翻訳が読みにくい。 そしてドーキンスの文章は、少々くどい。同じ話がこれでもかというほど繰り返し説明される。改訂版が出されるたびの序文や、びっくりするような大量の補注。もともと30年以上前に著された本であるから、新しい学術論などが出てきて現実に即さない部分もあるというのも理解できるし、できるだけわかりやすくという思いからなのだろうが、懇切丁寧というか、ちょっとくどすぎの感もある。ひょっとして著者は粘着気質?とも思いたくなるほど。 ということで、本当に面白くて興味深い、私の大好きな類の話ではあったのだけれど、★3つにしておきます。

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2010/10/04

30年以上読み続けられている進化生物学の本です。 一般向けに書かれているので比較的読みやすく、 遺伝や進化の知識がなくても大丈夫!!! 遺伝子に関してさらなる興味が湧いてきます。 鹿児島大学 学部生

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2010/09/19

敬愛する日高先生の翻訳した 敬服するR・ドーキンスの開眼本。 もっと早くこの本を読んでいれば 今頃こんなつまらん会社でつまらん仕事してなかったな。

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2010/09/12

一、全体として何に関する本か  「利己的遺伝子」はネオダーウィニズムと言われるダーウィンの主の起源を深化さたものである。ダーウィニズムでは、自然淘汰の単位を「種」としているが、利己的遺伝子では自然淘汰の単位を「遺伝子」としている。進化は、種が生き残るためではなく、遺伝子が生き残る...

一、全体として何に関する本か  「利己的遺伝子」はネオダーウィニズムと言われるダーウィンの主の起源を深化さたものである。ダーウィニズムでは、自然淘汰の単位を「種」としているが、利己的遺伝子では自然淘汰の単位を「遺伝子」としている。進化は、種が生き残るためではなく、遺伝子が生き残るために行われるものだという衝撃的な内容で、世界的に注目されている説である。 二、何がどのように詳しく述べられているか  我々は、遺伝子を保存するための生存機械である。これが、利己的遺伝子の最も重要な結論である。人はなぜ生きているのか?その答えは「遺伝子を保存するため」である。進化論というと、種が生き残ることだと多くの人は考えているが、著者は遺伝子が生き残るために自然淘汰が起こるという新しい結論を出した。しかも、遺伝子は利己的である。自分の生存しか考えていない。動物が利他的な行動を示すのは、遺伝子の利己性のためである。それは「群淘汰」という原理で説明されている。各個体が集団の幸福のために犠牲を払うようにできている種の方が、自分自身の利己的利益をまず第一に追求している集団より、結果として絶滅の危機が少なくなる。動物が利他性を示すのは、遺伝子を保存するためである。  例えば、人は家族を守るためなら自分の危険をも犯す。親が子を命がけで守るのは、子が自分の遺伝子の半分のコピーを持つからである。兄弟間でも利他性が現れるのは、兄弟も遺伝子的には自分と同じ遺伝子を半分持っており、それを守ることが遺伝子の保存になるからである。親戚、親戚の親戚…と自分からの血縁が遠のくほど、自分と同じ遺伝子のコピーが少なくなるので、他人よりも近親者に対して自己犠牲が強く働くのだ。動物は利他的行動を取るように見えるが、実は自分と同じ遺伝子の保存という利己的遺伝子の本能が働いているだけである。  また、遺伝子はなぜ動物というロボット(容器)を造ったかであるが、これは単純にバクテリアのような単純細胞が生存できる場所が一杯になったため、動物という新たな形で生存するようになっただけである。実際、バクテリアの数に比べれば動物の数はごく僅かであり、動物が世界を支配しているのではなく圧倒的にバクテリアの方が支配的である。遺伝子の保存という点では、動物はバクテリアに全く及ばない。 三、その本は全体として真実か、どんな意義があるのか  著者は、この本を「サイエンスフィクション」として読んでほしいと冒頭に書いてある。この本では、数学など科学的なことはほとんど出てこず、筆者の考えだけを述べたものであり証拠はない。よって、半信半疑の域を出ることはできないのだが、内容は間違いなく面白い。  筆者が自ら述べている通り、利己的遺伝子は非常に恐ろしい話で誰もその事実を認めたくはないが、この仮説で全ての「生」が説明できるのである。 四、一番面白かったのはどこか、なぜ自分は面白かったのか  自然淘汰がなぜ起こるのか。それは偶然なのか、必然なのか。そして、人はなぜ生きるのか。そういった永遠のテーマを新しい視点から考察しており、本書を読み終えると著者の考えに少し共感できるようになるのが不思議である。

Posted byブクログ