むぎわらぼうし の商品レビュー
わたしの なつは、 どこへ いって しまうの? 主人公「るるこ」の、おねえさんが秋だと言っても、まだ夏だと言い張り、むぎわらぼうしを被ろうとする、その一途な思いとは、いったいなんなのか? それは、るるこの、繊細な心に触れる美しい物語。 表紙の、るるこの印象的な立ち姿は、決...
わたしの なつは、 どこへ いって しまうの? 主人公「るるこ」の、おねえさんが秋だと言っても、まだ夏だと言い張り、むぎわらぼうしを被ろうとする、その一途な思いとは、いったいなんなのか? それは、るるこの、繊細な心に触れる美しい物語。 表紙の、るるこの印象的な立ち姿は、決して恥ずかしがっているわけではなく、物語を読むと、その意味するところが分かり、背景の美しい海の光景が、まるで幻想味を帯びてくるような気がしてしまい、より切なさが増す。 むぎわらぼうしは、むぎわらの匂いであるとともに、ひなたの匂いがする。 それは、ちょうどあの時、飛んできたぼうしが、お日さまと重なった瞬間への入り口でもあった。 むぎわらぼうしさえあれば、夏は何処へもいかないと思っていたのに・・・背景の色の変化が、そのまま、るるこの心の思いを表している。 いや、無くたって、夏は毎年来るに決まっているじゃないかと、思われるかもしれないが、そうではなく、るるこにとっては、そのむぎわらぼうしと共にあった夏こそが、夏なのである。 繊細な少女が、かけがえのない一瞬のひと時を、どれだけ愛おしく大切に過ごし、かつ、それを、ずうっと思い続けているのかを教えてくれる物語は、いせさんの、きらきらした、美しくも胸に刺さる絵柄と共に、少女の心象風景も瑞々しく表現された、安易に「また夏は帰ってくるよ」とは言えないような、るるこ本人にしか分からない、るるこの感傷の物語であった。
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絵本を読んで、ほぅーっと久しぶりに息をついた気がした 波も麦も、いせひでこさんにかかればこんなにも新鮮でうつくしく見える 最後の結末にがっかり拍子抜けしつつ、でもホッとする
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【9月の絵本】◆夏の名残り。ひなたの匂い。楽しい思い出があるから、大切なむぎわらぼうしなのです。深くかぶって、思いのたけ夏に浸って、今年の夏を卒業します。外には新しい季節が待っています。 ◆青が美しい。絵:いせ ひでこ ◆瀬川康男の絵本『ぼうし』を読んで、無性に一緒に読みたくなって借りてきました。 【2013/09/28】
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夏の終わり。まだまだ、お気に入りの麦わら帽子をかぶりたいるるこ。でもね、麦わら帽子のやぶれたとこから、夏が出て行ってしまいました。 夏の終わりの、ちょっと寂しいかんじを叙情的に描いた絵本。
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