重力ピエロ の商品レビュー
文庫本版を読みました 長いです あまり本を読まないのでいくつかの挿話が長く感じました 複雑な過去を持った兄弟が事件を解決していく話と思いましたが、そうではなく最後100ページくらいからは驚きでした
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上手とは思う。ただ、軽さを爽やかさと取るか浅薄さと取るか。どちらにしても深い面白みというのは感じ取れなかった。
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小難しい歴史や偉人の言葉を引用して、ウィットな表現でハートフルな内容を訴える小説です。 その感じが伊坂幸太郎っぽくて、安心して楽しめました(笑) 「おまえが仮に法を犯しても、そこには何か理由があるんだ、と俺は信じるよ。俺は社会よりも、俺の家族が大事なんだ。」 これは主人公たち...
小難しい歴史や偉人の言葉を引用して、ウィットな表現でハートフルな内容を訴える小説です。 その感じが伊坂幸太郎っぽくて、安心して楽しめました(笑) 「おまえが仮に法を犯しても、そこには何か理由があるんだ、と俺は信じるよ。俺は社会よりも、俺の家族が大事なんだ。」 これは主人公たちのお父さんのセリフですが、社会的には間違っていても、子供の味方でいてあげたいという気持ちって、親だからって当たり前ではないと思います。 私も、子供から好かれ、子供に対しても社会よりも家族が大事なんだって言えるお父さんになりたいと思いました。
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伊坂幸太郎の作品でも人気なものらしいので読んでみた。 んー。重い。読み終わったあとのずっしり重い感じ、ゴールデンスランバーしかまだ読んだことはなかったが、読み口がサラリとしてる部分は伊坂幸太郎っぽいなーと思いながらも、やはり主人公の心情のジワジワと首を絞めてくる黒い液体に飲み込ま...
伊坂幸太郎の作品でも人気なものらしいので読んでみた。 んー。重い。読み終わったあとのずっしり重い感じ、ゴールデンスランバーしかまだ読んだことはなかったが、読み口がサラリとしてる部分は伊坂幸太郎っぽいなーと思いながらも、やはり主人公の心情のジワジワと首を絞めてくる黒い液体に飲み込まれる感覚を共感できる所が読み手を圧巻させたと思う。ラストの描き方がやはり伊坂幸太郎とは最高の作家だと思わせる。社会とは何か、道徳とはなにか。法律とは何か、弁護士のためにあるのだろう。その言葉が印象的だった。事の一片しか知らない者に決められるような事ではない。 絶対悪ではない自分にしかわからない問題に押しつぶされそうになった時、もう一度読み返してみたいと思う作品だった。 やっぱり物語の終わらせ方が天才的。
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レイプによって生まれたという設定から引き込まれたし、登場人物が愛せる。 遺伝子の基礎知識があったのでより楽しめた。
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春が二階から落ちてきた。 この一文で一気に入り込める。青春、家族劇。 主人公の兄、和泉、弟の春。優しく強い父、美しく芯の強い母、仇役、キャラクターが絶妙に組み込まれており分かりやすいけど、クドすぎない感じが良かった。 仙台市を舞台とする事が多い著者だが、土地勘があると少しだけ楽し...
春が二階から落ちてきた。 この一文で一気に入り込める。青春、家族劇。 主人公の兄、和泉、弟の春。優しく強い父、美しく芯の強い母、仇役、キャラクターが絶妙に組み込まれており分かりやすいけど、クドすぎない感じが良かった。 仙台市を舞台とする事が多い著者だが、土地勘があると少しだけ楽しめる部分もある。
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泉水と春。2人は兄弟だが父親が異なる。 弟の春は母が強姦魔に襲われてできた子だった。 彼等が大人になってから、連続放火とその火事現場を予見させるグラフィティアートが出現する。これらの謎解きに取り組んだ末に訪れる真実とは・・・ 目次をみた途端、その余りに細分化された章にクラクラし...
泉水と春。2人は兄弟だが父親が異なる。 弟の春は母が強姦魔に襲われてできた子だった。 彼等が大人になってから、連続放火とその火事現場を予見させるグラフィティアートが出現する。これらの謎解きに取り組んだ末に訪れる真実とは・・・ 目次をみた途端、その余りに細分化された章にクラクラしてしまった。ところが読み進めると、この章の切替のおかげで、幾分間延びした感じの構成が輪郭を保ってくれていた。ても目次一覧でみるとやっぱり凄い・・・笑 過去に起こった辛い事件が卑劣すぎて、その事実を知った春の生き方に胸が詰まった。きっと自分の存在自体を無くしてしまいたかっただろうし、危うい精神状態になるのも無理はないと思う。 一方で、そんな春のことを確かな愛で守ろうとした家族の姿にも、苦しくて胸が張り裂けそうになった。 伊坂幸太郎さんお得意の本線からの脱線と比喩が巧みで、ウィットに富んでいた。伊坂ワールド全開なので、好きな方には堪らない作品だと思う。 ただ展開が緩やかな上に、多様な引用の影響で、私は途中で何度か脱落しそうになった。そんな時ラッシュライフぶりの泥棒の黒澤さんに再会出来たので、何とか気持ちを繋げて読むことが出来た。 ミステリー要素は控えめだったが、辛い過去の事件を抱えて生きる家族の姿がよく描かれた作品だと思う。出来れば、本線から逸れてしまっても、父だけでなく母も存命のままで描いて欲しかった。 読後、改めてタイトルの『重力ピエロ』の意味がジワジワと沁みてくるような作品だった。
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章が短く区切られていく感じが普段は苦手なんですが、こちらは上手くできてるなという感じで読めました、面白かったです。
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2003年刊行、伊坂幸太郎さんの初期作品です。 多くの方が「伊坂ワールド」として実感している、個性的なキャラクター、軽快な語り口、機知、洗練されたユーモア感覚、洒落た引用や比喩等は、もうこの頃から全開です。 ただ本作は、ミステリーとしての醍醐味を前面に打ち出さず、悲しい過...
2003年刊行、伊坂幸太郎さんの初期作品です。 多くの方が「伊坂ワールド」として実感している、個性的なキャラクター、軽快な語り口、機知、洗練されたユーモア感覚、洒落た引用や比喩等は、もうこの頃から全開です。 ただ本作は、ミステリーとしての醍醐味を前面に打ち出さず、悲しい過去を抱えながら生きる家族にスポットを当てた物語、と言える気がしました。 内容としては、とても痛々しく深刻で、私・泉水の弟・春の生い立ちも生きていくことも、全てが苦悩に満ちたものです(ネタバレで物語の根幹なので伏せます)。 しかし、流石の伊坂さん。作中の『本当に深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ』のセリフの通り、軽快な会話と展開のテンポのよさで、切なさと面白さのバランスが見事に両立しているようです。 抗えない重力はあっても、観る人に大変さを感じさせず、軽々と空中を飛ぶサーカスのピエロ。しかも泣き笑いの表情でユーモアを振りまきながら‥。 この本作を完全に集約する表題は、読後にその意味を理解するほど、秀逸さを実感しました。 純真さ、切なさ、そして可笑しさと愛おしさにあふれた物語でした。
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