重力ピエロ の商品レビュー
心地よい重さ
人物や描写、話の構成などは非常に軽快かつ爽快なのだが「強姦」「性」「復讐」と重いテーマを扱っているため、読んでいながら軽さの背後に常にどんよりとしたものを感じられ、それが何とも心地よかった。 またいつもどおり、人物のキャラが立ちまくっているので読みやすさはトップクラスの作品...
人物や描写、話の構成などは非常に軽快かつ爽快なのだが「強姦」「性」「復讐」と重いテーマを扱っているため、読んでいながら軽さの背後に常にどんよりとしたものを感じられ、それが何とも心地よかった。 またいつもどおり、人物のキャラが立ちまくっているので読みやすさはトップクラスの作品だ ただ「伊坂幸太郎らしさ」が非常に濃い作品なので他の伊坂作品を「面白くない」と感じたことがあるなら手にすることはお勧めできない。 逆に伊坂の独特の言葉使いとセンスが好きなら間違いない作品になっている。
RUI3
この作品がきっかけで…
この作品がきっかけで井坂さんの作品が好きになりました。私にとってはとても読みやすかったです
文庫OFF
この人は会話をテンポ…
この人は会話をテンポ良く進ませるのが上手い。会話で人を煙にまくのが上手い。そして煙にまかれてしまうのは登場人物(会話の相手)であったり読み手であったり、その両方だったりする訳なのです。主軸の兄弟の背景があまりに重すぎるのは難点だけど、そこが話の肝になるので省く事はあり得ないんで仕...
この人は会話をテンポ良く進ませるのが上手い。会話で人を煙にまくのが上手い。そして煙にまかれてしまうのは登場人物(会話の相手)であったり読み手であったり、その両方だったりする訳なのです。主軸の兄弟の背景があまりに重すぎるのは難点だけど、そこが話の肝になるので省く事はあり得ないんで仕方ないかな。ただその重さをあまり感じさせずに読ませるのは、やっぱり「会話の妙」なんだろうなあ、と思う。
文庫OFF
ミステリテイストの「…
ミステリテイストの「家族」小説だと思いました。春と、泉水と、お父さんと、お母さん。この一家が、とても魅力的です。春と泉水の兄弟は本当に可愛いと思います。 このお話の後の二人はどうなるのかも、気になります。 続きが知りたくなってしまいました。
文庫OFF
壁に書かれる落書きと…
壁に書かれる落書きと連続放火事件の謎を追う泉水と弟の春、そして父。彼ら家族が抱える辛い過去。犯人は?この話のテーマは家族を通して描かれる犯罪の本質と愛情。人物描写が驚くほど魅力的で、悲しい結末のはずが、爽やかな感動を与える。重い話ほど楽しく話すべき。楽しそうに綱渡りするピエロに重...
壁に書かれる落書きと連続放火事件の謎を追う泉水と弟の春、そして父。彼ら家族が抱える辛い過去。犯人は?この話のテーマは家族を通して描かれる犯罪の本質と愛情。人物描写が驚くほど魅力的で、悲しい結末のはずが、爽やかな感動を与える。重い話ほど楽しく話すべき。楽しそうに綱渡りするピエロに重力はかからない、だから落ちないし、落ちても怪我しない、というエピソードが小説全体の雰囲気を作っている。私は見事にはまった。文句なしの傑作。
文庫OFF
「春が二階から落ちて…
「春が二階から落ちてきた。」とにかくこの一文が印象深い作品。父親が違う兄弟、泉水と春は、連続放火事件と現場に残された落書きの関連性について調べていく。遺伝子の呪縛と家族愛について語られた話だが、人物同士のやり取りが洒脱で軽妙なぶん、重くなりすぎずに独特の爽快感がある。
文庫OFF
ミステリとも、家族小…
ミステリとも、家族小説とも、はたまた青春小説とも云える作品なのではないでしょうか?ボリュームのある小説ですが、無駄が一つもない。すべてがきちんと繋がっている。そして、さらりと読める。中々重い内容ですが、最後は感動が待っている。私は不覚にも泣きそうになってしまいました。
文庫OFF
伊坂哲学が爆裂の作品…
伊坂哲学が爆裂の作品。不幸な生い立ちの弟が持つ固執した考え方や遺伝子、芸術についての意見は面白い。推理小説としての楽しみは正直二の次。登場人物の洒落た言葉が印象に残る。まずは『オーデュボンの祈り』を読んでからこちらを読む事をおススメします。
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泉と春、二人は半分し…
泉と春、二人は半分しか血が繋がっていない兄弟。そんな二人の周囲で、謎の連続放火事件が起きる。設定はとても重いものなのに、どこか爽快に読めてしまうのは人物のおかげ。ミステリ的要素よりも、家族愛のほうが印象に残る話。
文庫OFF
特にオリジナリティー…
特にオリジナリティーあふれる作品というわけではないが、いい作品だと思った。現在の放火事件の謎と、過去が絡み合いながら、怒りや悲しみが描かれていた。これといって推すところはないが、ありきたりな感じがしない一冊。
文庫OFF