てつがくを着て、まちを歩こう の商品レビュー
服装ひとつで人の印象はガラッと変わる。 ファッションは自分を表現する手段のひとつ。 どちらもその通りだと思うのだが、「印象(impression)」の反対語は「表現(expresssion)」である。ファッションは元々、夏に着物に薄地の絹織物をはおることで見る人の目を涼ませたり、...
服装ひとつで人の印象はガラッと変わる。 ファッションは自分を表現する手段のひとつ。 どちらもその通りだと思うのだが、「印象(impression)」の反対語は「表現(expresssion)」である。ファッションは元々、夏に着物に薄地の絹織物をはおることで見る人の目を涼ませたり、艶やかな色の服で見る人の心を明るく楽しませたりする、ホスピタリティの精神から来るものであった。だが昨今では、「自分をどう見せるか」という表現の手段として捉えられることがほとんどである。また、その「どう見せるか」という点についても、自分らしさを追求しつつも、流行に乗った結果、結局周りと同じような格好をしているというどうも矛盾した状況にある。 女らしさも男らしさも、スーツのようなパリっとした格好もジーンズを履いたカジュアルな格好も、100%になるとどれも魅力は半減する。女らしさの中に見え隠れする男っぽさ、カジュアルさの中に入り交じる緊張感など、「ゆらぎ」「中途半端さ」の中に魅力がある。 …などなど、「ファッション」を切り口に人間の魅力や個性、現代人の感覚など様々な観点についての哲学的考察。どれも新しい視点で読んでいて楽しかった。
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ケータイ電話が日常のコミュニケーションの主流となり、現実とヴァーチャルな世界との境界がかぎりなく暖味なものになりつつある今日、ファッション、モードの世界はかつての規範から解きはなたれた人びとの思い思いの「てつがく」の交響の場となっている。目まぐるしく変遷するモードの世界に、変わる...
ケータイ電話が日常のコミュニケーションの主流となり、現実とヴァーチャルな世界との境界がかぎりなく暖味なものになりつつある今日、ファッション、モードの世界はかつての規範から解きはなたれた人びとの思い思いの「てつがく」の交響の場となっている。目まぐるしく変遷するモードの世界に、変わることのない肯 定的眼差しを送りつづけてきた著者のしなやかなファッション考現学。
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「センスはバランス感覚」おそらく鷲田さんが書いていたのはこの本だったはず…。 これ以上に適切な言葉が思い浮かばないほど実感させられる今この頃。
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服だけでなく身体、粋、他人への思いやりについて書かれている それらを身につけた上でのファッション はずし、余裕、美学 「おしゃれ」と「個性」という言葉になにか違和感を感じる人には特に読んでほしい 人と違う服を着るのだけがおしゃれじゃあ、ないんだよねぇ
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久々に読み返してみた。 ファッションにとらわれなくなった一冊。少なくとも私は。 粋っていいよなー、と思ったり。化ける化粧だけでよかったのになと思ったり。 なんか懐古趣味に走る私。少なくとも私は。 雑誌に寄せた文書を編集したものなので、同じ話が何回も出てきたりすることはあり...
久々に読み返してみた。 ファッションにとらわれなくなった一冊。少なくとも私は。 粋っていいよなー、と思ったり。化ける化粧だけでよかったのになと思ったり。 なんか懐古趣味に走る私。少なくとも私は。 雑誌に寄せた文書を編集したものなので、同じ話が何回も出てきたりすることはありますが全体的に読みやすいです。 これもてつがくなんだなー。
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スタイル、ファッションなどについて筆者が思うことを書いている。 私は、同じ服を何着も買って着まわしをするタイプだ。 そして基本ポリシーは、相手に不快感を与えないのがセンスの良さだと考える。
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ファッション心理学(?)の本です。 流行に乗っかるも乗っからないもスタイルの一つではあるんだなぁと思いました。 モードは自身を裏切ることを宿命としていると言われると、そうだなぁと思うと同時に じゃあ確かなファッションというものはあるのだろうかと考えてみたり。 他者を慮るファッショ...
ファッション心理学(?)の本です。 流行に乗っかるも乗っからないもスタイルの一つではあるんだなぁと思いました。 モードは自身を裏切ることを宿命としていると言われると、そうだなぁと思うと同時に じゃあ確かなファッションというものはあるのだろうかと考えてみたり。 他者を慮るファッションという考え方も私には新しいものでした。 京都生まれで舞妓さん(ドレスアップの極み)とお坊さん(ドレスダウンの極み)を 見て育ったことが著者に影響を与えたそうです。 ちょっと新しい発見が多すぎて何を書こうか迷うくらい面白い本でした。 「モードは、いまなにかが終わり、別の新たななにかがはじまりつつあるという感情を煽る。 つまり、現在という時を、過去と未来を分ける分水嶺として浮き立たせる。」 (ドイツの哲学者、社会学者 ゲオルグ・ジンメル)
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着飾りすぎるのは、格好わるい。そこには他人がいないからである。 ドレスアップと同時にドレスダウンも大事。
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鷲田さんがワイズ好きだったなんて。モード哲学者だったんね!おもしろかったよ。なにを着て、まちを歩こう。
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「現代の若い子は、なんで寒いのにミニスカートなんかはいてるんだろうなぁ」という素朴な疑問が解決した。
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