主婦と恋愛 の商品レビュー
夫と二人暮らしのチエミ。新たに知り合った年下の女の子やカメラマンのサカマキさんとの友達付き合いが描かれる。ちょっとずつ親しくなっていく感じ、なんとなくひかれていく感じがよい意味でフツーで良いなと思った。特筆すべきは、この小説は2002年の日韓ワールドカップが見事に絡めて書かれてい...
夫と二人暮らしのチエミ。新たに知り合った年下の女の子やカメラマンのサカマキさんとの友達付き合いが描かれる。ちょっとずつ親しくなっていく感じ、なんとなくひかれていく感じがよい意味でフツーで良いなと思った。特筆すべきは、この小説は2002年の日韓ワールドカップが見事に絡めて書かれていたことでした!それもかなり事実に忠実です。そのことは読むまで全く知らず、別の感情が揺り動かされ、大変に複雑な思いで読みました。個人的なことを書かせてもらえるのなら、2002年の6月の濃い〜時期というのは十分、めいっぱい堪能しましたが、自国開催でありながらただの一試合もスタジアムで観戦することがかなわなかったくやしさが甦ってしまい、自分で驚きました。鎮まったと思っていたはずなのに…(泣)選手の名前を知らない人でさえ、サッカーを初めて見る人でさえ抽選に当たりさえすればスタジアムに足を運ぶことができた。マイナスの感情がフツフツと甦り、今更ながら完全燃焼できなかった淋しさ空しさと理不尽さとで力が失われていくようでありました。未練がましいな。いいじゃないか忠彦やワカナちゃんのように自分だって楽しんだんだから!そうして読み進むうち2002年が懐かしさに変わりおだやかに読み終えた。こんな風にワールドカップが小説に使われるなんてオモシロイと思ったけれど、ドイツ大会がからんだ小説を書く人はまずいないだろうな。あっても忌々しいので私は絶対に読みませんが。
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おもしろかった! なんかドロっとしたタイトルなんだけど、内容は全然そんなことなくって、 恋愛未満の、なんだか気になる。。みたいな感情を細やかに描いたおはなし。 予想通りの行動をとられて、やっぱりねー、とか思ったり、 予想外の行動とられて、どうして?!ってイラッとしたり。 ある...
おもしろかった! なんかドロっとしたタイトルなんだけど、内容は全然そんなことなくって、 恋愛未満の、なんだか気になる。。みたいな感情を細やかに描いたおはなし。 予想通りの行動をとられて、やっぱりねー、とか思ったり、 予想外の行動とられて、どうして?!ってイラッとしたり。 あるある!って思いながらも、でも今まで意識したことなかった感情を意識させられた感じのおはなし。 (↑だから本読みはやめられないんだよなぁ) 著者はたしか「性同一性障害」だと聞いたけれど、 逆に(?)性別、性差にこだわらない雰囲気というか、 女性っぽい生々しさからは遠く、 でも、 男性っぽいロマンチシズム(っていうのか?)からも遠く、 どちらでもない中性的とでも言える繊細な描写がほんとに絶妙でよかったな。 (性別の問題ではないかもしれないのは、承知のうえだけど) ちょっと他のも読んでみたくなったな。
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『主婦と恋愛』藤野 千夜 忠彦/チエミ夫婦の物語。入り込める小説って登場人物たちの気持ちにシンクロできるものだけど(共感反感りょうほうともに)これは、微妙に沿うことができなかった。 でも、もう一冊読んでみたいな。 ルート225にしようかな。 最後までいけたのは、2002W杯の...
『主婦と恋愛』藤野 千夜 忠彦/チエミ夫婦の物語。入り込める小説って登場人物たちの気持ちにシンクロできるものだけど(共感反感りょうほうともに)これは、微妙に沿うことができなかった。 でも、もう一冊読んでみたいな。 ルート225にしようかな。 最後までいけたのは、2002W杯の時の設定で、熱烈なサッカーファンの夫の日本初戦の期待や不安、ロシア戦後の歓喜や街の風景、決勝戦に日に新横浜まででかけていった時の競技場付近の様子が描かれていて懐かしかったから。
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そのまんまの題名に惚れた。内容も現実の主婦の独りよがりっぷりが的確に描写。期待と抑制と諦めの三すくみ状態。
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この筆者のは初めて読んだ。一昨日まで林真理子を読んでいたので、同じテーマでこの違いはナニ?(笑)。話が日韓W杯のときの話で、あー、こんな毎日だったよなー、と思い出しながら読み進めた。ほんわかした主人公の気持ちが心地よかった。
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ああ、藤野さんとっても上手いなぁ…と感嘆した一作。私は主婦じゃないけど、冴えない旦那はいるけど、飄々としたカメラマンとかカッコいい美容師さんとかに浮気じゃないんだけど、ほのなかな生活の潤いを見つけるその感じ、結局とくに何もないけどそのちょっとしたうきうき具合がすごくよくわかった。...
ああ、藤野さんとっても上手いなぁ…と感嘆した一作。私は主婦じゃないけど、冴えない旦那はいるけど、飄々としたカメラマンとかカッコいい美容師さんとかに浮気じゃないんだけど、ほのなかな生活の潤いを見つけるその感じ、結局とくに何もないけどそのちょっとしたうきうき具合がすごくよくわかった。多分私も主婦になったらこういう淡い気持ちを誰かに抱いて生きていくんだろう。そういうのって最悪で最低で陳腐でいいよね。
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7/20 藤野千夜の軽い話の中に盛り込まれた毒、みたいな雰囲気に慣れてきたせいかさらっと読めて読後感も爽やかで、楽しかった。不思議な視点を持った人だなあといつも思う。
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主人公の意識から3〜5mくらい離れてる感じの地の文、主人公自身も自分の意識から0.5〜1.5mくらい離れてる。そういう強さとか怖さとか、を、勝手に感じて怯えているのは、この本の面白さとはそれほど関係ないのに。
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力作! よくあるようなことが、淡々とリアルに書かれていて、小説特有のくどさがない。ほんと、現実ってこんな感じ。後味もいい。
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前回のW杯、日韓大会があった6月が物語の舞台で、サッカーの試合を観戦するシーンなどバンバン出てくるので、読書のタイミング的にはどんぴしゃり!にわかサッカーファンと化して、やたら熱くなっていた4年前のことを懐かしく思い返しました。そうそう、日本中を熱狂の渦に巻き込んでましたもんね...
前回のW杯、日韓大会があった6月が物語の舞台で、サッカーの試合を観戦するシーンなどバンバン出てくるので、読書のタイミング的にはどんぴしゃり!にわかサッカーファンと化して、やたら熱くなっていた4年前のことを懐かしく思い返しました。そうそう、日本中を熱狂の渦に巻き込んでましたもんね。フィクションとはあるけど、現実にどこかで起こっていたとしても…と、思わせてしまうところがあるお話でした。 譲って貰ったサッカーの試合観戦チケットが取り持った不思議なご縁。ふとしたことから知り合った、ご近所に住む笑顔が印象的なプロカメラマンのサカマキさんに、初対面の印象は最悪。けど、いつしか心惹かれ、心揺らすようになってしまった主婦チエミの内面を、さくっとした感触で、ややシニカルにコミカルに描いたお話です。W杯という祭りの熱狂が乗り移ったかのように、戸惑いながらもいつしかサカマキさんに心が傾いていくチエミちゃんが、すっごく可愛い。まるで「ダンナ=日常 サカマキさん=非日常」みたい。非日常が日常になるか、跳び越える時が来るのか!とドキドキワクワクしながら、その行方を見守っていたのでした。 最初この本を手にした時「なぜこの装幀?」不思議に思ったんですが、読み終えた後にじーーーーっと眺めると「なるほどね」と腑に落ちること、間違いなし!妻の傾いちゃった心を、こっそり軌道修正しようとするチエミのダンナさまが、微笑ましいんです。そのやり方が(笑)。
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