孤独か、それに等しいもの の商品レビュー
大切な人の死に苦しみながら、この世に繋ぎとめられてしまった人が、そこから先の生を受け入れ、再生をはじめていく。しばらくやめてしまっていた読書に、また夢中にならせてくれた本。
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大崎善生の小説は、冒頭に印象的な文章が来てるものが多い。 この短編集に収められているうちの「だらだらとこの坂道を下っていこう」「孤独か、それに等しいもの」「シンパシー」の三つも、印象的な冒頭で始まってる。 適度に抽象的で、そして強いメッセージ性があって、一瞬にして物語の中に引...
大崎善生の小説は、冒頭に印象的な文章が来てるものが多い。 この短編集に収められているうちの「だらだらとこの坂道を下っていこう」「孤独か、それに等しいもの」「シンパシー」の三つも、印象的な冒頭で始まってる。 適度に抽象的で、そして強いメッセージ性があって、一瞬にして物語の中に引き込まれる。 「だらだらと〜」は常々私が思っていること。上り坂を登り続けるだけが人生じゃない。いい人生を送るには、下り坂を上手く下っていくことも同じくらい大切。 「八月の傾斜」は、失うということについて。 “失うっていうことは、それは本当に喪失してしまうことだから、きっと失ってしまったあとでは何を失ったかすらわからないんじゃないかな。” これも、一、二年前からなんとなく考えていること。そして就職しようとしてる私は今まさに“何か”を失おうとしている。でも、“失う”と同時に別の“何か”を手に入れることができるって、大崎善生はこの話を通して伝えてる。読んでて心が温まる話。
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喪失。突然の喪失、緩やかな喪失、 けれどそれと入れ違いに入り込む新たな息吹。 失っても、生きていく。 いくつもの矛盾をソウルケージに閉じ込めて。
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よい。とても共感できるし、設定も綿密。 性描写は若干多いけれど、この心情や哀愁を文章で伝えるにはこれが最適であり必要なんだと思う。
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大崎善生の短編小説集。 主人公が女性なのですが、どうしても男性が書く女性心理は少し無理があるのかなって思ったりします。 まあ、物語としては面白いと思います。
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5作のストーリーが収録されてます。 この著者の作品は、私には余韻が残りすぎて、一話が終わっても次の話になかなか進めなくて困った^^;気持ちをなかなか切り替えることが出来なかった。 どのストーリーも好きだけど、表題作が一番心に残りました。
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変わらず透明感のある文体。『今日一日かけて何を失っていくのだろうか』大切なものを失くした人たちの物語。再生を描いたわけでもなく、ただ孤独なストーリー。考えさせられることが大きい物語。
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何かで推薦されていたので期待してだけど。。。 「喪失」しすぎてて読み終わった後、なんだか気分が悪くなりました。過去にすがりすぎ!
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文章が綺麗で好き。軽く読める。短編の中に丁寧に編み込まれたメッセージが時折キラキラと光っている。「ピアスをあけてしまったら、大切なものを失ってしまうかもしれない」 時々主人公がおセンチになりすぎな感がある。
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2006.09.28 あんまりぱっとしなかったなあ…人が死にすぎ… 長文のほうが雰囲気があるのかな。このひとは。
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