孤独か、それに等しいもの の商品レビュー
八月の傾斜。 だらだらとこの坂道を下っていこう。 孤独か、それに等しいもの。 シンパシー。 ソウルケージ。 の五編。 孤独か、それに等しいもの。が一番よかったかな。
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短編5編。それぞれの崩壊と再生の物語。 「失うってことは、それは本当に喪失してしまうことだから、きっと失ってしまったあとでは何を失ったかすらわからないんじゃないかな。」
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なんといってもこの表題。わたしは表題に惹かれてこの本を手にとりました。孤独って考えたことがなかったな・・・この本を読んだ時にはわからなかった感情をあとで経験したり、昔のこのもやもたした気持ちは孤独だったのだな、といろんな発見がありました。私にとってすごく感慨深い作品です。ただ、や...
なんといってもこの表題。わたしは表題に惹かれてこの本を手にとりました。孤独って考えたことがなかったな・・・この本を読んだ時にはわからなかった感情をあとで経験したり、昔のこのもやもたした気持ちは孤独だったのだな、といろんな発見がありました。私にとってすごく感慨深い作品です。ただ、やはり重い内容でした
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タイトルがいいんだよね。 「孤独か、それに等しいもの」 この言葉の響きが好き。 作品集で、5作入ってるんだけど好きなのは 「八月の傾斜」 「ソウルケージ」 割と、暗くて重い話ばかりで 読むとしんどいなって思うときもあるけど でも、共感するというかシックリくるというか...
タイトルがいいんだよね。 「孤独か、それに等しいもの」 この言葉の響きが好き。 作品集で、5作入ってるんだけど好きなのは 「八月の傾斜」 「ソウルケージ」 割と、暗くて重い話ばかりで 読むとしんどいなって思うときもあるけど でも、共感するというかシックリくるというか・・・
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すごくわかりやすくて、とてもわかりにくい、 毎日の退屈の中に溶け込んでしまっている「孤独」とか、「不安」が、 ぽっかりと浮き彫りにされていく感じ。 孤独が残すものが、痛みだけだと感じないのは、 多分その後ろの景色がすごくやさしいからだろう。 かなしくてさみしくてどう...
すごくわかりやすくて、とてもわかりにくい、 毎日の退屈の中に溶け込んでしまっている「孤独」とか、「不安」が、 ぽっかりと浮き彫りにされていく感じ。 孤独が残すものが、痛みだけだと感じないのは、 多分その後ろの景色がすごくやさしいからだろう。 かなしくてさみしくてどうしようもなくて でも最後には、前に進まずには居られないんだと教えてくれるようなお話が詰まってます。
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大久保君が恋しいわけではない。 二度と取り戻すことのできない記憶の堆積物に、 私は勝手に大久保君という名前をつけて 呼んでいるだけなのかもしれないのだ。 私が恋しいと思っているものも、 記憶の堆積物に違いがないと思う。
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再生がテーマの短編集。八月の傾斜は良かったんじゃないかと思った。 読み進めるうちにこの作家、めちゃくちゃ村上春樹に影響受けてるなぁと。村上春樹の孤独感は世界が作り上げられていてすきだけど、ここの登場人物はなんか悲劇にしても押し付けがましいところがあった。う〜ん、、、最後を綺麗に終...
再生がテーマの短編集。八月の傾斜は良かったんじゃないかと思った。 読み進めるうちにこの作家、めちゃくちゃ村上春樹に影響受けてるなぁと。村上春樹の孤独感は世界が作り上げられていてすきだけど、ここの登場人物はなんか悲劇にしても押し付けがましいところがあった。う〜ん、、、最後を綺麗に終わるようにもっていってる感じもどうかと…。
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センチメンタルすぎる短編集。 最初の作品「八月の傾斜」で、あ、わたしこの人ダメっぽいわ、と薄々嫌な予感はしたものの、一応読了。 というのはですね、つまり、わかりやすすぎるんです。比喩表現にしても感情表現にしても、人間ってそんなに極端で単純な生き物じゃないだろう、と突っ込みたくな...
センチメンタルすぎる短編集。 最初の作品「八月の傾斜」で、あ、わたしこの人ダメっぽいわ、と薄々嫌な予感はしたものの、一応読了。 というのはですね、つまり、わかりやすすぎるんです。比喩表現にしても感情表現にしても、人間ってそんなに極端で単純な生き物じゃないだろう、と突っ込みたくなる。 心の中の熊?赤いスニーカーと紋白蝶?ピアスをあけたら失う大切なもの?何を言ってるんだ? 人の心というのは、そんなに簡単に壊れるようにはできていないし、壊れることすらせずに麻痺することを選ぶ、そんな弱い人たちの姿は見ていて不快です。 日常や年月というのは筆者が思っているよりもずっと強くて確かなものだし、それを噛み締めることができない人間は安定できなくて当然なんです。 それはつまり、日常や年月に救われることのない人々は、それらを大事にしてこなかったということなんだから。 そういった「日常と人間との関係性」をそっくり放棄した物語の展開に加味して、さらに気になるのが性別の問題。 この人、女性観点でモノを書くべきじゃないです。そうするにはロマンチストすぎる。男から見た女、観念的な女、そういうものを描いている。 良くも悪くも整合された「お話」なんですよね。 登場人物にしても、情景や思考回路にしても比喩にしても展開にしても、すべて「いかにもありそうなこと」で「あったら美しい」けれども、現実には存在しえないものばかり。 どう読めばいいのかわからないし、感情移入も難しいし、わたしにはこの著者の描く世界はダメでした。
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表題作<孤独か、それに等しいもの>を含む5編からなる短編集。個人的には、大崎作品は2作目。 今作に共通して流れるのは、主人公が抱える「過去の記憶」→「今の喪失感」とストーリーの「静謐さ」。 それが、読み始めてすぐにサーっと心の中を支配して、読み進めれば進めたでさらに深化してく感覚...
表題作<孤独か、それに等しいもの>を含む5編からなる短編集。個人的には、大崎作品は2作目。 今作に共通して流れるのは、主人公が抱える「過去の記憶」→「今の喪失感」とストーリーの「静謐さ」。 それが、読み始めてすぐにサーっと心の中を支配して、読み進めれば進めたでさらに深化してく感覚を覚える作品。 読了後に強烈に感じたのは、喪失感ってのは厄介で、さらにその原因である過去の記憶ってやつはもっと厄介な存在なんだということ。 きっと僕は、こういったことが怖くて変化することに大きな抵抗があるんだろうなーと改めて感じた。 ちなみに作中一番印象に残ったのは、 「前提とか、接続詞や比喩を取り除けば、美しく簡明な言葉ができあがるのと理屈は同じことである。 私はヒロシくんが好きなのだ。」 って文章。 やはりシンプルな言葉ってのは美しい。
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ピアス穴を開けようと思っているという私の言葉に大久保君は、間髪入れずにそう答えたのだ。 「大切なものを失くしてしまうよ」と。(P.11、『八月の傾斜』) 高校生や大学生が(少なくとも俺にはそう見えているのだが)何のためらいもなく開けているピアスの穴。 俺はその穴を開けようと思...
ピアス穴を開けようと思っているという私の言葉に大久保君は、間髪入れずにそう答えたのだ。 「大切なものを失くしてしまうよ」と。(P.11、『八月の傾斜』) 高校生や大学生が(少なくとも俺にはそう見えているのだが)何のためらいもなく開けているピアスの穴。 俺はその穴を開けようと思ったことはない。 開けようと思ったことがない人には、この作品に”語られる”ような理由を持つ人もいるのかもしれない。 ”記憶への呪縛” 恋人との思い出は長く残るものだろう。 特に、付き合ってる状態で相手に死なれたらなおさらだ。 この作品ではそこに面白さを感じた。 死者は時間が止まっている。 生者は時間が動く。 生きている者にはまだ未来があるが、過去をすべて抱えた上でしか未来は存在しえない。 でも、誰にでも忘れたい過去があるのではないだろうか? 消したい記憶。 でも思い出は消したくない。 その葛藤を、大崎流の”恋愛小説”に乗せて表現したと俺は捉えた。 個人的にはこの作品が作家・大崎善生の最高傑作だと思う。 上のほか4編。
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