孤独か、それに等しいもの の商品レビュー
孤独、痛み、苦しみからの再生。痛みが切々と伝わってきて涙が出てくる。その中に優しさがある。 綺麗だけじゃない、大崎善生の表現、好きだな。
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「孤独か、それに等しいもの」大崎善生 「愛」の小説いろいろ集。透き通った青。 最近人気らしい、大崎善生さんの短編集。 軽い読み口、愛のかたち、裏に潜むシリアスさ。 一番印象に残ったのは『シンパシー』でした。主人公の彼の思うところがとても普通で、それなのに飽きなかった。 ...
「孤独か、それに等しいもの」大崎善生 「愛」の小説いろいろ集。透き通った青。 最近人気らしい、大崎善生さんの短編集。 軽い読み口、愛のかたち、裏に潜むシリアスさ。 一番印象に残ったのは『シンパシー』でした。主人公の彼の思うところがとても普通で、それなのに飽きなかった。 何故だか分からないけど・・・。 でもこういう作品を読むといつも思うのは、自分は決して綺麗な小説に全身が吸い込まれる ってことはないんだな、ということ。 あくまで本の中にあるストーリーを、テレビでも見ているような気になって読んでしまう。とても残念です。 もちろん嫌いな訳ではないですよ。でもそうなんだなぁと。(4)
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大崎さんの短編集。 この人が書きたい方法・ものごとが少し分かった気がする。 そして、それが好きだと思う。 多分、何度か読み返すだろう本です。 なぜだか勝手に、この人は男性を書くと思っていたので、「八月の傾斜」の語り手が女性だと気づいたとき慌てて最初から読み直した。 「ソウルケ...
大崎さんの短編集。 この人が書きたい方法・ものごとが少し分かった気がする。 そして、それが好きだと思う。 多分、何度か読み返すだろう本です。 なぜだか勝手に、この人は男性を書くと思っていたので、「八月の傾斜」の語り手が女性だと気づいたとき慌てて最初から読み直した。 「ソウルケージ」が凄く良くて、『ラバーソウル』を今すぐに買いに行きたいと思ったくらい。 これだけのページでこんなに沢山のことが起きて、人が傷ついて癒され始めたりする。気温だとか美しい景色だとか、そういうのと同じくらい痛みとか不快さだとかが迫ってくる。 ドラマティックが過ぎると普段なら思うかもしれないけど、今わたしが読みたかったのはこういう本でした。 不思議なのは、連作でもなんでもないのに、今まで読んだ大崎さんのストーリーが想起されることで、ぜんぶ引っ張られて広がり始めてしまうこと。また次も読みたい人です。
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大崎さんはタイトルをつけるのが上手い。 個性を強く持たない人物が、何かを体験して成長するストーリー。彼らは捨てたものを回顧しては前へ進む。
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「八月の傾斜」「だらだらとこの坂道を下っていこう」 「孤独か、それに等しいもの」「シンパシー」「ソウルケージ」 の五編が収められている。 「だらだらと‥」以外の短編に共通するのは、 主人公の身近な人が事故死や自殺・心中等を遂げること。 喪失と回復。 悲惨な現実の中に注がれる...
「八月の傾斜」「だらだらとこの坂道を下っていこう」 「孤独か、それに等しいもの」「シンパシー」「ソウルケージ」 の五編が収められている。 「だらだらと‥」以外の短編に共通するのは、 主人公の身近な人が事故死や自殺・心中等を遂げること。 喪失と回復。 悲惨な現実の中に注がれる一筋の光、つまり「希望」のようなもの。 大崎さんの視線はいつも温かい。
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最初に読んだこの人の作品は、「聖の青春」だったから、 この人はずっと、聖の死によって感じたことを、手を変え品を変え 表現しているのだと、勝手に思い込んで読み始めました。 こうも「喪失感」みたいなものをテーマに、 書き続けるのは、それだけじゃないのかも。 さらにこれが続くのはち...
最初に読んだこの人の作品は、「聖の青春」だったから、 この人はずっと、聖の死によって感じたことを、手を変え品を変え 表現しているのだと、勝手に思い込んで読み始めました。 こうも「喪失感」みたいなものをテーマに、 書き続けるのは、それだけじゃないのかも。 さらにこれが続くのはちときつい。
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近しい人の死が必ず存在している短編小説。甘美な死の世界を、ノスタルジックな世界を描いている感じ。そういう意味じゃちょっとかっこつけすぎでなんか鼻につく。それにしても大崎善生は最初は面白いと思ったが、どれを読んでも描かれる場所や人物や行動が似すぎというより同じでつまらなくなってきた...
近しい人の死が必ず存在している短編小説。甘美な死の世界を、ノスタルジックな世界を描いている感じ。そういう意味じゃちょっとかっこつけすぎでなんか鼻につく。それにしても大崎善生は最初は面白いと思ったが、どれを読んでも描かれる場所や人物や行動が似すぎというより同じでつまらなくなってきた・・・。
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非日常的な話で共感とかないんだけど、共感させようとか作者が思わずに突っ走ってる感がいいです。 綺麗な文章で日常とかけ離れたストーリーでキャラクターで、とっても面白い映画をゆっくり見たような気分です。
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大崎善生の短編集。 「八月の傾斜」 「だらだらとこの坂道を下っていこう」 「孤独か、それに等しいもの」 「シンパシー」 「ソウルケージ」 どれにも描かれているのは、孤独と死と喪失である。 特に「孤独か、それに等しいもの」がいい。 いわゆる「双子もの」である。だ...
大崎善生の短編集。 「八月の傾斜」 「だらだらとこの坂道を下っていこう」 「孤独か、それに等しいもの」 「シンパシー」 「ソウルケージ」 どれにも描かれているのは、孤独と死と喪失である。 特に「孤独か、それに等しいもの」がいい。 いわゆる「双子もの」である。だが、この双子もので、いい作品というのはめったにないのである。私は、萩尾望都の「半神」が最高であっるとずっと思っている。そして、それに順ずるものはないと。 出たww 「孤独か、それに等しいもの」は「半神」の次によかった。 ちょっと導入が余分なのかと思わないでもないが(短編だから、もっとしぼってもよかったのかもしれない)ぱたんとシーンが変わるような効果は、確かに出ている。 くーーー。 泣かされてしまったよ…。
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◆あらすじ◆ 今日一日をかけて、私は何を失ってゆくのだろう───。 高校三年の初秋、ピアスの穴を開けようとする私に、恋人がささやいた一言───大切なものを失くしてしまうよ。 あれから九年を経て、私は決まりきった退屈きわまりない毎日を過ごしていた…(「八月の傾斜」)。 憂鬱にとらえ...
◆あらすじ◆ 今日一日をかけて、私は何を失ってゆくのだろう───。 高校三年の初秋、ピアスの穴を開けようとする私に、恋人がささやいた一言───大切なものを失くしてしまうよ。 あれから九年を経て、私は決まりきった退屈きわまりない毎日を過ごしていた…(「八月の傾斜」)。 憂鬱にとらえられ、かじかんでしまった女性の心を映しだし、灰色の日常に柔らかな光をそそぎこむ奇跡の小説全五篇。 明日への小さな一歩を後押しする珠玉の作品集。
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