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若者はなぜ3年で辞めるのか? の商品レビュー

3.8

358件のお客様レビュー

  1. 5つ

    68

  2. 4つ

    139

  3. 3つ

    111

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2014/04/09

 昔からよく、アルバイトは3日、3か月、3年が節目だと言われる。つまり、その時期に辞めてしまうという話だ。最初にこの本のタイトルを見たとき、そういう話の延長ではないかと思った。  そういう私も、辞めてしまうことはないものの、3年ごとに職場を動いている。最初の学校は5年、その後3...

 昔からよく、アルバイトは3日、3か月、3年が節目だと言われる。つまり、その時期に辞めてしまうという話だ。最初にこの本のタイトルを見たとき、そういう話の延長ではないかと思った。  そういう私も、辞めてしまうことはないものの、3年ごとに職場を動いている。最初の学校は5年、その後3年、3年、3年と、偶然でも3校続くと不思議なものだ。  一般的に言って、3年は短いと思う。最初の1年はほとんど思い通りの仕事ができない。2年目になってやっと慣れて、3年目でさあこれからという感じだ。異動してしまえば、また0からやり直しである。もっとも、私は3年の異動がちょうどいいように感じている。飽きてしまう前に、新鮮な気持ちで0からというのも悪いことばかりではない。  もっとも、この本はそういう話ではない。私が一番印象に残っているのは、年功序列はネズミ講であるというフレーズである。公務員の私ですら背中が寒くなるような一撃だ。でも、本当は今までの社会が異常で、格差社会と言われるこれからが正常なのかも、と思わせてくれるだけの説得力がある。私は既に40なので、このままのレールを行きたい気もするが、就職活動がまだこれからという若い世代の方には、ぜひ一読をお薦めしたい。

Posted byブクログ

2014/03/30

 とくに前半部分が面白い。若者を覆う閉塞感の元凶を「年功序列」(をはじめとした日本的な雇用制度・雇用慣習)だと解き明かす手際は、パラサイトがどーしたとか下流がなんだとかいうよりよほどリアリティがある。  就職活動が「自分探し」になった原因が、採用側の変化にあるという指摘は意外だっ...

 とくに前半部分が面白い。若者を覆う閉塞感の元凶を「年功序列」(をはじめとした日本的な雇用制度・雇用慣習)だと解き明かす手際は、パラサイトがどーしたとか下流がなんだとかいうよりよほどリアリティがある。  就職活動が「自分探し」になった原因が、採用側の変化にあるという指摘は意外だった。そうして入ってきた新人が、(年功序列ゆえ)結局は下っ端仕事でこき使われるのだからやめて当然と言われると、なるほどなぁって感じ。あれ? それじゃ企業の採用戦略と、現場の意識とが乖離していることが「3年でやめる」原因というわけか。(そこらへんも、きちんと言及してあります)  成果主義が行き詰まりを見せる中、「あのころはヨカッタ」と年功序列的な価値観を肯定する機運もなきにしもあらず。ニート、パラサイト・シングル、格差……といった問題を考える文脈において、この本の告発はとても意味があると思う。

Posted byブクログ

2019/05/25

この新書を買う前は最近の若者の勤労意欲が低下していることなどを書いているものと思っていました。ところが、読み始めたら全く違っていて、若者が3年で辞めるのは若者の責任ではなく、将来に希望が持てない今の日本の会社にこそ問題があることが強調してあり、非常に興味を持ちました。 年功序列...

この新書を買う前は最近の若者の勤労意欲が低下していることなどを書いているものと思っていました。ところが、読み始めたら全く違っていて、若者が3年で辞めるのは若者の責任ではなく、将来に希望が持てない今の日本の会社にこそ問題があることが強調してあり、非常に興味を持ちました。 年功序列制度の時代には、若いうちは低賃金と長時間労働に我慢して、でも、40代50代になると高い給料とそれなりの地位が与えられるというシステムだったが、それは多くの企業で崩壊しており、今の若い者は報われることのない労働を強いられている、という指摘が繰り返しなされています。 日本の若年層にフリーター・ニート問題があることはよく知られていますが、その責任が個人個人の資質ではなく、社会の仕組み(とくに中高年を温存する企業)に原因があるとした玄田有史著『仕事の中の曖昧な不安』(中公文庫)と同じく、若者を見つめる目の温かさに惹かれます。 著者は最後に 「明るい未来とは本来、人から与えられるものではなく、自分の手で築くものであるはずだ。その自覚を促すことこそ、本書の意図したところである。」 と結んでおり、私の若い学生さん達にも是非、読んでもらいたいと思った次第です。

Posted byブクログ

2013/12/22

タイトルが面白そうだったので読んでみた。今までバブル世代は楽して就職できていいと思っていたが、2章を読んでその印象が変わった。年功序列の長所と短所が色んな角度から知ることができて読んでいて参考になった。会社が若者を切り捨てるような対応をし続けるとどうなるのかがわかった。就職する前...

タイトルが面白そうだったので読んでみた。今までバブル世代は楽して就職できていいと思っていたが、2章を読んでその印象が変わった。年功序列の長所と短所が色んな角度から知ることができて読んでいて参考になった。会社が若者を切り捨てるような対応をし続けるとどうなるのかがわかった。就職する前に読みたい本。

Posted byブクログ

2013/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者は元・富士通の人事部にいて内部告発的な本を書いた人であるだけに、かなり後ろ向きなトーンで企業社会・年功序列が崩壊し実力・成果主義になったとはいえ、厳然と年功序列が残っていることを強調しているようです。なぜ3年で辞めるのかという、若者の心理を分析した本であることを期待したので期待はずれです。若者へのメッセージというのですが、書いている目的がはっきり分りません。

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2013/07/28

世代間格差の現実を浮き彫りにする本。これを読んで、確かに組織に振り回される人生っておかしくない?社員と会社が対等じゃないっておかしくない?組織のために個人が犠牲になりまくるシステムっておかしくない?と思い始めた。あと、終身雇用な。既得権益怖すぎ。ものごとの決定権持ってる人が、既得...

世代間格差の現実を浮き彫りにする本。これを読んで、確かに組織に振り回される人生っておかしくない?社員と会社が対等じゃないっておかしくない?組織のために個人が犠牲になりまくるシステムっておかしくない?と思い始めた。あと、終身雇用な。既得権益怖すぎ。ものごとの決定権持ってる人が、既得権益持ってる仕組みが最悪。

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2013/06/24

なぜ若者が3年で辞めるかのシステムを分かりやすく記した本。 ①少子高齢化で上が50代、60代が詰まっている現状 ②若手が成果をだして、ステップアップしても、それ以上がいけない環境。特に30代から。 ③システムを作るのが年寄りだということ。 ④年功序列を破壊し、成果主義にし...

なぜ若者が3年で辞めるかのシステムを分かりやすく記した本。 ①少子高齢化で上が50代、60代が詰まっている現状 ②若手が成果をだして、ステップアップしても、それ以上がいけない環境。特に30代から。 ③システムを作るのが年寄りだということ。 ④年功序列を破壊し、成果主義にしたところで、本当に全部をチャラにして、成果で金を計る年寄りはいない。 その結果増えるものは、年寄りどもの貯蓄高。社会保障費など税金。年寄りの寿命。若手の転職人口。比例するように、派遣社員とフリーター。 反対に減るのは、若手の給料。比例して出生率。 システムを作るのが年寄りである以上、成果主義を掲げるのは都合の良い嘘。 転職市場の充実や。途方も無い自分自身への自信。多様化した社会。 がさらに後押し。 現状は、 基本的に技術者は技術なくなればいらないし、 体育会系は、我慢強い頭脳の無い犬だから、好まれるだけ。 使えない年寄りも、希望退職金は2割増でそこに金を使えない。 しょーもないシステム。負の連鎖。結局年功序列こそが正。 高校生の夢。サラリーマンのやりなおしたい職業は、 年功序列の代表とよばれる「公務員」 【日本の教育システム】 正答が1つの問題を与え続けてきた。それが、 『与えられたものはなんでも出来るが、 特にやりたいことがない空っぽの人間を作り出してきた。』 今の社会は 精神的安定こそが、幸せで、レールに乗るのが正しい選択。 ただ、 『自分で道を決める自由』 が許されている社会。 『主体的に判断』し、行動し続けることが大事だ。 結構そのまんまな締め方。

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2013/03/25

内容は就活や仕事について書かれた本。 文庫本となったのは2006年で実際に書かれたのはもう少し前となる。予想や今後の流れとして書かれていることは現実に起こっている。まだまだ昭和の固い頭の方がいるのは分かっている。その方が今までの日本を作っていることも事実。しかし今の時代、またこれ...

内容は就活や仕事について書かれた本。 文庫本となったのは2006年で実際に書かれたのはもう少し前となる。予想や今後の流れとして書かれていることは現実に起こっている。まだまだ昭和の固い頭の方がいるのは分かっている。その方が今までの日本を作っていることも事実。しかし今の時代、またこれからの世界を考える目線を持たないと淘汰されてしまう。そんなことを改めて思った1冊でした。

Posted byブクログ

2013/03/13

目次 ・若者はなぜ3年で辞めるのか ・やる気を失った30代社員たち ・若者に付けを回す国 ・年功序列の光と影 ・日本人はなぜ年功序列を好むのか ・働く理由を取り戻す どこが参考になったのか ・若者が辞めるのを「わがまま」「忍耐不足」と揶揄する傾向があるが、これはシステムと前提と...

目次 ・若者はなぜ3年で辞めるのか ・やる気を失った30代社員たち ・若者に付けを回す国 ・年功序列の光と影 ・日本人はなぜ年功序列を好むのか ・働く理由を取り戻す どこが参考になったのか ・若者が辞めるのを「わがまま」「忍耐不足」と揶揄する傾向があるが、これはシステムと前提となるルール変更に影響されているものである。まず「わがまま」というのは、右肩成長ではなくなり採用計画が各年代の人数からはじき出される時代から、本人の専門性と企業の注力する対象に移行したことによる。(成果主義への移行もある)これにより、就活の際に学生は「自分とはどういう人材か」を考えることになる。それをした結果、一つの固まったイメージができる。そのため入った会社で少しでもミスマッチが起これば他へ移動(転職)してしまう。また「忍耐不足」とは年功序列型賃金が壊れ、ベビーブームの人材で上が詰まり、やりたいことがなく就職してしまったために、未来が見出せなくなっている。一定の賃金が保証されるならいいが、年功序列であがらないのであればやーめた、ということ ・日本人がなぜ年功序列を好むのか。2つの理由を考えた。1つは教育システムが年功序列に合っている。(考えさせない、上がえらい、答えがある問いを高速で処理する人間を小学~大学までつくっている)もう1つは奉公的な昭和的価値観が残っている。(何か大義に対して滅私で勤めること)現代社会に万人に通用する「大義」など無くなったのにもかかわらず ・若者がなすべきこと 比較的小さな組織で働くこと、自分の投資(時間や労働力)に対してリターン(賃金)が早い企業に勤めること、それらにかかわる環境の変化を感じる、調べること 批判すべきところはどこか ・主張によって学生像が変わっているように思える どんなときに読み返したいか ・備忘録として

Posted byブクログ

2013/02/24

年功序列制度がいかに破綻してきているか、そして若者にシワ寄せが来ているかの解説。 読んでみて新しく得るものは殆どないんだけれど、所々に出てくる企業の労働環境の実態の記述が生々しくて面白い(^ ^)

Posted byブクログ