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家守綺譚 の商品レビュー

4.3

643件のお客様レビュー

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「村田エフェンディ滞…

「村田エフェンディ滞土録」とリンクした本。 舞台は明治期の日本で、亡友の家にすむことになった主人公とその周りで起こる不思議についての掌編集。 「エフェンディ」がつくりで泣かせる作品ならば、「家守」は雰囲気とキャラクターで和ませてくれる作品でした。 植物が主なモチーフになっているの...

「村田エフェンディ滞土録」とリンクした本。 舞台は明治期の日本で、亡友の家にすむことになった主人公とその周りで起こる不思議についての掌編集。 「エフェンディ」がつくりで泣かせる作品ならば、「家守」は雰囲気とキャラクターで和ませてくれる作品でした。 植物が主なモチーフになっているので、詳しい方はいっそう楽しめると思います。

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それは、百年と少し前…

それは、百年と少し前の日本。亡き友人の屋敷の家守を請け負うことになった綿貫。サルスベリに惚れられたり、河童が庭の池に迷い込んだり、狸に化かされたりと、毎日のように不思議なものたちと触れ合う日々。極めつけは、死んだはずの友人・高遠が掛け軸から舟で会いにやってくる―。作品の中に流れて...

それは、百年と少し前の日本。亡き友人の屋敷の家守を請け負うことになった綿貫。サルスベリに惚れられたり、河童が庭の池に迷い込んだり、狸に化かされたりと、毎日のように不思議なものたちと触れ合う日々。極めつけは、死んだはずの友人・高遠が掛け軸から舟で会いにやってくる―。作品の中に流れている、ちょっと可笑しくて落ち着く空気がとにかく好きです。

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四季折々の庭の草木。…

四季折々の庭の草木。池。河童、人魚、子鬼、様々な、異界の生き物が登場する。まるで桃源郷で起きたはなしのようで、昔話のようで、ものすごく面白く読みました。子供向けのファンタジーではなく、大人向けのファンタジーですよ。

文庫OFF

珠玉の掌編からなる物…

珠玉の掌編からなる物語です。すべての文章が美しく、会話が粋です。くすりと微笑んでしまい、また、ジーンと胸に迫る物語です。構成も素晴らしい。

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樹に懸想される主人公…

樹に懸想される主人公に、掛け軸の中から出てくる友人。河童が現れても変に思わない隣のおかみさん。どこかおかしくて不思議な世界に、ゆったりと浸れます。

文庫OFF

 何だかくすりとさせ…

 何だかくすりとさせられる伝奇で、さらりと読めます。肩肘張らずに読めるのが心地よく、リラックスできます。

文庫OFF

舞台は明治時代。優し…

舞台は明治時代。優しく不思議な感じが、ゆったりとしていて心地良いです。

文庫OFF

2024/09/18

本編は単行本で読みましたが、巻末に載っている綿貫の随筆『烏蘞苺記(やぶがらしのき)』を読みたくて文庫版を借りてきました。 ⁡ 本編でいうと「紅葉」と「葛」に登場する、「後輩の山内」が取ってきてくれた「西陣の織物業界が出している得意先配布用月刊誌の随筆」で、「竜田姫が晩秋の綾錦の衣...

本編は単行本で読みましたが、巻末に載っている綿貫の随筆『烏蘞苺記(やぶがらしのき)』を読みたくて文庫版を借りてきました。 ⁡ 本編でいうと「紅葉」と「葛」に登場する、「後輩の山内」が取ってきてくれた「西陣の織物業界が出している得意先配布用月刊誌の随筆」で、「竜田姫が晩秋の綾錦の衣を仕舞い込む、というような寓話的な終わり方をした」原稿ですね。 ⁡ 『家守綺譚』を読むまで知らなかったのですが、「竜田姫」は秋の女神。「竜田山」を神格化させたものということで、竜田山、竜田川は和歌にも多く詠まれています。 ⁡ ちはやぶる 神世も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは (在原業平) ⁡ 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり (能因法師) ⁡ 『家守綺譚』には春の女神、佐保姫もダァリヤの君の幼友達「佐保ちゃん」としてサラッと登場してます。 ⁡ 綿貫の随筆ですが、なるほど編集者である山内が「呉服屋の娘さん」は「業界誌の綿貫さんの随筆」を読んでいるはずだから「この縁談は流れるだろう」と言った意味がわかりました。 ⁡ ──落ち着いて下さい。この原稿もきっとそうに違いないが、今までのだって面白いには違いなかった。けれど、この著書と生活を共にしようという気になるような内容だったでしょうか。  非常な説得力だ。 (180ページ) ⁡ 生真面目で浮世離れしていて、経済的なこととは縁遠そうで、普通の社会生活送れない人な感じが短い随筆から伺えてしまいます。 「風変わりな呉服屋の娘さん」なら竜田姫の衣替えを描いてみせた随筆を気に入りそうですが、綿貫征四郎さんはやっぱりサルスベリに懸想されたり、花鬼に暇乞いされたりしていてほしいです。

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2024/08/30

売れない作家と日常生活の中で出会う不思議なもの達との交流のお話。風流な文体とほんの一匙の不思議さがあいまって独特の世界観に没入できます。主観ですが、文章の雰囲気は夏目漱石、不思議さは宮沢賢治、といった感じかな。なんとも良きであります。

Posted byブクログ

2024/08/29

奇譚:珍しい話や不思議な話。世にも珍しく不思議な伝説 喋り方や書き方からで、わりと昔の時代の設定なのかな。 植物が喋ったり、私たちが知る生物になったり、狸が化かしてきたり、花が姫に変わり、小鬼がいたり 読んでいて思ったのは、昔の人はスマホも何もない時代だから、考え事や妄想の世...

奇譚:珍しい話や不思議な話。世にも珍しく不思議な伝説 喋り方や書き方からで、わりと昔の時代の設定なのかな。 植物が喋ったり、私たちが知る生物になったり、狸が化かしてきたり、花が姫に変わり、小鬼がいたり 読んでいて思ったのは、昔の人はスマホも何もない時代だから、考え事や妄想の世界の対象が自然や生き物だったのではないかと思った。 今の私たちには、自然や生き物を対象に、こうだったら面白いと思うことなんて無いに等しい。 植物の描き方や、不思議な体験を少し固めの文章でつらつらと書かれている。 なんとなしに、自然と触れ合った気でいるのは私だけのかな。 漢字が難しくて調べながら読んだけど、なかなか勉強になりました。

Posted byブクログ