看護病棟24時 の商品レビュー

宮内美沙子(著者)

看護の現場の問題点な…

[文庫ＯＦＦ]

看護の現場の問題点などを指摘した本。いつ自分がお世話になるかわからないのが病院。だからこそ知っておくべきことがあった。

2015/03/29

AIDSはこの本の著作された当時とは変わり、数年で亡くなる不治の病だったものが治療薬の誕生で発病後40年以上も生存できるようになった。
それと気になったのは、言い訳めいた文章。私はできる限りのことはしてるのだから、これ以上の要求には応えられない、という発想が目につく。でも患者からすると優先順位が違う事もあると思う。本来患者の立場で看護をしてもらわないと本末転倒。どんな職業でも自分の組織や職務を正当化したらそれ以上の進歩は望めない。今の職務内容に疑問を持つ姿勢をいつも忘れてはならない。

2020/07/15

どんな時代にもその時代特有の病気があったし、その社会特有の疫病があった。中世ヨーロッパ十三世紀のハンセン病、十四世紀のペスト、十六世紀の梅毒、十七、十八世紀には発疹チフスと天然痘、十九世紀になるとコレラ、結核、二十世紀には癌とインフルエンザ、そしていま二十一世紀を前にしてエイズである。病気は個人的な体験だが、つねにその時代や社会と深く結びついている。(p.100)
もし私が今日まで書いてこなかったら…看護婦として、人間としての私の到達点や在り方も大きく違っていただろうと思うのです。(p.296)