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シュナの旅(文庫版) の商品レビュー

4.3

222件のお客様レビュー

  1. 5つ

    86

  2. 4つ

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2020/07/26

宮崎駿さんならではの独特の雰囲気と世界観をよく伝わった物語です。 宮崎さんの自然への感受性と想像力がすごいですね… 淡々と綴られている人々の物語が切なくもどこか暖かい…これが癒しというのだ…(´;ω;`)

Posted byブクログ

2020/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ラジオドラマFMシアターで聞いた印象が、かなり強い。 そして本も読んだことがあるはずだが、手元になかったので入手し再読。 そのきっかけは、YouTube「メイドインアビス」のつくしあきひと卿お宅訪問インタビューである。 また外縁をさらに書けば、徳間書店のアニメージュ文庫の背表紙は見覚えあり……そう、押井守・天野喜孝「天使のたまご」1985だ。 「天使のたまご」映画自体を知る前に読み込んだものだが、あの本の中に「太陽が少女の眼には機械仕掛けに見える、あるいは本当に機械仕掛けの太陽が蒸気を噴出させている」という場面がある。 んで本作では「輝く巨大な顔」=月なのだ。 まあ連想したことを書いただけだけれども。 話の内容については書いても書ききれないので避ける。 類似や影響を書くだけで延々書ける、まさに種だ。 が、ひとつ言うならば、童話や民話や寓話とかではなく、ハードSFでもある。 ハイファンタジーの文脈での宮崎駿はよく言及されるが、ハードSFの文脈での宮崎駿についても、もっと言及すべきだ。というかそういうふうに見直すように心がけよう。

Posted byブクログ

2020/05/06

宮崎駿の主人公に宿る心の強さに憧れる。 挫折を味わいながら、人に助けられて、真っ直ぐに生きていく。 ディズニー映画とストーリーは似るところがある。やはり希望を持つ大切も伝わるが、絵の美しさ、描写・台詞のリアリティさは比較的できない。 常にどこか悲しげで緊張感がある描写、シュナ...

宮崎駿の主人公に宿る心の強さに憧れる。 挫折を味わいながら、人に助けられて、真っ直ぐに生きていく。 ディズニー映画とストーリーは似るところがある。やはり希望を持つ大切も伝わるが、絵の美しさ、描写・台詞のリアリティさは比較的できない。 常にどこか悲しげで緊張感がある描写、シュナとテオの結ばれたあのシーンが大好き。

Posted byブクログ

2020/04/08

チベット民話「犬になった王子」が元となっているそうで、谷底の小さな王国の王子が麦を求めて西の彼方へ旅をする話。もののけ姫の原型で、同時期に連載が進んでいたナウシカとも世界設定が似ているのと、息子吾郎が監督したゲド戦記はこの作品にオマージュを捧げたとのことで共通のモチーフが多く出て...

チベット民話「犬になった王子」が元となっているそうで、谷底の小さな王国の王子が麦を求めて西の彼方へ旅をする話。もののけ姫の原型で、同時期に連載が進んでいたナウシカとも世界設定が似ているのと、息子吾郎が監督したゲド戦記はこの作品にオマージュを捧げたとのことで共通のモチーフが多く出てくる。 メイドインアビスのつくし卿が作品冒頭の世界観を伝えるト書きを絶賛していたが、確かにここだけ読めば残りも全部読みたくなるくらいに魂が込もっていて絶品。自然の中で生きる人間の姿が活写されている。

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2019/12/30

宮崎駿の原点 だと、個人的には思います。 何年かおきに読んでいますが その度に、深い感銘を覚えます。

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2019/02/24

ナウシカとラピュタとゲド戦記が影響を受けているように感じられる。あとヤックルで西へと旅するのははもののけ姫か。

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2018/10/15

今の宮崎作品はほとんど興味がないが、この頃はナウシカなど好きだった。とはいえこの作品がこんなに自分に響くのは、やはりモンゴル旅の影響が大だろう。そしてそれをきっかけに中央アジアへの興味ががぜん湧いてきたわけだが、その要因のひとつとしてこの作品やナウシカで描かれている山岳民族の姿が...

今の宮崎作品はほとんど興味がないが、この頃はナウシカなど好きだった。とはいえこの作品がこんなに自分に響くのは、やはりモンゴル旅の影響が大だろう。そしてそれをきっかけに中央アジアへの興味ががぜん湧いてきたわけだが、その要因のひとつとしてこの作品やナウシカで描かれている山岳民族の姿があることは間違いない。ストーリー自体はよくできた神話的ファンタジーだが、絵の達者さに加え、衣装や小道具、建物、室内装飾、乗り物、そして空や雲、草原などはモンゴルのそれと相まって、とてもリアルに響いてきて良い。

Posted byブクログ

2018/09/20

 そろそろ『風立ちぬ』とか『ナウシカ』とかと同じサイズで売ってもいいと思ひます。発行当時のやうな、「カリ城とか言うくそアニメ以来才能が枯れた」人として仕事がアレだった作者をイメージできない人が大多数なんだから。 中尾佐助『料理の起源』によれば、Dough(小麦粉を水で練ったもの)...

 そろそろ『風立ちぬ』とか『ナウシカ』とかと同じサイズで売ってもいいと思ひます。発行当時のやうな、「カリ城とか言うくそアニメ以来才能が枯れた」人として仕事がアレだった作者をイメージできない人が大多数なんだから。 中尾佐助『料理の起源』によれば、Dough(小麦粉を水で練ったもの)文化の双璧に「ナン」と「皮パン」があると言ふ。  だからと言ふわけでもなからうが、中尾佐助リスペクトの本書では、話の端から端までナン食ってる。  特に衒ひがないが、ヒワビエとやらを移植栽培してゐる。『となりのトトロ』だか『もののけ姫』だかいふ、当時「馬糞臭い」と言はれ、企画が出る端から却下されたころにしては、発想がしょーもないと言はれる感じが。  多分、作者入魂の、「踊る幼女」が脳裏に焼き付いて離れない。

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2017/09/01

ここにはナウシカ、トトロ、もののけ姫などの原点が詰まっている。初刷は1983年。映画ナウシカの公開前年か~。元となった民話「犬になった王子」にも興味がそそられる。

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2017/08/29

彼の絵からは、風と土の匂ひが漂つてくる。そして、透き通る水の冷たさ。ほんたうに彼はこの地球が好きなのだといふことが感じられる。そして、それは自然と人間といふ対立では決してなく、人間もまたその自然の一部であることを彼はたしかな感覚としてもつているのだらう。ジブリスタジオ、特に宮崎駿...

彼の絵からは、風と土の匂ひが漂つてくる。そして、透き通る水の冷たさ。ほんたうに彼はこの地球が好きなのだといふことが感じられる。そして、それは自然と人間といふ対立では決してなく、人間もまたその自然の一部であることを彼はたしかな感覚としてもつているのだらう。ジブリスタジオ、特に宮崎駿に限つて言えば、この感覚なくしてはあり得ないと思ふ。 ひとはさういう自然の中で生きてはじめて男になり、女になつていくのだ。王子とはいふものの、最初のシュナは男女のそれと区別がつくものではなく、テアもまたさうだ。自然と生き、他人と生きて行く中で、彼らはひととなる。旅立つ時のシュナとテアのその顔は、はじまりの旅とはまつたく違うものである。この生れ変る瞬間、一瞬の機微を彼はかき分けることができるのだ。それが彼の生み出した精神であり、彼のスタイルであると思つてゐる。アニメはさういふ書き分けや想像のできる形である。 どんなに原作のある作品であつたとしても、その原作の中に、この精神を重ねあはせることによつて、ジブリはジブリらしさといふものを生み出している。原作を改編しているのではなく、原作と自身の精神の対話があるのだ。そこに創造性が存在するのだ。あとがきにもある通り、これは本当にあつた出来事といふよりかは、チベットの人々の穀物への感謝の物語だ、といふことばに現れている。 願はくは、その精神が今後のジブリスタジオで生きて行くことを。

Posted byブクログ