1940年体制 の商品レビュー
興味深い内容だった。自分は日本が太平洋戦争に負けて米国主導で戦前の体制は崩壊して1から生まれ変わったと思っていた。勿論、財閥や内務省は解体した。しかしながら、国家総動員体制と経済官僚は生き延びていた。戦後の高度成長は戦争への総動員が、重化学工業における生産能力への総動員へとそのま...
興味深い内容だった。自分は日本が太平洋戦争に負けて米国主導で戦前の体制は崩壊して1から生まれ変わったと思っていた。勿論、財閥や内務省は解体した。しかしながら、国家総動員体制と経済官僚は生き延びていた。戦後の高度成長は戦争への総動員が、重化学工業における生産能力への総動員へとそのままシフトしたものだった。
Posted by
前半は面白くない。7,8,9章に価値がある。95年時点で高齢化社会であるべき財政政策、税源の直間比率などを見通している。借家借地法のため日本の持ち家比率では世界でも高水準というのは、言われてみればその通り。小資産を持つ小市民が最も保守的になるという考察はなるほど。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1995年刊。 戦時期に確立された国家総動員体制とそれを基礎づける各種法令。 これら、特に経済法令は戦後も残存し、高度成長を導く要因となった。 教科書的には、戦後の経済法令を「戦後改革」と一括総称されてきた本書刊行時としては、ある意味大胆な仮説の呈示になったとも。本書は、その根拠についても解説を加えるので、痒いところに手が届く監事である。 確かに、戦前の経済的実質は国家社会主義であり、一方、戦後、最も成功した社会主義国家は日本であるというように、揶揄とも羨望ともとれる表現で諸外国に評されてきた。 このように評される理由が、読破時には判然としなかったが、本書でよく判った。 検閲や表現の自由、選挙権の拡大など、戦前戦後の断絶は、確かに存在するが、それは一面にすぎないのだ。 そういう意味で、当たり前の事情に気付かされつつ、視野を広げてくれた一書とも言えそう。
Posted by
逗子図書館で読む。再読です。残念ながら、どこで、いつ読んだのか記憶がありません。官僚統制の部分を読みました。官僚主導のカルテルは、うまくいかなかったことを指摘しています。理想と現実には、大きなギャップがあったようです。これは、僕の実感と合致します。ただし、この部分に関する記述はあ...
逗子図書館で読む。再読です。残念ながら、どこで、いつ読んだのか記憶がありません。官僚統制の部分を読みました。官僚主導のカルテルは、うまくいかなかったことを指摘しています。理想と現実には、大きなギャップがあったようです。これは、僕の実感と合致します。ただし、この部分に関する記述はあまりなく残念です。正直、荒っぽい本です。
Posted by
- 1