天上の青(下) の商品レビュー
理想主義的だけど淡々としたドライさを併せ持つ不思議ちゃん系おばさんなヒロイン、雪子さんのキャラクターがとても好き。
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フジテレビでしたでしょうか。ドラマ化されていました。 本よりは、ドラマの方が先です。 素晴らしい作品でしたので、原作を読んでみる事に。 ほぼ、原作通り。 役者さんもぴったりとハマっていました。 (白竜サンと山口果林さんでした。) 思わず、「ヘブンリーブルー」という朝顔を探してしま...
フジテレビでしたでしょうか。ドラマ化されていました。 本よりは、ドラマの方が先です。 素晴らしい作品でしたので、原作を読んでみる事に。 ほぼ、原作通り。 役者さんもぴったりとハマっていました。 (白竜サンと山口果林さんでした。) 思わず、「ヘブンリーブルー」という朝顔を探してしまった…。
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真面目なクリスチャンの雪子と、どうしようもない殺人犯の冨士男のやり取りが読みごたえある。遠藤周作の「沈黙」を再読した後だったので、キリストという存在や人の善悪について考えさせられた。
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主人公はとうとうお縄になる。しかし、何故彼はこのような殺人鬼になってしまったのかという過去の生い立ちや性格がねじ曲がった原因などは殆ど小説に描かれていない。しかし、そんな彼にも雪子には一目置いていて敬意さえ抱いていたことがなんとか主人公がギリギリの人間に思えてくる。その雪子をとおしてこの主人公、連続殺人をどう捉えるか作者自身の思想と、キリスト教の教義をまじえて凄く冷静に語られている。善人と悪人、救いや恨み、憐れみ、愛などこの物語で語られるとその言葉に魂が吹き込まれリアルに胸にしみた。
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自己中心的な理由で次々と殺人を繰り返す、凶悪な連続殺人犯と、裁縫を仕事とし、園芸を趣味とする、奥ゆかし過ぎる位の女性との、不思議な関係を軸としたストーリー。 ……と、さらっと言ってしまえる物ではない。 単なる犯罪小説ではない。 単なる犯罪小説で、読み終わった後、こんなに考えさせられる事があるだろうか。 悪事を働くには、稚拙過ぎる理由かもしれないけれど、「現代社会、被害者がこんな風だから、犯罪も増えて当然かもしれない。」 …と思ってしまったし、悪人にも、必ず、少なからず慈悲や後悔の念があるのだと、思わせる、作者・曽野綾子さんの文才、知識に頭が下がる。 下巻の最後の短いラブレター、そして、その返信は、思わず溜息(落胆、安堵両方の意味で)してしまったし、油断したら泣きそうになった。 犯罪は許してはいけない。 でも、犯罪者にも、気持ちはある。 ……うーん、考えさせられる!! とにかく、長編なのに飽きずにどんどん引き込まれた作品。
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現代日本の『罪と罰』と言える名作だと思う。楽しい、という内容のお話ではないけど、面白かった。かなり極端な性格や振る舞いの2人の考え方には、私だけなのかな、頷けるところが多くて、すごく感情移入して読みました。「普通」に描かれている小説の登場人物よりずっと共感できた。 図書館のリサイクルでもらってきたのですが、上下巻揃っていたからっていう程度の理由で、著者のお名前も全然知りませんでした。読んでから振り返るとそんなきっかけでもなかったら読まなかったかもしれないから、出会ってよかったなあとすごく思う。 富士男と雪子は対極なようでいてすごく似てる。自分の心が気持ちよくあることが第一。それが結果的に善行に見えたり、厭世的に見えたり、違法行為にまで及んだりするけど。 自分の欲やエゴに素直な人が私はとても好きなので、2人がどんなことをしていても肩を持つような気持ちで読んでいました。 ほんとうに分かり合うことはできず、素直に惹かれ合うこともなく、けれど通じるものを持っていたからこそのああいう描き方になったんだろうなあ。最後の手紙の遣り取りが切実で、それでいて優しくなかったりもして、こういうのが正直と言うのかもしれないと思った。 気軽におすすめはしにくいけど、私はとても好きだし、他の人の感想を聞きたくなる一冊でした。
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凶悪な殺人を繰り返す男(富士男)と、 心穏やかな年上独身女(雪子)の交流を描いている。 ある日、雪子に近づくためだけに、 庭先の青い朝顔(ヘブンリーブルー)を褒め、種をもらう富士男。 もらった種はすぐさま捨てられ、 それに気づいた雪子だが、そのまま富士男との交流を続ける。 許...
凶悪な殺人を繰り返す男(富士男)と、 心穏やかな年上独身女(雪子)の交流を描いている。 ある日、雪子に近づくためだけに、 庭先の青い朝顔(ヘブンリーブルー)を褒め、種をもらう富士男。 もらった種はすぐさま捨てられ、 それに気づいた雪子だが、そのまま富士男との交流を続ける。 許されざる凶悪犯である富士男だが、 雪子の前でだけは素直に人間らしさを取り戻す。 やがて、逮捕された富士男のため、 弁護士を雇い、世間から非難を浴びる雪子。 その心理とは? 同じ女として共感はできない。 読み物としては、淡々と進行しているようでいて、 読み応え充分で飽きさせない。
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高校一年時の担任の先生が紹介してくれた本。すぐさま買って、電車・バス通学の友になりました。人間の本質というか悲しさというか、いろいろと思うことがあります。
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